※軽い緊縛プレイあります、ご注意を^^

 





「さーくーまさーん」

調子の良い唄でも口ずさむように軽やかに、されど薄ら寒い事この上ない猫撫で声で名を呼ばれ
佐久間は不信感もあらわに眉間へシワを寄せ顔を上げた。


 

『後に後悔する、扉を開けなければ良かったと』


 

夜もふけた頃合いである。
早々に寝間着へと着替え寝床の準備を整え終えた佐久間が
愛用の水差しを枕元のナイトテーブルへ置いた直後、まるで見計らったかのように声が掛かった。
その明らかに胡散臭い、作りものめいた声音が誰なのか
すぐに三好の顔を思い浮かべると同時に眉をひそめ、そして首をひねる。
この時間、いつもなら訓練生同士8人仲良く揃いも揃って歓楽街へと繰り出しているからだ。
ちなみに毎度毎度三好に「一緒にどうです?」と誘われるが、
佐久間は今日も今日とて「悪いが遠慮しておく」と丁重にお断りしている。
まだ他に用があるのだろうか?
だとしても先程のあのいかにも演技掛かった声
…悪い予感しかしない。
いっそ寝たふりでも決め込んでやろうかと、半ば本気で考えたものの、三好相手に通用するとはとても思えず
仕方なしに溜息をついて、寝台から重い腰を上げて億劫そうに歩き、できるだけゆっくりと扉を開いた瞬間

「!」

三好の満面の笑みと、片手に携えた洋灯に照らされる縄が幾重か見え
直感的に恐怖しか覚えず、殆ど脊髄反射で扉を閉めようとするも、ガツン!と何かにぶつかって遮られる。
驚いて足元を見れば、扉の隙間に三好の足
ではなく、板切れが挟まっていた。故意に。
これが仮に板ではなく三好の足だったならば、もう一回
今度はありったけ力任せに閉めてやって、骨にヒビでも入れてやったのに
(然り、それを見越しての板切れなのだろう)
さすがに油断ない奴だと佐久間は「チッ」と舌を打ち、板切れを外すべく片足の爪先を翻すも、
それより早く廊下側から扉がしたたかに蹴り開けられ、勢い吹き飛ばされた拍子に盛大な尻餅をついた。
なんてざまだ。

「おや、そんな所に座り込んで何をやっているんですか佐久間さん」
「ッ貴様のせいだ!!」

軋む蝶番など気にもせず、涼しい顔で悠々と室内に入り
行儀悪く後ろ脚でバタンと扉を閉じながら、白々しく三好が首を傾げる。
よくもそんな科白を云えたものだ、厭味か?鈍臭いとでも揶揄したいのか?
よおし上等だと血色ばむ佐久間を後目に、三好は持っていた灯りをナイトテーブルへ置くと、
ニコリとまたしても不穏極まりない笑顔を浮かべ、佐久間の方に近付いて来る。
佐久間は何やら身の危険を感じ、警戒心丸出しの野性動物さながらにジリジリと後退るが

「気に食わないですね。どうして逃げるんです?」
「その良からぬ顔が恐ろしいからに決まっている…!」
「それはおかしいですね…笑顔は人の警戒を解く筈なんですが」
「貴様のソレは断じて笑顔なんかじゃない!気を許して堪るか…!」

心外とばかりに三好が不服げに云うので、佐久間は「不自然だ、気味が悪い、鬼が喜面を被ってるようだ」と、
素直に感じた違和感を包み隠さず云ってやった。
すると三好は、しばし呆気に取られたような顔をして、次いで何がオモシロかったのか、一人クツクツ咽喉で笑うと
佐久間が指摘した不気味な作り笑いではなく、口角だけをクッと上げた、いつもの人を食ったような笑みを見せる。

「これで満足です?」
「嗚呼、その厭らしい笑い方こそ三好だ。さっきより余程人間らしく見えるぞ」
「……佐久間さん、あなたって人は本当に…」
「何だ、俺がどうし、…っ?!」

聞き取れない程小さくぼそぼそと呟いた三好が、不意に大股で距離を詰めて来るので
咄嗟に佐久間も床に座り込んだ情けない姿勢のまま後ろに下がるが
すぐにドン!と壁に背中と後頭部を打ち付け、「うっ、」と間抜けな声を上げた直後
顔の左真横の壁と開いた両膝の間の床に三好の長い足がそれぞれ鈍い音と共に突き立てられる。
今にも鼻っ柱に膝頭をぶち込まれそうだ。
内心で戦々恐々としつつ、外面はなんとか平静を保つ事に成功した佐久間だけれど、

「…捕まえた。もう逃げられませんよ」

と、持ち前の尊大不遜な態度で冗談にもならない剣呑な事を言い出す三好に、何故か冷や汗が噴き出して止まらない。
この状況はつまり、そう、絶体絶命の危機というやつだ。
背後は壁、目の前には『バケモノ』。
果たして佐久間に勝機はあるか。
いや例え無いとしても、こうして退路を断ち解放してくれる気配もない三好に一体何の目的があるのか、
それを明らかにせねば対応のしようもないだろう。

「…それで、今度は何を企んでいる」
「いやですねぇ、企むだなんて人聞きの悪い。ちょっと佐久間さんにご協力をお願いしに来たんですよ」

佐久間のやや辛辣な探りに対し、いかにも思惑ありげに双眸を猫の如く眇めた三好は
前屈みになっていた背を更に丸め、佐久間の額に吐息が触れるほどに近く端正な顔を寄せ、こう続けた。

「縛らせて下さい」
「………は?」

たっぷり五秒は間を置いて、しかし全くもって理解できず、佐久間は疑問符を飛ばした。
三好がどうして縄なんぞ持って来ているのかずっと気にはなっていたが
それでなぜ佐久間が縛られなければならないのか。
何も悪い事などしていない。

「フフ、そんな阿呆面を晒さないで下さいよ。可愛いですね。
 実は次の任務での調査対象者がマゾヒズム…いわゆる被虐嗜好がある男でして
 そいつが自宅に呼び寄せた縄師に偽装して潜入予定なんです」

三好がしれっと口走った薄ら寒い形容詞の真意が判らないのはさておき
いかにも真面目くさった口調で矢継ぎ早に云われた任務概要だとて、とてもついて行けず

「…かわ…?、、いや、それよりも、ちょっと待て。縄とか被虐とか急に云われてもだな…
 頼むから、判るように説明しろ」

混乱するばかりの佐久間が補足説明を要求すれば、三好は「ハッ」と人を見下し切った短い笑息を零し
しかし滔々と淀みない弁舌でもって答える。
曰く、日本では古来罪人の拘束はもっぱら縄が用いられており捕縄術が多種多様に発達していること。
曰く、明治以降は緊縛が性的フェチズムとして広く認識され始めたこと。
曰く、辱めを受けたり自らの肉体を痛めつけることで性的興奮を得るとされる性的倒錯者が存在すること。

「まぁ、あまりおおっぴらには出来ないアブノーマルな性癖ですから
 それを隠さずに露呈できるとなれば、さぞ気分が良いでしょうね。握った機密だって、うっかり漏らす可能性が高いと考えます。
 よって僕としては、巧くサディストを…ああ、加虐嗜好者と云えば判りますか?を演じて、情報を引き出すのが目的です。
 そこで大前提として対象を満足させ油断させないと話しになりませんから、加虐方法は一通り学びました。
 そして今回男が縄師を呼んだように、縄で縛られる行為を一番好んでいるという事を事前調査で把握しています」
「…そ、そうか、、その、なかなか大変そうな任務だな」
「ええ、そこで僕は本物の縄師に色々と緊縛の手法を教わった訳ですが、
 知識として頭に入れるだけではなく、きちんと実践して身につけなきゃなりません。
 そう、やるなら徹底的に。役は完璧に演じてこそですから」
「なるほど…」

さすがは結城中佐率いる諜報機関の一員というべきか、大した念の入れようだ
思わず感心する佐久間であるが、三好が次いで寄越した問い掛けに、ピタリと硬直した。

「さて、ここまで懇切丁寧に説明すれば、僕が云いたい事…頭の固い佐久間さんでももう判りますね?」
「…!!」

至極愉しそうに、まるで罠に獲物を追い込む狩人のそれで、三好が佐久間の瞳を覗き込む。
つまり先程の「縛らせろ」とは、捕縛的な意味ではなく、性的な緊縛技を実践させろという事か。
思い至るも、そんなまさか…嘘だろう?と顔を引き攣らせつつ見上げる佐久間へ、
そのまさかですよと肯んじた三好は、壁についていた足をおもむろに下ろし
佐久間の片側の内股に宛がうと、じわじわと外側に押しやって大きく開かせ
下品な格好に動揺する佐久間をニヤニヤと見下ろしながら更に
片手に纏めていた縄をダラリと垂らして、思わせぶりに揺らして見せながら

「さあ、潔く練習台になって下さい」

言葉遣いこそ丁寧に、しかし有無を云わせぬ声音で命じるのだ。
佐久間はカッと口を開いた。

「ッ〜バカか貴様は!そんな如何わしい事は他所で、それこそ金を積んで練習したらどうだ!!」
「佐久間さん、ウチが貧乏所帯という事をお忘れで?」
「じゃあ訓練生同士でやればいいだろう!俺を巻き込むな!!」
「いやですよ、ゾッとしない」

縄持参の経緯はやっと理解できたものの、三好の申し出など到底納得も快諾も出来る訳がなく、噛み付く勢いで反論すれば
あーでもないこーでもないと御託を並べるのだから、近所の駄々っ子かと頭が痛くなる。

「いいじゃないですか。僕がこうして『お願い』できるのは佐久間さんだけですし、
 佐久間さんに断られたら他にどうしようもないので、練習不足のまま任務に赴いて失敗するかもしれません。
 もしそうなったら、佐久間さんの所為ですからね?」
「……っ、云ってる事が滅茶苦茶だぞ…!それに、」

何でも出来て当然なんじゃなかったのか、もしも任務に失敗したとしても三好自身の責任だ
その暁には貴様でも出来ない事があるんだなとせいぜい笑ってやろう…!
…などと、日頃浴びせられる数々の厭味に対する意趣返しのつもりで意気揚々と豪語すれば

「ハ、云いたい事はそれだけですか?まぁ最初から佐久間さんに拒否権なんてありませんけど」
「なんだと?!」
「安心して下さい、無茶な縛り方はしませんし、縄はちゃんと解して柔らかくした上で毛羽も取ってありますから」

などと既に玄人染みた気遣いと下準備をこなしている三好に寒気すら覚える。
まして拒否を認めないとは何様のつもりだ。
憤慨するも、唐突に寝間着を引っ掴まれたかと思えば引き千切る勢いで毟り取られ
上半身を裸に剥かれた佐久間は、いとも容易く両手を捕らわれ頭の後ろで組んだ状態で縛り上げられる。
要するに強硬的な実力行使だ。

「…ッく、そ…!解け三好…!!」
「イヤですよ。暴れないと約束して下さるなら吝かではないですが」
「貴様を殴る!!」
「フフ、それは遠慮しておきたいので、やはりこのままですね。
 それより佐久間さん、この縛り方を何というかご存知です?
 『後頭両手縛り』と呼ぶそうですが、その恰好、西洋では服従のポーズですよね」
「…!」

壁際に追い詰められた状況で、床に両膝をつき、後頭部で手を組んで曲げた肘を三好に向かって見せる。
相手への反意を持たず無抵抗を示す、証。
強制された体勢とはいえ、凄まじい屈辱感である。
佐久間はギリギリと奥歯を噛み締めた。

「その悔しそうな顔も、いいですね。でもまだまだこれは序の口」
「なに?!、っおい、待て…!これ以上どうする気だ!」
「いい子ですから、じっとしてて下さい…ね?」

三好の妙に掠れた声が耳朶に纏わりついて離れず項が総毛立つのと同時
強迫、否、脅迫めいた囁きにゾクと戦慄する。
然り、まるで蛇のようにズルリと首に這った三好の五指が、襟足を撫で喉仏を擦り鎖骨を辿り
愛おしげに首筋の上から下までを何度も何度も往復し…
「頸動脈を切るのにナイフは必要ない、爪で十分」と宣ったのは、果たして誰であったか。

「、、ッ、」

思わず息を呑んで、云われた通り大人しく抵抗を止めると
「やればできるじゃないですか」と頗る機嫌良さそうに囁いた三好が
佐久間の両手を拘束する縄の余った部分をまことに慣れた手つきで繰り
二つに束ねた縄を首に掛け正面でいくつか結び目を作り
股間を潜らせ背中へ回し首元の縄まで戻して引っ掛けると
まだまだ余りの長い其れを右と左に分け、それぞれを躰の側面から
まずは脇の下を通らせた縄尻を先程正面で作った最初の結び目と次の結び目の間の縄の一本に掛け
引っ張るようにしながら背中に戻し、背面の縦縄へと潜らせ固定すると
それをまた正面へと巡らせ次の結び目の間を抜け、同じ要領を左右対称に繰り返す。
すると、躰の正面の縦縄が右と左に引っ張られ、横に開かれる形で
歪な菱形模様を作り出し、目を瞠った佐久間の眼下では、とうとう短くなった縄の先端がとどめのようにギュッと結ばれた。

「うん、我ながらイイ出来です。『菱縄縛り』って云うそうですよ。
 縄目が美しく見栄えがするのでポピュラーな縛り方の一つですが、佐久間さんにとてもよくお似合いです」
「…ぐっ、、この好き者が…ッ」

自画自賛しつつご満悦な様子の三好に褒められた所で嬉しくも何ともない、寧ろ恥ずかしくて死にそうだ。
佐久間は三好を精一杯睨みつけ罵ってから、いつまでもこんな事に付き合ってられるかと
渾身の力を込めて腕の拘束を解こうとしたが、何をどうやっても緩む気配すらなく
逆に首に掛かった縄と両手の縄が繋がっている為に絞まって苦しいばかりである。
ならば立ち上がって距離を取るまでだと判断するも、三好がそれを許さない。
トン、と肩を押されては、緊縛を施された身では安定を失い
不自由な体勢のまま背後の壁へ寄り掛かるように崩れる。
途端、微妙に捻った体躯に、そして特に股に回った縄が
下穿きの上からとはいえ窮屈に食い込み、眉をしかめて唸った。
これでは下手に身動きが取れない。

「あまり動くと余計に締まりますよ」
「っやかましい!もう気は済んだだろう…!さっさと解いてくれ!!」
「何を云ってるんです佐久間さん、折角縛ったんですから、いくつか確認させて下さい」
「確認だと?一体何を……、っう、く…!」

いけすかない薄笑いを絶やさない三好が不意に手を伸ばしたかと思うと
佐久間の二の腕から脇腹にかけてを指先でなぞり、
その軍人らしく鍛え上げられた上質な筋肉の形と感触を検分もしくは堪能するかのように押しては撫で

「今、どんな気分です?」

問うのだ。
こんな莫迦な質問があるだろうか。
佐久間は吠えた。

「最悪だ!!!!」

生憎と縛られて悦ぶような特殊な性癖を持ち合わせてはいない。
それに三好に独擅場を許しているのも腹立たしいし
疾うに就寝する時刻を過ぎているにも関わらず、ぼんやりと洋灯が照らす室内で
男二人雁首揃えてこんな酔狂な真似をしているなど、甚だ常軌を逸している。
対しての三好は、「本当にそうですか?」と首を傾げ、腰を落とし屈み込むと

「此処。たってますよ」
「ッ?!」

菱縄縛りによって絞られるように強調された佐久間の逞しい胸筋の片方を
正確には色味の良い乳暈を指し遠慮なく爪先で触れ、ふつりと膨らんでいる先端を潰し捏ねる。
どうという事はない、縛められる際に縄が擦れての事である
別に性的興奮を覚えたとかではないのだ。
それなのに、わざとらしく指摘した三好が、そこを幾度も、いやらしく、整った指先で弄るものだから
次第にヒリリと妙な感覚が混じりだし、佐久間はじっとりと汗を浮かべ、焦りを覚えた。
このままでは大変な間違いが起こってしまう、と。

「よ、よせ…!もう触るな…!三好…ッ」
「残念、そのお願いは聞けませんね」
「、っ、、う、ッ」

意地の悪い笑みを浮かべつつ、嫌がる佐久間の肉体を卑猥に食い締める縄目をつぅと撫でた三好は
見事に割れている腹筋を辿り、小刻みに震える下腹部をゆるりと下りて
獲物の急所を狙う捕食者の如く獰猛な光を双眸に湛えると
佐久間の片脚を膝で押さえつけた上で、二本の縄に挟まれて浮き彫りとなっている佐久間の股座の中心を
殊更丁寧にじわじわと、その形を確かめるように、触れるか触れぬかの絶妙な力加減で掠めていく。
佐久間はただ声も息も無く硬直し、ドクドクと脈打つ己の鼓動と共に急上昇していく羞恥と体温に眩暈さえ覚え
「勘弁してくれ…ッ!」と咄嗟に懇願する言葉が口をついて出るが、三好は軽くそれを黙殺すると
最も丸みを帯びている部分、睾丸を悪戯につつき片手でやわく揉みながら
反対の手で汗に湿る佐久間の熱い肌を愛撫ともいえる手つきで撫で上げる。
するとどうだ、佐久間の牡はゆるゆると存在を主張し始め、ふっくらと下穿きを押し上げるではないか。
三好はそれをしたり顔で、佐久間は慚愧に慄く顔で見つめ
慌て三好の視線から隠そうとするも両手は括られて動かせず
身を捻ろうにも体重を乗せて圧しかかられて居てはどうしようもない。
佐久間は発狂しそうになった。

「…さて、改めて訊きましょうか。今、どんな気分です?」
「あ…、…ぅ…っ」
「任務での参考にしますから、ほら、云って下さい?」

初めて耳にする優し気な声で促してくる三好に、佐久間は射殺さんばかりの眼光を向け
「貴様に、殺意を、感じている」 と、乱れた呼気を荒く繰り返しながら、一言一言苦々しく呻く。
それを聞いた三好はさも嬉しそうに口角を吊り上げると
固く芯を持つまでに反応している佐久間の一物を更に煽るように、ぐしぐしと布地の上から乱暴に扱いて
縄を押し退けるまでに昂った牡から先走りが滲み出し下穿きを濡らしてピッタリと張り付くまで続け
どこからどう見ても猥りがわしい醜態を晒している佐久間を舐めるように観察する。

「み、よし…貴様ッ、、んっ、…完全に愉しんでるな…!」
「おや、バレましたか」

なす術なく翻弄される様を眺めるのはそんなに楽しいか、悪趣味にも程があろう
あまつさえそれを隠す気もないのだから、本当に憎たらしい。

「っ…何故、いつもお前は……、あッぐ、、…そんなに、俺が目障りか…っ」
「…目障り?誰がいつそう云いました?鰯の頭で勝手に勘違いしないで下さい。
 いちいち反応が面白くて退屈しない佐久間さんだから、つい、イジメたくなるんですよ」

と、顔を寄せ耳元でいやに熱っぽく囁いた三好は、唖然とする佐久間の耳朶を時折噛みながら

「それにしても佐久間さん、立派な帝国陸軍中尉の肩書は飾りですか?
 僕にこうやっていいように玩ばれて、恥ずかしくないですか?」
「な?!元はと云えば…ッ、ひ!やめ…!!、、このッ、人で無しが…!!」

強引に人を縛っておいて、なんたる云い草か、貴様は本当に鬼じゃなかろうかと正気を危ぶむ佐久間であるが
三好に強く一物を擦り上げられては批難もまともに出来ず短く悲鳴を上げ、ありきたりな罵倒を浴びせるしかない。
まして、溢れる唾を嚥下するたび上下する咽喉仏を旨そうに舌で舐めずられ
思い出したかのように乳首を抓み上げられると、不埒な快楽が腹の奥を擽り
いよいよ肥大した牡が垂らす先走りで最早下穿きの一部分が粗相したかのように濡れて色濃くなっている有様だ。
あまりに破廉恥な光景に卒倒さえしかけ、なれどここで負けてなるものかと必死に三好を睨みつけ

「貴様こそ、こんな茶番…っ、はッ、ン、、任務の役に立つとは、到底思えんぞ…!」
「ん?ああ、その事でしたら……まだ気付きませんか?任務なんて、元々ありませんよ」
「……………なんだって…?」

佐久間は己の耳を疑った。
任務が無いとはつまり、やけに饒舌だった説得は最初から全て偽りであったという訳で
ならば慙死にあたいすると云っても過言ではない三好からの屈辱的な数々の仕打ちを
ひたすらに耐えてきた佐久間の苦痛辛労は一体何だったのか
これではまるで、ただの道化…

………やられた!!


「三好イィィィィイッッ!!!!!」

夜の大東亞文化協會に、佐久間の怒声が響き渡った。

 

 

【終】


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あとがき

任務はないけど緊縛術を心得てる三好(佐久間さんをイジメる為なら努力を惜しまない子)であって欲しいw
佐久間さんはこの後、誰にも助けてもらえず三好に美味しく頂かれます^^
そして今後はどんどん開発(性的かつマゾ方向で)されて行けばいいなとww


2016/06/08  いた。