※『虎口を逃れて竜穴に入る』の続きになります。
 性描写あり。筆頭がいつものように変態ですw ご注意を!

 

 

『Collection』

 

血溜りの座敷諸共に佐助の亡骸も捨て置いて、軽々と幸村を抱き上げた伊達が
鼻唄まじりに行儀悪く片足で襖を開けて奥へと進む。
まるで好いたおなごを抱えるように、しっかりと優しく横抱きにして
闇を彷徨う幸村の、ズシリとした体重を腕に心地良く感じながら
誰の邪魔も入らない、己だけの特別な部屋を目指すその足取りは無論軽い。

「…………、………、ッ…!?」

あわよくば二度と目覚めぬ方が良かったろうに、此処で薄らと目を覚ました幸村は
自身の状況にすぐに気付くと、寝起きに冷水をぶち撒まけられた気分で瞠目し
何としても男の手から逃れ出ようとしたが、相変わらず動けもせぬし喋れもせぬで
おまけに感覚のない半開きの口元からはツルツルと唾すら垂れ流れている始末だ。

「Oh、起きたか。まだ寝てても良かったンだぜ?」
「っ、は、…ひゅッ!」
「ん?やっとオレと二人きりになれたンだからおちおち寝てられねェって?
 Wow,Wow、可愛いこと云うじゃねェか幸村」

切羽詰った短い呼気吸気の音はすれども声はない。
それをどう脳内補完したらそうなるのか
甚だ見当違いな事を云い出した男に良識など端から存在しないのだろう
見るからに嫌悪と憎悪を滾らせる幸村を頬ずりせんばかりに強く抱き締めると
辿りついた小間の中へ滑り込むなり、無抵抗な幸村を横たえ覆い被さる。
「よせ!やめろ!」という幸村の悲痛な叫びはしかし掠れた吐息としかなり得ず
そして幸村は同時に、この世のものとは思えない悍ましい光景を目にして、戦慄した。

「…ッ!!」
「Yeah、凄ェだろ?オレのCollectionは」

苦労したが集めるのは中々愉しかったと、自慢げに周囲のモノを眺める男の下で
幸村は激しく嘔吐(えず)いて胃の中身をそっくり戻した。

擦り切れた鉢巻、使い込んだ紅備え、長い栗色の髪房、見覚えのある小壷…

持ち去られた数々の物がどうなっていたかは、あの気味の悪い文に書き綴ってあった、だから知っていた…
とはいえ、頭で考えるのと実際に目にするのとでは大違いだ、胸糞が悪くなるとはまさにこの事。

「うげ、え…!ごぷっ、お゛ぇえ゛ッ…!」

うまく吐き出せなかった物が咽喉奥に絡みついて、噎せる幸村の眦から数滴泪が零れ落ち
伊達は勿体無いとばかりに其れを舐め取ったあと
幸村の項に手を添え掬い上げ頭を浮かせ、躊躇いなく汚れた唇にしゃぶりつき
下顎を捉え口腔を開かせた次には舌を突っ込んで掻き回し、吸う。
おかげで残滓が取り除かれ、危うく嘔吐物で窒息するというとんでもない事態は免れたものの
いまだ伊達の舌が好き勝手に咥内を泳ぎ、饐えた匂いが拡散されるばかりか
その伊達の異様に熱い舌が気持ち悪うて敵わず、更に気分が悪くなって来た。最低だ。
いっそ噛み千切ってやれたらどんなにか心晴れやかになるだろう
なれどまだ薬が抜け切るにはほど遠く、精々ゆるやかに甘噛む程度、
逆に男を悦ばせてしまうのが関の山であり

「…ふ、…んぐ、、っ」
「Ha、そんなに煽ってどーすンだ…?」

案の定、昂揚を隠そうともしない伊達は幸村を畳に押さえつけ
耳やら首筋を舐め廻したかと思えば徐に身を起こし、幸村の着物の共衿を掴み左右に割り開いて
露わになった滑らかな筋肉の起伏を眺め下ろしながら、両手の指の腹でじっくりと撫で辿る。
過不足なく綺麗に盛った肉の弾力は瑞々しく、感触を愉しむべく強く押せば指が小気味よく押し戻され
興が乗った伊達が薄く笑んで意図的に幸村の乳暈を捏ね廻すと、小さくふくりと膨れ上がった。
なす術なく四肢を投げ出す幸村の眉が険しく顰められる。
伊達にとってはその悔しげな、否、心底不快げな表情すら非常に好ましい。
何せ欲しくて仕方なかった物を漸く手に入れたのだ
たっぷりと時間を掛けて、どこもかしこも愛でるつもりである。

「Ah−…イイな。旨そうだ…」
「っ、…は…、ッ、」

耐え忍ぶような息を溢す幸村の、ダラリと力ない腕を丁寧に着物の袖から抜き
まずは指先の爪の形をなぞる処から始め、己が貫いた掌の傷の縁を掠めつ滑り下り
手首の細さを確かめ逞しい腕の肉付きから脇の下の窪みまで
左右それぞれを万遍なく検めた後、厚い胸と引き締まった腹と括れた腰を包み撫で
邪魔な腰帯を解き抜いて近くに放り着物の裾を肌蹴ると共に幸村の顔色を見ると、どうだ
今にも失神しそうなほど青褪めて、嫌悪やら憤怒やら拒絶やら恐怖を綯い交ぜにした
何とも云えぬ同情を誘う表情で伊達を睨む。堪らない。
自然と咽喉で含み笑いながら、投げ出されていた両脚のしなやかな太腿を
わざと扱くような卑猥な手付きで上下に擦って幸村の感情を尚も波立たせつつ
張った脹脛と細い足首にかけてを搾り上げるように撫で込み
ついには踵、足の裏を経て爪先まで、文字通り隅から隅まで検分した。

「Yep、やっぱオレの目に狂いはねェな。申し分なく完璧だぜ幸村」
「…、…っ、、」

満足気に感嘆する伊達に反し、猛烈な辱めを受けたような屈辱感に打ちのめされている幸村は
ただただ胸の内で「殺してやる」と繰り返し双眸に怨念を込めるものの
吊り上がった口端を興奮気味に舐めた男は、若干荒くなった息で不意に幸村の股座へ屈み込み
あろうことか、下帯に包まれた股間に鼻先を埋めてスーハーと深く吸う。

「…?!、ッ?!?!」

これ以上ないほど仰天した幸村は、まことに卒倒しかけたが
恐ろしい奇行を止めぬ伊達が続けて、想像を絶する行動に移ろうとしているのが見え、引き攣った。

「…Ah−、ハハ…、やっべェ……I'm so excited…!」
「ひ…!!…っく、!」

自らも着物を肌蹴て、下帯が突っ張るほどすっかり勃起した股座をそのまま幸村の股間に押し付け
下帯を介した状態のまま互いの牡同士を擦り合わせ始めたのである。
怯みと混乱で完全に縮こまった幸村の一物を嬲るように
あるいは陰嚢(ふぐり)の柔らかな凹みに沿わせ緩急をつけて腰を前後させ
いかにも熱の篭った呼気を断続的に洩らしつつ、次第に大胆な動きとなり
そして唐突に止まったかと思うと、窮屈そうだった下帯を手早く解いて片手に蓄え
寸後に吐精、白く斑に濡れ汚れた其れごと一物を数度扱いて残りを搾り出して拭うと
其処らへ投げてから、ニヤと碌でもない笑みを浮かべ

「うっかりオレのが掛かっちゃあ意味ねェからな。
 アンタの匂いが染み付いたままのを、クク、Collectionしねーとな…?」

半ば呆然としている幸村のよれた下帯に手をかけ取り去ると
もう一度たっぷり匂いを嗅いでから、傍らの衣桁へ、あたかも上等な帯紐を扱うが如くそっと掛けた。

「Well?そろそろ薬も薄れて来る頃か?…どうだ?ん?」
「…うぅ、ぐ…っ、、」

頬をぺちぺちと片手の甲で叩かれた幸村は、云う通り、僅かながらだが戻りつつある端々の感覚と
何とか声らしき呻き声を上げる事が出来たのを自覚したが、思い通りには程遠い。
それでも、這う這うの体で健気に離れようとする幸村を、しかし伊達は容易く押さえ込み
それこそ人形の如く、下肢を引っ掴んでありったけ割り開くと

「何度も想像したが、アンタの中はきっとheavenだ… そうだろ?なァ、幸村」
「ッヒ、い…!?」

どういう嗜好をしているのか、既に新たな先走りで下品にヌラつく牡の先端で
幸村の閉じた菊座を数度嚇かすように小突く。
それがどんな恫喝よりも恐ろしく醜悪に感じた幸村は、たまらず引き攣った悲鳴を上げ
どうにか伊達の両膝を掴んで押し返そうと試みたものの
無様に腕がブルブルと震えてどうにもならない。絶望的である。

「っく、…あ…!」
「…But、とっとと喰い散らかすのも芸がねェ…
 So、ちゃんと手間暇かけて、可愛がってやるからな?」

さも寛容そうに云ってくれるが、獰猛な光を帯びる隻眼は獲物を甚振る捕食者の其れであり
まして優しく囁かれた言葉の意味など、考えたくもないほど悪辣だ。
おぬしは鬼か獣かと胸中で罵りながら、幸村は必死に周囲に視線を振ってみたが
武器になりそうなものは生憎と手の届く処になく
隙をついて立ち上がる事が出来れば何とかなるやも知れないのに
手足はまだ痺れが切れたように役立たない。

「…う、っや、…!よへぇ…!!」
「舌っ足らずに喚くなよ、ブチ犯したくなンだろ?クク…」

呂律廻らぬ間抜けな制止を訴える幸村を悠々と見下ろしながら、伊達は愉しげに菊座へと指をかけた。

 

――――――――

 


「…、ぅ、うっ…う、、あ…ッ」

伊達に囚われた日から、幾日経ったか最早判別できなくなるほど前後不覚に陥っている幸村の
苦しげな、それでいて悩ましく色めいた声が小間へ陰湿に篭る。
卑怯な薬を使わない代わりに両腕はしっかりと拘束され
どんなに殺意を向けようと大声で吠え立てようと、伊達の望むが侭に躯は暴かれ熱せられる。

「、んっ、ぐ…ッ、ふ…っあ、!」

強引に押し広げられた菊座が伊達のいきり立った牡をぬぷぬぷと呑吐する様はえげつなく醜猥であり
されどすっかり男の形を覚え込んだやわい肉の、厭な処を乱暴に突かれれば堪らない感覚が下腹を疼かせ
幸村の許容など疾うに通り越した過剰な快楽に、既に正気が限界どころか屈服寸前であった。
辛うじて持ち堪えられているのは、他ならぬ伊達に対する憎悪が未だ色褪せぬからだ。

「あ、、はっ、…ハッあ、はぁッ、ア!」
「Yeah、その顔だ…Ahh…可愛いぜ幸村」

淫らに紅潮した顔を歪め、それでも必死に呑まれまいと息をすべく足掻くさまは、まさに溺れかけの獣であり
うっとりとほくそ笑んだ伊達は、汗で張り付く幸村の前髪をかき上げ額に口付けると
ジクジクと膿んだように先走りだか子種だかを滲ませる幸村の牡を握り込んで扱き上げ
したたかに腰をゆすりながら、いつぞや書き綴った懸想文の愛の言の葉を、呪詛の如く繰り返し囁く。
それはもう、穏やかならぬ悦楽の波へ幸村の頭を上から押さえ込み二度と浮かんで来れぬよう
きっちり重石までつけて沈めんとするような、執拗な執着ぶりであり
「この、キチガイが…!」と嗄れた声でいくら罵倒した処で
「Exactly、気が違っちまうぐらい可愛いアンタが悪ィ。責任取ってくれるか?HAHA!」
と心底嬉しそうに哄笑し、可愛い可愛いどうしてそんなに可愛いんだ幸村幸村と云いながら
酷く荒ぶった様子でこれでもかと幸村を突き上げ続ける。

「うっ、あッ、…う…!」

あまりに容赦なく、しかもしつこく揺するものだから、悪酔いしたように目が廻り
血の気が引いて視界が暗転すると同時に体内へ子種を注ぎ込まれ
幸村は数瞬意識を手放した事を後悔したが、同じ事を幾度となくされて来たし
いつものように苦も無く、いや寧ろ喜々として後始末を伊達がやるのはどうあっても変わらない。

「…あ、…ぁ、、っ」

弄られ過ぎて腫れ上がった乳首を指の腹で撫でられてもヒリつくばかりで痛いだけなのに
連動したかのように菊座が収縮すると、ニヤと伊達が好色な笑みを浮かべ
「ったく、しょーがねェなアンタは」と、自分の事を棚上げにして
さも好き者がと云わんばかりの口振りで肩を竦めると
幸村の疲れ果てたドロドロの顔をやんわりと両手で挟み正面を向かせ
暫し陶然と眺めながら、夢見がちに、というよりも、すっかり耽溺した風にこう囁く。

「次はどんな顔をオレに魅せてくれるンだ…?幸村」


―――最後に死顔を見たいと云い出すのは、まだまだ先の事であるが
幸村は既に予感、否、確信する。

この醜悪な小間に、いずれ己の首が飾られる事を。

 



【終】


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あとがき

五周年アンケリクにて、『「虎口を逃れて竜穴に入る」の番外編』、というか続編、ですね^^;
筆頭がいー感じに気持ち悪く仕上がったので満足しておりますが、いかがでしたでしょうかww
このまま暫く(いや寧ろかなりの長期間)幸村との性活を楽しむ筆頭だとは思いますけど、ゆくゆくは……(笑)

2015/03/14  いた。