※長編小説「弦月の烙印」の番外編になります。性描写(獣姦含む)がありますので、ご注意を。

 


 

『狗』


 

「はぁっ、あぁっ!、…んっ、んっ、、」

引っ切り無しに周囲へと飛び火する悩ましい嬌声が、白昼の庭先にまで洩れ聞こえる。
堂々と開け放した障子の所為だ。
此処は城より離れた処にある、伊達の私邸の一つ。
ちょっとした庵を模したような、風情ある立派な母屋の小奇麗な座敷にて
声の主である幸村は、伊達に股を割り開かれ、揺さ振られて居た。
しなやかな四肢を無造作に投げ出し、仄紅く上気した全身には玉のような汗が浮かび敷布を湿らせ
熱に浮かされた虚ろげな瞳はしどけなく濡れて、奄々(えんえん)と乱れる気息ながら
憚りなく蕩けた声を上げる様は煽情的であり、伊達が押し広げた下肢は強い律動の度にゆらゆらと淫らに揺れる。
その過艶な嬌態を思うさま独り占めにする男は、薄く笑みを湛えた唇に荒い呼気を乗せ
殊更舐ぶるように濃猥な情事を幸村に強要し、快楽の泥土へと引きずり込む。

「あ…っ、あっ、…んぅッ…ぅ…!ひぃ、、っあ…!!」

お互い既に幾度も子種を散らせ、幸村の方はとっくに限界を迎えているのだが
いまだ余裕を見せる伊達の方は、まだまだ続けるつもりのようで
幸村の弛んで締まりのない菊座を緩慢に深く抉りつつ、柔らかく解れて纏わりつく肉襞を緩やかに掻き回す。
そうすると、幸村は小刻みに震えながら、しっかりと一物を勃たせて厭らしい悲鳴をあげるのだ。

「Ha!イイぜ?随分やらしい躯になったもんだ」

もはや子種尽きかねぬその牡を扱き、ふっくらと張った睾丸をやんわりと揉んだ伊達は
悦に浸り囁くと、組み敷いた幸村の首筋を粗く舐め上げ耳朶を噛み
穏やかだった律動を突如激しいものに変え、知り尽くした泣き処を狙い済まして突き上げる。

「ッあ…!あぁっ、!…あッは…!っ…く、、ンン…ッ!」

急に巨大な官能の波が一挙に押し寄せ、容易く呑まれた幸村は
まさしく溺れたように前後不覚に陥って、必死に敷布を掴んで掻き毟り
気持ちが良くてしょうがないという声で喘ぎ散らす。
羞恥などという理性は、いつの日であったか、疾うに手放していた。
最後にまともな会話をしたのも、またその言葉が何であったのか、それさえももう覚えていない。
来る日も来る日も伊達がもたらすのは、甘やかな地獄。
ある意味、過ぎたる快楽は真綿で首を締める事と違わないだろう
じわじわと確実に、心身を蝕むは堕落と虚脱だ。

「…はっ、…アッァア…! 、、ふ…、ぁ……っ…、」
「Ah〜やっぱ出ねェよな、オレもそろそろ出ねェ」

幸村は今日何度目かの絶頂の感覚を覚えたものの、終に何も吐き出す事なく
されど達した時と同じように甲高く啼いて、ふるりと震え恍惚と弛緩する。
その様を見た伊達は下品にそう云うと、己こそ吐精というにはあまりに少ない
ごく僅かに滲んだ子種の残滓を擦り付けるようにしてから
これでやっと満足したのか、ようやくの事で萎えた牡を引きずり出した。

「…ん、っ、、」

一体どれだけの精を注ぎ込み続けたのか
小さく声を洩らした幸村の、栓を失った菊座から、ゴプ…と白濁が溢れ出し、音もなく臀を伝い落ちて敷布に溜まる。
それに、長時間にわたって股を割られて散々に犯し抜かれた所為で
大きく開いて立てた両膝は閉じる事もなくガクガクと痙攣しており、なんと淫靡なことか。
隻眼を細めた伊達は「…煽りやがる」と呟き、幸村の膝頭に手を掛け右の太腿へと顔を寄せ
火照った肌に滴る汗ごと、お気に入りの弦月の紋に舌を這わせ、ゆるりと舐め上げた。

「……は、……ン…」

ぐったりと横たわる幸村は微かに吐息を零し、伊達の好きにさせる。
行為が終われば、いつも一刻ほど意識を飛ばし昏睡するか
生きた木偶のように放心状態となるのだが、今回は後者のようだ。
半開きの口の周辺に残る幾筋もの唾液の跡を拭いもせず
焦点の合わぬ眸を何処ともない宙に流し、自身がどんなにあられもない姿をしているかなど
意識に掛けることもなく、匂い立つ事後の艶を漂わせ、指先一つ動かさない。
伊達はそんな幸村を愛おしげに腕へと抱き、乱れ散らばる栗色の髪房をするりと梳いた。

 

―――――――――――――

 

さやさやと穏やかな風が頬を撫でる。
汗と子種拭わぬ躯そのままに、簡単に蒼の羽織を肩に引っ掛けただけの色香る姿で
ぼんやりと縁側に座り庭先を見耽る幸村は、かれこれ半刻ばかりこうして居る。
その何とも云えぬ儚げで危うい後ろ姿を、座敷の中ほどでゆったりと煙管を吹かしつつ眺める伊達は
飽く事無い興を嗜むように静かな笑みを浮かべ、肘をついた右手に頭を預けて横向きに寝転がった楽な姿勢を崩さず
時折思い出したように灰吹きの縁をカツと叩いて灰を落とす。
正午より少し傾いた位置にある陽に照らされる優美な庭など、もとより眼中にない。
(秋ともなれば、植えた楓が燃えるように色付き、情緒あふるる景観となる。そこだけは気に入っているが)

「…ん?」

とその時だ、庭の遥か遠くより駆けて来る影があり
伊達は訝しげに片眉を跳ね上げるも、幸村の方は全く気付いて居ないのか、身じろぎもせず
あっという間に此処まで接近した影は、勢い良く無防備な幸村へと飛び掛かった。

「ッ…?!」

突然の急襲に、つくねんと散漫していた幸村も、さすがに現実へと引き戻されたか
吃驚という言葉がよく似合うほど大きく目を見開き、後ろに倒れかけた上体を辛うじて手をつき留めた。
一体何だと己の膝元に纏わりつく存在をよくよく見れば、なんと、犬である。

「これはっ、幸村様、大変申し訳ございませぬっ!」

其処へ庭先から館仕えの下男が遅れて走って来て、焦りきった様子で詫びを申し立てる。
犬の首から綱代わりの縄が長く垂れているあたり、おおかた散歩か何かの途中に手から縄が離れたのだろう。
よくある事だ。
それにしても、

「…ツ、、」
「っこら!早く幸村様から離れろ…!」

獲物を見つけた猟犬にも劣らぬ執念で、未だ幸村に踊りかからんとする犬が、なかなか手強く
下男が綱をグイと引っ張っても、頑としてその場を動かない。
男は大粒の冷や汗を浮かべ、再度綱を握り直すが、ふと寒気を感じ
恐る恐る顔を上げると、座敷に居た伊達と目が合い…
瞬間、怜悧な隻眼に燈る剣呑な光に肝っ玉を射抜かれ、男の青褪めた顔色は更に酷く真っ白になった。
然もあらん、もし幸村に何かあれば、首が飛ぶ。怪我でもさせれば一大事だ。
しかし、いくら渾身の力を込めて縄を引こうとも、一向に離れる気配は無く、さぁいよいよ困った。
引いて駄目なら抱え上げるかと、握っていた縄を諦めて手放し、犬の胴へ両手を伸ばすが
触れるより先に首が振り返り、恐ろしげに唸って牙を剥き威嚇するので、慌てて引っ込める。
これでは全く手出しが出来ない。下男はオロオロと狼狽した。

「…まったく、相変わらずウチには役立たずばっかりだな…」

十人に訊けば十人が頷く腑甲斐の無さを、さも悲劇だと云いたげに軽く嘆息し
面倒くさそうに口を開いた伊達が、続けて「Sit」と短く命じた途端、犬の耳が声の方へピクリと反応し
これまでの手の付けられない暴れっぷりが嘘のように、幸村からあっさりと離れ大人しく座った。
日ノ本では見た事もない毛色毛並みが美しい、大きな犬である。
暫く前に、献上品として異国から連れて来られたのだが
伊達には既に幸村という名の愛玩動物が居たので、さしたる興味も湧かず
此処の庭へと放し飼いにしてあり、世話は専ら下男共に任せて居た。
構う時があるとすれば、時々幸村を連れて此の別邸を訪れたついでに
軽く一瞥を寄越し、頭を素っ気無く撫でる程度。
にも関わらず、世話を焼く者達にはこれっぽっちも懐かず、偶にしか来ない伊達にだけ尻尾を振って
尚且つ躾けてもいないのに、まるで言葉を解して居るかのように、従順に云う事を聞くのである。

「…っ…、」

そして実を申せば、幸村はこの犬が心底苦手であった。
もともと、犬自体あまり好きではなく(幼い頃に手酷く咬まれた事がある所為だ)
近付く事すら嫌なのに、さっきのように襲い掛かられては、鋼のように固まってしまう。
今とて、己のすぐ傍に座っているだけなのに、恐くてしょうがない。
その滲み出る恐怖心を、目敏く見抜いた伊達は、ニヤと口角を吊り上げ

「…イイコト思いついたぜ?幸村ァ…」

と不敵に囁いて見せた。
この性質の悪い笑みをした時は、総じて碌な事が無い。
それが判っていた処で、幸村にどうする事もできないが。

「どうやらこの駄犬、余程アンタに遊んで貰いてェようじゃねェか」
「…!!」

幸村が恐がっていると百も承知なくせに、ワザとそう云った伊達は
「Come on、上がっていいぜ。コイツと遊んでやンな」 と、地面に座っていた犬に命じる。
するとやはり、伊達の言葉を理解しているとしか思えないほど、素早くパッと立ち上がった犬は
遠慮なく縁側へ上がるなり、硬直していた幸村へと飛びついた。
人間の小童より遥かに大きな体躯が、手加減なく圧しかかって来て
幸村は勢いを殺しきれずに板敷きへと倒れ込み、背中と後頭部をしたたかに打ち付ける。
鈍い痛みを覚えたが、そんな事より、目の前の狂暴な生き物から、どうにかして逃げねば。

「っく…、あ…!」

ところが、転げた拍子に両脚の間にスルリとうまい具合に入り込んだ犬が、深く覆い被さって来て
剥き出しの肩や腹をベロリベロリと長い舌で舐めるので、思わず大袈裟にビクと跳ねて悲鳴を上げる。
獣特有のザラッとした舌の感覚が、とてつもなく気持ちが悪い。
これは駄目だ、と犬の首を捉えんとて両手を伸ばそうとしたものの、咬まれるのが恐くて
竦んで怯えて居る事しか出来ない上に、胸の辺りを一舐めされた時
敏感な乳先をものの見事に蹂躙され、一気に力が抜けてしまった。

「は…ッ、…ぅ…、、」

性感帯の一つである其処は、日頃伊達が重点的に攻めてくる事もあり
少しの刺激でもすぐに反応し、甘い痺れを生み出す。
それは犬の舌先でも変わらないようで、もう一度掠るように舐められると、ヒリとした快楽を訴え、プクリと尖った。
幸村が堪らず小さく呻き、ゾクと躯を震わせれば
その反応に味を占めたとばかりに、犬はハタハタと尻尾を振って胸ばかりを舐め
他にも弱点はないのかと、粗探しするように彼方此方を舐め始めた。

「…っ…!、あ…っ…、ヒッ…!」

そうして此奴が辿り着いたのは、あろうことか幸村の半ば勃ち上がった牡で
何の躊躇いもなく、あの長い舌でザラリと舐め上げた。
刹那に脳天まで奔った感覚たるや、嫌悪やら快楽やら区別できぬ壮絶な物であり
大きく仰け反った幸村は、短く息を呑んで五指に力を込める。
しかしその程度の事では遣り過ごせない。
続けて竿の裏筋、陰嚢の裏まで執拗に舐められては
瞬く間に幸村の呼気は忙しく乱れ、艶っぽい声が混じり、屹立した牡の先端からジワ…と先走りが滲む。

「、、んっ…、く…!……あぁっ…!ぅ…っっ」

ビクビクと戦慄く全身を支配しているのはもう、大半が悦びだと云う事は誰が見ても明らかだ。
幸村は半泣きの双眸を潤ませ、苦しげに眉を寄せ喘ぐ。
これはきっと何か悪い冗談だろう
まさか今生において、犬に一物を舐めしゃぶられ、浅ましく身悶える日が来ようとは。

「ところで、いつまでソコに突っ立ってるつもりだ?」
「…へ?」

そんな異常極まりない沙汰の最中、不意に思い出したように伊達が声を掛けたのは
軒下で声もなく阿呆のように口を開きっぱなしで、食い入るように現状を見詰めていた下男である。
主の問いに対し、間抜けた返事をした男は云わずもがな
幸村と犬の度を超した猥雑な光景に、その場を離れる事すら忘れて見入って居たのだ。

「まだ見てェなら、遠慮なく座って見ろよ。気にしねェから」
「そっ、そんな!滅相もございませんっ!下がらせて頂きます…!!」

別に伊達からすれば見物人が居た処で、どうと云う事はない。
己とて、卑猥な情景を見世物が如く愉しんで傍観して居る。
されど、「はい、見物させて下さい」などと、まさか一介の下男ごときが図々しくも云える筈がなかろうし
そもそも、幸村の過ぎたる媚態のお陰で、見苦しいほど股座のモノが成長しており
然らば、居た堪れなくて仕方がないので、早々に逃げるように御前を辞した。

「…ッチ、つまらねェ…」
「ひっ…!や、、っ…、あぁ…!」

小さく舌を打って面白くなさそうに溢した直後、俄かに幸村が一際大きな声を上げ
視線を戻した伊達は、ニタリと厭らしく口端を上げると

「Oh…えらくサカりがついてンじゃねェか」

下卑た哂い声を噛み殺し、囁く。
と云うのも、とうとう犬まで幸村の色香に中てられたか、ハッハッと荒い息遣いで
本能の侭、獣同士の交尾さながらにカクカクと腰を振り出したのだ。
位置が位置だけに、穴を探り当てるのは早い。
その幸村の菊座だが、つい先刻まで伊達のものを受け入れ続けていた事もあって
ゆるく解れきっており、犬の粗末な牡の侵入を拒む事もできず、容易く許してしまう。
酷く拙劣で野生的な動きで出入りを繰り返す生温かい獣の牡に
幸村は必死に首を振って嫌悪を示し

「っ…!やっ、あ…!いや…だ……! …た、たす、、け…ッ…、まさっ…ね、どの…ぉ…!」

と、あまりにも情けのない声で助けを求めるので、名を呼ばれた伊達は意図せず嬉しげな笑みを禁じえなかった。
幸村が斯様にもハッキリと言葉を話すのは、久方ぶりだ。
近頃は恍惚と掠れた嬌声や、乱れた呼気に混じる悩ましい呻き声ばかりで
言語そのものを忘れたか、意味を成さぬ艶めいた声色をただ洩らすのみ
会話らしい会話や、まして名など、まったく耳にして居なかったのである。
伊達は隻眼をゆるりと眇め、徐に立ち上がると

「Get off、もういい、失せろ」

傲慢不遜ながら、有無を云わせぬ低い声で犬に命令した。
夢中で腰を振りたてて居た犬であったが、主の絶対的な言にビクリと反応すると
張り付いていた幸村から慌てて逃げるように離れ身を翻し、まさに尻尾を巻いて庭の奥へと駆けて行った。

「…っはぁ…!はぁ、ッ…はぁっ、、!」

ようやく獣との有るまじき交ぐわいから解放された幸村は、大きく肩で息をつき
脱げて下敷きになっていた蒼の羽織を震えながら掴む。
未だに犬の一物の感触が消えぬ臀の穴が、ひどく不快であった。
小さく蹲って居ると、煙管を置いた伊達が立ち上がって歩み寄り、「起きろ」 と容赦なく命じるので
両手をついて何とか上体を起こし見上げると

「口を開きな」
「っ、」

顎を掴まれ、佇立する男の股座へと導かれた。
何をさせるつもりなのか一瞬で判り、唯々諾々と唇を開けば、案の定
伊達が片手で着物の衽を割って、中から自身の牡を取り出し突きつける。

「さっきの犬畜生よろしく、手は使うな。口だけで、オレをイかせてみせろ」

見慣れたソレは既にゆるく勃ち上がっており、幸村は薄く唾を呑んだ。
うまく口に含みきれるかどうか、、立派な雁首である。

「……ン…、」

しかし、無理をすればきっちりと口腔へと収められる事は、知っていた。
何せ、これまでにも何度か口淫を強制させられた事があり
これからどうすれば良いのかも、十分に判っている。
幸村は限界まで口を開き、紅い舌を見せながら、ゆっくりと伊達の牡を含んだ。

「…ん…、ッ……、っふ…」

形の良い先端の部分へと唾液を絡め、程よく濡らしてから、丁寧に舌先を這わせ、愛撫する。
決して歯を立ててはならない。
終始にわたり細心の注意を払いながら、男の一物を飴のように舐め擦り
段々と深く咥え込んでいくと、肥大し反り返ったマラ先が上顎を掠める。
苦いものが口内に広がるあたり、先走りは確実に滲んで居よう。
幸村は僅かに眉間に皺を寄せ、唇を窄めると、扱くように顔を前後に振り始めた。

「っ、…ん、……んっ、…ンッ、」

呼応するように伊達の牡が益々大きくなるのだが、当然根元まで含みきれる訳がなく
(いつもならば、その含みきれぬ部分は両手で扱いて愛撫する)
出来うる限り、自身の口腔の最奥まで咥え、必死に吸い上げる度、チュルと卑猥な水音がした。
が、こんな中途半端な口淫ではやはり、伊達が絶頂を覚えるには程遠く

「…Hey、そんな事じゃ半日しゃぶったってオレをイかせられねェぜ?もっとしっかりやンな」
「、、ふっ…!、ンぐ?!…んぅっっ、う…!!」

高慢に云い放つと、幸村の前髪を鷲掴むなり、したたかに腰を打ちつけ前後に揺すりだした。
まるで何処ぞの穴を貫き犯すように激しく突き入れられ、堪らず嘔吐いた幸村は
涙目になって苛烈な仕打ちに耐える。

「うぶっ、…ッんぅ…う! 、ンンッッ、ンン…ッ!!」
「Ha…ッ、出すぜ」
「…ッッ!…、んっ、……ぁ!」

云いざまに、髪を後ろへ引っ張られ、口を離すと
鼻面から顎にかけて、汚らしく子種を引っ掛けられた。
先の長ったらしい情事が終わってから、一刻ほどしか経たぬのに、もう溜まっていたのか
白濁はボタボタと伊達の足の甲やら縁側の板敷きに滴り落ちた。

「舐めろ」

すぐさま飛んで来た短い命令に、勿論恥辱や反意などは欠片も湧かず

「…ん…、」

幸村は云われるがまま、四つん這いへと体勢を変え
肘を曲げて頭を垂らし、滑らかな板敷きに散っていた白濁を、直接舌で舐め取る。
あたかも犬が如く、点々と続く滴を一つ残さず辿る幸村の視界に
伊達の素足と、その甲に付着している物が見え
無論、これとて綺麗に舐め取らねばならぬだろう。
さして逡巡する事もなく、薄っすらと開いた唇から濡れた紅舌を伸ばし

「…は…、……ン、、」
「OK?ソコだけか…?隅々まで綺麗にしろよ?」

含みのある言を受け、ならばと甲だけでなく
形の整った五指の一つ一つ、爪から叉に至るまで、丹念に舌を這わせた。
そうやって夢中で舐めしゃぶって居る内、なにやら妙な興奮を見出したか、股座の牡が疼きだし
知らぬ間に勃ち上がったばかりか、弁えず先走りまでタラタラと流す。
されど幸村は少しも頓着する事なく、伊達の足を舐め続けた。

「…まったくテメェは、本当に可愛いヤツだ…」

伊達は蕩けるような猫撫で声で呟くと、いまだ這いずり回る心地良い舌から名残惜しげに足を引き
高く臀を突き出した恰好のままの幸村の背後へと廻り、猛った牡をズブリと突き刺す。

「、、あ…!、はぁっ……!」

つい先程の犬の牡とは比べ物にならぬ、質量と熱を備えた杭が乱暴に奥まで打たれ
辛抱堪らず悩ましい吐息を溢した幸村は、眩暈にも似た強烈な官能に見まわれて居た。
伊達の牡を、こんなにも気持ちが良いと思った事はない。
無意識に、キュゥ…と切なげに締め上げると、更にズンと嵩を増した一物が
柔肉を穿たんばかりに、しこたま抜き差しされ
決して泣き処を突いている訳でもないのに、全身が小刻みに戦慄くほどの快楽を感じた。

「っあ…、あァ!、くっ…!……んぁっ、あ!」
「その調子だ幸村…もっとそれらしく、BowWowと啼いてみせなァ」

無心で喘ぎ悦がっている処へ、伊達の愉しげな声が降る。
聞きなれぬ発音であったが、今までの経緯と、「それらしく」の科白から察するに
犬の啼き真似をしろと云いたいのであろう。

「あ…、ぅ……ッ!、、わ、っわう、、ぅ!…ッひ、ィ…!」

忠実にそれをなさんとしたものの、「ワン」と発しようとした声は
無様に崩れて成り立たず、途中からは卑猥に甲高く掠れて裏返り
続けて激しく揺さ振られれば、もはや「うぅっ、うぅ…っっ」と唸るような獣染みた嬌声にしかならない。
そんな幸村を心から愛おしそうに、そして満足気に見つめる伊達は
これでもかと云うほど腰を打ちつけ、此方もケダモノと相違ない貪欲さで以って目前の全てを喰い散らかした。

「ふっ、…ぅ…!…んぅっ、ぅ…ッ」

一歩先に出れば優美な庭が待つ風通しの良い縁側で、開けっ広げに縺れ合い
互いが貪るように過激な情事に耽る乱交ぶりは、まこと本能で生きる野獣と何ら変わるまい。

…嗚呼、もう、いっそのこと本当に犬畜生になれたなら……

などという逃避の思考さえ湧きもせず
ただただ伊達との行為に没頭する己の悲哀さに幸村が気付く日は、果たして来るだろうか。


 


【終】


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あとがき

すいません、ごめんなさい、エロで始まりエロで終わるという「必殺8O1クオリティ」炸裂です。
皆様にドン引きされるのを覚悟でupしました、、ひぃぃ、、、orz
(…ただ、ねちっこい筆頭は大好きです。そして「やりきった感」は果てしないです←)

2010/12/03  いた。