※JOJO1部パロにて、ダテサナ義兄弟設定(ディオ⇒政宗/ジョナサン⇒幸村)です。
 ディオのゲロ以下っぷりにカッとなってやった。後悔はしていない。
 「ん?」という点もあるやもですが、なるべく原作に沿って話を進めつつ、捏造&妄想まじえて腐方向に捻じ曲げますw
 処は日本です。時代設定は適当で。とにかく筆頭がゲスいです。
 
 要約すると、何でも許せる心の広いお方、どうぞ読んでやって下さいorz(平伏)

 




『DS YOUTH #1:侵略者政宗』



今日、幸村には、家族が一人増える。
と云っても、血の繋がりはない。所謂義兄弟だ。
幸村の父の大恩人の息子であり、不幸にも両親が他界し、他に身寄りもなく
真田家へ引き取る事になった、というのが経緯である。
いきなりの話しで、最初こそ困惑を覚えた幸村だったけれども
家族が、それも同い歳の兄弟が増えるのだと思えば
多少不安こそあるが、興味と興奮の方が大きかった。

「む!貴殿は、伊達政宗にござるな!」
「そういうアンタは、真田幸村」

時間通りに玄関前へと到着した、大層見目のよい男を出迎え
「某の事は幸村と呼んで下され」と、はにかんで見せる。
――この時、出会い頭にジャレつこうとした愛犬を容赦なく政宗に蹴飛ばされたが
  きっと犬が苦手で愕いたのだろうと、グッとこらえた。

(……Hum、コイツが真田家の跡取りか。見るからに金持ちの坊ちゃんっつー甘えたツラだな…
 クク…コイツを精神的に追い詰め、ゆくゆくはこのオレが…)

などと目の前の政宗が考えている恐ろしい企てにも気付かず
幸村は釈然としない心持ちながらも屋敷の中へと案内する。
――この時、親切心から政宗の荷物を運ぼうとしたら、
  「小汚い手で触るンじゃあねェ、Idiot!」と素早く手を捻り上げられ
  耳朶をキリキリ引っ張られながら耳元で「威張るな」だとか「オレは一番が好きだ」とか
  散々な事を吐き捨てられて、まるで訳が判らなかったが、それも何とか耐えた。

初日からこんな有様で、果たしてこれから上手く一緒に暮らして行けるのかと
甚だ心配になった幸村だが、そんな事は誰にも云えなかった。


政宗は、大変に出来が良かった。
礼儀も作法も、そして立ち居振る舞いまで、一等級の其れである。
対しての幸村は、赤子の頃に事故で母を亡くし、たった一人生き残った家族として、そして嫡子がゆえに
大変に甘やかされて育ち、基本何をしても許されて居た為、全てが不出来だった。
例えば、二人揃って父に学問を教わる時、
幸村は殆ど全ての問題を間違え、政宗は難なく全てを解いてしまう。
今日も今日とて、家族三人揃っての夕食の折、食欲のあまりガッつき盛大に食べ溢しをした幸村は
「行儀が悪い、少しは政宗を見習いなさい!」とこっぴどく叱られ
挙句に食べ掛けの食事を下げられた。

「…Hmm、マヌケが」

と、人を見下し嘲笑する声がひっそりと囁かれた事を、
半泣きになりながら逃げるように自室へと駆け込んだ幸村は、知らない。

「…っ…う、…ぅ…ッ、、」

分厚くふかふかの上掛けを引っ被り、男の癖にめそめそと、声を押し殺して泪を流す。
今まで直視して来ようとしなかった己自身の矮小さを痛いほど実感すると共に
とてつもない悔しさと情けなさで一杯になる。
以前まで優しかった父の態度が、此処にきて極端に厳しくなった事も少なからず動揺していたし
自分が出来ない事を当たり前のように涼しい顔でやってのける政宗が羨ましく、妬ましく
おまけに父が政宗を褒める処など見てしまったら、尚更だった。

「……っぅく…ぅ゛ぅ…っ…」

何やら、自分の居場所がどんどん政宗に侵食されていっているような気がしてならず
どうしようもない程、恐ろしくなった。


ある日の事だ。
近所の河原でちょくちょく催される、ちょっとした勝負に幸村は参加していた。
年頃の同じ若者達が集り、剣術稽古とは名ばかりの腕試しをしているのだが
ここの処、幸村は負け知らずであり、木刀を使った一本勝負では、現状敵なしである。
日々の鬱屈をこの場で晴らしていると云っても過言ではない。
さぁ次の相手は誰なのだと、周囲に群がる人垣を見渡した処で
審判の煽り文句と共に、その男は現れた。

「次の対戦相手は、最近この町に来たばかり、隻眼の伊達政宗ー!」
「…え…?」

瞠目する幸村などお構いなしに、悠々と木刀を手に対峙するのは、見間違いようもなく政宗である。
どういうつもりなのかと視線を送れども、ニィと不敵な笑みを浮かべる男は何も云わない。
どころか、「始め!」という審判の声で、一瞬の内に幸村との距離を詰め
目にも留まらぬ速さで得物を一閃。

「ッ!!」

真っ直ぐに脳天を狙って来た一撃を、咄嗟に身を捻って躱せば、ハラハラと髪が幾筋か風に舞った。
ドクンドクンッと一気に心臓が早鐘を打ち、冷や汗が噴出す。
しかし愕然とばかりはしていられない。
此方からも打って出なければと、弾かれたように反撃を繰り出すが
いかに速く、どこから狙おうとも、ひらりひらりと柳のように上手く避けられてしまう。
まるで掠りもしないとは一体どうした事かと、半ば自棄になって渾身の一撃を放つが
ガキン!と呆気なく弾き飛ばされた木刀は、勢い宙を飛んで地面に刺さり
直後、無防備な幸村の鳩尾を強烈な衝撃が襲った。

「うぶ…ッ!!」
「どうだ?貧民窟で鍛えたオレの技、たっぷり味わいなァ!」

挙句酷いのは、この時点で勝負はついているというのに
立て続けに肩やら腿やらを滅多打ちにし、最後には木刀を翻らせ
柄の部分で幸村の右目を強打するという、度し難き悪辣さだ。

「ぅぐぁあ゛ぁああッ!!!!」

腹と右目に奔るかつてない激痛に、幸村はもんどり打って地面へと倒れる。
途端、「凄い凄い!」とまるで化物を倒した英雄か何かを褒め讃えるかのように
周囲の者達は政宗を取り囲んで群がり、口々に持て囃す。

「一体どうやったらそんな風に強くなれるんだい!」
「Ah−…特別に教えてやってもいいが、絶対幸村には喋るなよ?アイツはすぐに秘密を洩らすヤツだからな」
「え?!そうだったのか…それは知らなかった、気を付けるよ!」

目前で堂々と、かつ意図的に人を貶める政宗を、ただただどうする事もできず傍観しながら
芋虫さながらに這い蹲って「…何故、わざと、、こんな…っ」と呻くも、誰からの返事も無い。
チラリと、政宗の冷たい視線が幸村を貫いた。

(…Ha、孤独は人間を無気力にする… 幸村、テメェを腑抜けにしてやるよ。
 そして全てを取り上げて、オレの物にしてやる)

そんな最低な思惑が絡んでいるとも知らず、幸村は悔しげに歯噛みし、一敗地に塗れていた。


・・・・・・・・


酷かった目の腫れが引き、躯中の痣も消えかけた頃、幸村は一人川べりで愛犬と遊んでいた。
前まで付き合いのあった友人達からは、あの日以来ずっと徹底的に爪弾きにされているからだ。
きっと政宗の指示だ、と幸村は半ば確信している。

「…どんどん、侵略されて行くようだ…。何故、政宗はそれほどまでに俺を…」

こうまで嫌われる理由が判らなかった。
故に、悲しくても、苦しくても、怒りを感じても、何処にぶつけていいのか判らず、煩悶する。
日々蓄積される疎外感と孤独も、大層辛かった。
今にも挫けてしまいそうだった。
されどそんな時、幸村は一人の優しい少女と出会い、心を通わせる。
幸村は極度の照れ屋であるが、その子ばかりは特別だった。
この町でたった一人、まともに話をしてくれるからだ。
大切な存在になるのは当たり前である。
遅れ馳せながら、これが初恋と云ってもいい。
一緒に居るだけで、ささくれ立った心がすっかり落ち着くし
色々な嫌な事も忘れて、次に来る一日が楽しみですらあった。
今日も、先だって交わした約束通り、二人で過ごし、気付けばもう、夕方である。
「また、」と手を振り合って別れを惜しみ、帰路についたのだが
事は、幸村が見えなくなり少女が完全に一人になった時、起きた。

「Hey、アンタ随分と幸村と仲が良さそうじゃあねェか」
「…!」
「オカシイと思ったぜ。落ち込んでる筈のアイツが、
 最近妙に浮かれてやがったからなァ…Hmmこういう事か」

並木の陰からゆっくりと姿を現したのは、政宗である。
纏う不穏な空気をすぐに察した少女は、咄嗟に踵を返し逃げようとしたが
政宗はすかさず捕らえ、無理矢理に唇を押し付けた。
――この時、傍で成り行きを見ていた取り巻き達は
  こんな事は他の誰にも出来ないとばかりに、羨望と驚嘆の声を上げた。

「アンタ、もう幸村とはKissしたか?まだだよなァ?アンタの初めては幸村じゃなく、このオレだ」

政宗にとって、手段はどうでも良かった。
見るからに清廉なこの少女と幸村が、これがきっかけで別れるという結果に繋がれば、それでいいのだ。

(…アイツには、友人も恋人も与えねェ)

何もかも手にして温々と生きて来た幸村から、全てを奪う。
其れには無論、人間関係だって含まれている。
政宗は罪悪感など微塵も感じる事なく、泣きながら逃げ去る少女を見るともなく嘲笑った。


幸村が少女の異変に気付いたのは、すぐだった。
声を掛けた途端、まるで拒絶するかのように立ち去ってしまったからだ。
一体どうしたのだろうかと呆然として居ると、近くでその様子を見ていた者達が(幸村を村八分にする連中だ)
ニヤニヤと下卑た笑みを揃ってしながら、「どうしてか教えてやろうか?」と、したり顔で話し掛けて来る。
いつも幸村の事を相手にしない癖に、どういう風の吹き回しだと怪訝に思ったが
そんな事よりも、彼女があんな態度を取った理由を知る方が遥かに重要だった。
何か、厭な感じがしてならない。

「…貴殿ら、何かしたのか…!」

詰め寄り、彼らが白状した事実を耳にした瞬間、幸村は駆け出していた。



「政宗ェエエッ!!!」
「…Ah?オレの名を気安く呼び捨てにしてンじゃあねぇよ」
「ッ某に対する数々の嫌がらせなど、この際どうだってよい!されど…!!」

あの子は何もして居ない、何も悪くなかった、関係なかった、、
なのに、下衆で姑息な手段を取ってまで、侮辱し、心を傷付けた事が、どうしても許せなかった。

「Uh-huh?それで拳で報復し、力尽くで謝罪させようってぇ訳か…OKOK」

激しい剣幕で肉迫する幸村を素気無くあしらった政宗は
顔面へと繰り出された幸村の拳を容易く避けて身を捻ると、容赦なく肘先で幸村の鼻っ柱を打つ。

「っぐあ、あ!」
「学習能力のねぇヤツだ…またボッコボコにされてェか?」
「ぅ、ぐぅ……っ」

力の差は歴然だった。幸村は戦慄を覚える。
また、あっさりと負けてしまうのか、
負けて、今度こそ政宗の影に食い潰されて
ビクビクおどおどと政宗に怯えて暮らして行く事になるのか…!

(…来いよ、幸村。徹底的に叩きのめしてやるぜ。アンタが好きな、正々堂々と、だ。
 そうして、このオレにはどうやっても勝てねェと、躯に覚えさせてやる)

「ッ負けぬ!某は絶対に負けぬぁあああッッ!!」

咆哮した幸村は、やみくもに突進した。正攻法では敵わぬと悟ったからだ。
しかし政宗は、それすら予想の範疇内だったのか
返り打つように片足を跳ね上げ、幸村の横っ面を確実に蹴り抜く。
柔らかい頬肉の感触と、その奥の硬い歯列の感触の心地良さに、薄っすらと笑みさえ浮かべて。
恐らくこの一撃で、幸村は昏倒するだろう。
そうしたら鳩尾も甚振ってやると口端を舐めた時、予想外な事が起きた。
幸村の反撃である。
まさかそんな体力があったとは思わず、まともに食らった頭突きは、鼻血が垂れるに充分な威力だった。
おまけに、生じた僅かの隙に乗じて、幸村が怒涛の殴打を浴びせて来る。
――飛び散った鮮血が、壁に飾ってあった石仮面に付着し
   仮面が突然変形して床に落ちカタカタと微かに震えたのを見たのは、幸村だけであった。

「……Tough shit…!」

格下と思っていた幸村にこうまで圧倒されるとは思ってもみなかった政宗は
口汚く罵り、隠し持っていた小刀に手を伸ばそうとしたが、ちょうどその時、
「何をしているお前たち!」という父親の声により、互いにピタリと静止した。

「………」
「………」

双方へ叱責があり、流血沙汰の喧嘩の決着は着かぬまま終わりを迎え
二人は互いに睨み合った後、一言も言葉を交わす事なく、それぞれの部屋へと戻った。


翌日。
幸村が大事に可愛がっていた愛犬が死んだ。
広大な庭の片隅で、焼け爛れた哀れな姿で見つかったらしい。
あまりに酷い亡骸であった為、幸村が駆けつけた時には、既に小さな墓へと埋葬された後であった。
恐らくは、番犬が邪魔な盗人がやった仕業だろうと、父が言う。
けれど幸村は、その言葉を聞いてなど居なかった。

「……政宗……」

呆然と立ち尽くし、今は此処に居ない者の名を呟く。
だが父も使用人達も、その意味など察してはくれない。
云った処で決して信じないだろうし、証拠もない。
その日幸村は、食事も取らず部屋に篭もり、一人嗚咽を漏らして、泣いた。



一方の政宗は、夜の街に居た。

(…莫迦狗を始末し、屈辱は晴らしたが、、)
 
見縊っていた。幸村の爆発力を。
叩けば叩く程、そして自分ではなく他人の為にこそ、本来以上の力を発揮するのだ。

(面白ェ…面白ェじゃねぇか真田幸村ァ…)


――そうして、7年の歳月が経過する。


 

【2へ続く】


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あとがき

とんだ俺得で、本当に申し訳ない…orz 
筆頭が人間やめる所まで書きたかったのですが、アニメ1話分で力尽きました(灰)
早く幸村の首の血管を筆頭にコリコリしてもらいたいです(動悸息切れ)

2013/05/11  いた。