※前回と同じく、性描写・暴力表現等々あり。
 一体お前らどこに居るんだという冷静なツッコミにビクビクしつつ続けます。

 
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『Half Dragon:#2竜の道楽』


 

賑やかな声が耳に入り
重く沈殿する意識を浮上させる。
ぼんやりと目蓋を上げると、見知った幕営ではなかった。


「……ぅ…」


躯を起こそうとしたが、激しい倦怠感と鈍痛に阻まれ叶わず
小さく呻いて眉を寄せ、一体ここは何処だと緩慢に顔を上げると
見覚えのある脚が見え。
途端に冷えていく背筋と感覚を感じ、息を止めた幸村は
しかし続けて降って来た低い声に、ビクリと跳ね上がった。


「Hey、起きたか幸村」
「…ッ」


反射的に距離を取ろうとするも、首を細い何かに引っ張られ
その場から動けない。
何が起こったのかと状況を把握しようとする幸村に
クツクツと咽喉で嗤う男が、グイと手元から伸びる縄を引っ張ると
合わせるように幸村の首も引き寄せられる。
訳が判らず其れを目で辿っていくと、伊達の手から地面へ垂れ、まさしく己の首元へと続いていた。


「……な、ん…!」


まるで犬か家畜にするように、首にささくれ立った粗い縄が巻かれており
よくよく見ると、辛うじて身に付けていた筈の籠手や臑当もなく丸裸で
唯一あるのは六輪銭のみ、それがカチリと音を立てて揺れただけだった。
しかも、首の縄以外は特に束縛されず
脚は勿論のこと、両手すら拘束無く自由という事実が、余計に屈辱的だった。


「………一体、何故、斯様なふざけた真似を…っ」


先の辱めに始まり、今現在も祝い酒を呷って騒ぐ伊達軍が大勢と
伊達政宗を筆頭に居並ぶ武将達の目に、あられもない格好で晒され
幸村は慙死しそうになりながら、床几に座している伊達を睨んだ。
しかし鼻で嗤われたかと思うと、強い力で縄を引き寄せられ
躯ごと其の足元に引き摺られる。
未だ立てない躯を地面で擦り、顔を顰めた幸村の栗色の髪に伊達の手が伸び
鷲掴んで引き上げ、ニヤニヤと不愉快な笑みを向けてくるのを
唇を噛んで睨み返せば、薄い唇が尚吊り上がった。


「幸村……オレはテメェのその目、好きだぜ?」
「…なに、を……っ…」
「それになァ、オマエはもうオレのモンだ。好きにさせてもらう」


云い様に、膝立ちの幸村の頬に、少し身を屈めた伊達の舌がねっとりと這い
まるで味見されているかのような感覚と
下品とも云える所作の悍ましさに、眉根を寄せて歯を食い縛る。
そうして細く糸を引きつつ離れた顔へ、怒りにまかせて右の拳を繰り出すと
いとも容易く掴み取られ、反対の手を上げるより早く、頬を平手打ちされた。
パンと乾いた音の後に、ジンジンと疼くような痛みが次第に広がったが
幸村は口の中に滲んだ血を、唾と共に伊達の整った面に向かって吐き掛けた。
途端に、ザワザワと周囲に動揺が起こる。
まさかあの独眼竜と恐れられる男に、唾を吐く人間が居ようとは
命知らずとしか言い様が無い、間違いなく首を刎ねられるぞ、そう誰もが思った。


「…Ha!やってくれるぜ」


しかし当人は激昂するどころか、愉しげに唇を歪めると
口許まで垂れてきた幸村の赤透明な唾液を、舌を出して舐め取り
掴んでいた右腕ごと躯を引っ張り上げ、己の膝の上を跨らせた。


「…っ!」


その卑猥な体勢に、幸村はすぐ様暴れ出そうとしたが
胸に顔を寄せた伊達に鋭く乳頭を噛まれ、短く息を呑んで固まる。
痛みは勿論あるが、そんな所を誰かに噛まれたことなど無かったし
続け様にネロネロと先を舐め回す、何とも云えぬ感覚は
不快感の他にも感じるモノがあり、一瞬怯んだ。
が、腰をガッチリと抱え込んだ手が、臀の辺りを撫でた所で、幸村は漸く我に返り
慌てて伊達を引き剥がそうと肩を押す。


「伊達…政宗…!やめ、よ……っ…!」
「やめねーよ。っつーか、また呼び捨てたァ冷たいねェ…
 さっきみたいに、殿って呼んでくれよ」


アンタが媚びる様は滑稽で愉しいのだと、嫌味に嗤って目を細める男に
幸村はカッと頭に血を上らせ、激情に任せ拳を振り上げる。


「Stop、あんま抵抗しない方が身の為だぜ?」
「…?!、あ、ぐッッ!!」
「潰されたくねーならな」


云い様に、いつの間にか握り込まれていた睾丸を強く圧迫され
冷や汗を噴出し、縮こまって硬直する。
まさか其処を掌握されては、抵抗する訳にはいかなかった。


「…Good、聞き分けのイイ狗じゃねーか幸村…」
「っ……この…、外道が…!」
「何とでも云えよ、負け狗。それより、早くご主人様を気持ち良くしてくれねーか?」


うっかり握り潰しちまうぜ?と、低い声に囁かれ
視線を股座に遣る伊達の要求の意味を察した幸村は、血が出るまで己の唇を噛み締めると
怒りと屈辱で震える手で、男の蒼い甲冑を弛め
まだ反応を見せていない一物を取り出し、ゆるゆると扱き始める。
背後の武将達の視線が気になったが、今はそれ所ではなかった。


「ックック……巧いぜ幸村…ちゃんと虎のオッサンに仕込んで貰ってたか」
「ッ!貴様、言って良いことと悪いことが…!!」


何処を如何したらそんな科白が出てくるのか
幸村は動かしていた手を止め、薄く笑んでいる伊達を侮蔑に満ちた目で睨めつけた。
自分だけでなく、信玄のことも侮辱されたような気がして
燃えるような怒りに全身を焼く。
この男にだけは、信玄について兔や角云われたくなかった。


「Ha!一丁前に毛ェ逆立ててンじゃねーよ。自分の立場判ってンのか?」
「…っ…!」


揶揄するように首の縄を指でなぞってから
後ろ髪を強く引かれ、周りの状況を横目で視界に入れた幸村は、顔を歪める。
云われずとも、此処は敵陣のど真ん中であり、自分は負けて伊達の手に落ちたのだ。


「判ったら、大人しくオレの云う事聞いとけよ。OK?」


抵抗しても意味がない、否、抵抗する権利がないのだと
口端を上げる伊達の言葉は、果たして正論であった。
この戦乱の世、勝者が全てを決める。
それならばいっそ自害した方が、このような辱めも終わらせることができるのに、と
思わなかった訳ではない。
幸村の信念から云えば、敵の手に落ちた時点で腹を切っている。
しかし其れをしないのは、偏に憎い仇を討つ為だ。


「……くっ…、」


幸村は擦り切れるほど奥歯を噛んで、再び伊達の陰茎に手を伸ばし、拙く扱き始める。
手淫の手管など知らない。
知らないが、普段あまりすることのない其れを
自分にやるように、伊達のモノに対して同じようにやった。


「Ah〜、なかなかイイぜ幸村…今度は是非、口でやって貰いてェもんだ」
「…っ……下衆が…」


次第に大きく反り勃ち、熱さを帯びてきた雄の先端に指先を擦りつけながら、
幸村は卑猥な科白を放つ男のこの一物を、千切り取りたくなる衝動を堪え
早く絶頂を迎えてくれと、一段と扱く速度を上げた。


「…!!」


と同時に、臀の穴に触れる骨ばった指の感触を感じ
愕いて伊達の切れ長の片目を凝視すると、其処にある不穏な光を見つける。
その嫌な予感は悪くも的中した。
伊達の長い指が、未だ熱を持ち腫れの引いていない臀の穴を撫で
少しばかり爪先を埋め込んで来て、ゆるゆると解すような仕草をする。
それから下劣な笑みを湛え、薄っすらと口の端を舐めた。

…まさか、


「……あっ…無理、だ…!」


未だ陵辱された傷跡も乾かぬその場所を
またも押し開いて犯そうと云うのか。
しかも今回は、「自分で挿れてみろよ」などと、無情無体な命令までしてくる。

そんな事が出来る筈がないと首を振る幸村に
伊達は嗜虐に満ちた表情を崩さず


「さっさと挿れろよ。萎えンだろ?」
「ッ、、!」


脅すように玉を揉み上げながら、声色も低く囁く。
思わずヒクリと引き攣った幸村は
怯えたように震えながら、男の片目を窺い見た。
もう、あんな痛みと苦しみしかない行為など、二度と味わいたくない。
それに先刻と違い、決定的に違うのは
無理矢理手篭めにされるのではなく、幸村自身が進んで脚を広げるという事。
こんな敵陣の中、それも名の知れた武将達の見ている前で、そのような真似をするなど
武士を捨てたも同然だ。


「…………」


が、幸村はもう武士ではない。
どんな手を使っても、この男の首を討ち主君の仇を取ると決めた時点で、その志は、捨てた。

覚悟を決めたように目を閉じ、伊達の肩に手をつき躯を支えながら
ゆっくりと腰を上げ、一度細く息を吐いてから、そろそろと下ろした。


「……う…っ、く、」


先端が臀の穴を迫分け抉り込んでくる慣れない感覚と
先の傷口にズキズキと染みる痛みに
引き攣るように何度も幸村の肉壁が痙攣する。
途端に中の伊達が膨張し、裂けると危惧した幸村は、途中で腰を下ろすのを止め
息苦しさにゼェゼェと喘ぎながら、呼吸を整えようとするが
態と揺すり上げられて、ヒクリと息を止める。
恨みがましく見遣れば、ニヤニヤと厭らしい笑みをしているのが目に入り
言外に早く動けと急かしているのだ。


「ッ、、待……て…まだ……っっ」
「黙って腰振れよ」
「あっ…!あぁ…ッ」


畏縮している性器を掴まれ揉み扱かれながら
数度下から突き上げられ、幸村から悲鳴に近い声が上がる。
急な刺激に翻弄されてか、我知らず伊達の肩に掴まり
衝撃を遣り過ごそうと荒く息をする幸村だが
其れを嘲笑うかのように伊達の激しさは増して。
器用にも幸村の性器を扱き上げる手が、どうしようもない熱を引き出し
自分でも信じられないが、膨らみ硬くなりだしている事に気付いた。


「……くっ、…あ……!、な…ぜ……っ…」


終には先走りまで滲み出し、こんな筈はないと力無く頭を振る。
されどそんな事で伊達が攻め立てを止める訳も無く
変わらず幸村を突き上げながら、笑みを浮かべて嬲り続けた。


「、っぁ…、は…っ……んん…ッン…」


その内に、ただ苦しげだった幸村の声が、次第に艶の入り始めたモノに変化しだし
傍観していた武将達の咽喉が、思わずゴクリと鳴る。
後姿ながらも、幸村の痴態は
普段の闘いの鬼子と称された姿を知っているからこそ、倒錯的で色香があった。
細い躯は何処も彼処も汗で湿り
筋肉のついた、けれどしなやかな背中には
栗色の長い後ろ髪がピタリと張り付いて
押し殺した嬌声を上げながら、淫らに男に跨り腰を振る様は
同じ男でありながら、劣情を煽り立てられる。


「…クク、アンタの淫乱ぶりは大したモンだ。皆興奮しちまったじゃねーか」


気付いた伊達は低く咽喉で哂うと
幸村の臀を両手で鷲掴み、周りに居る者達によく見えるよう割り広げ
殊更激しく下から突き上げた。


「あ…!っぁ、…ヒッ、あ…っ!」


まさしく見せ付けられる激しい交わりに
周囲は一種異様な熱気に包まれ出す。
止める者は誰も居らず、ただ釘に打たれたようにその場から動けないまま
視線すらも逸らせないでいた。


「Ha!見ろよ幸村、ぐちゃぐちゃだぜ?」
「っつ、ぅ……ッ、あァ…!」


伊達の先走りと開いた傷口の血で、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音をたてて泡立つ結合部。
痺れるような痛みが絶え間なく幸村を襲ったが
伊達のエラの張った先端が一定付近を掠る時、
どうしようもなく射精感を駆り立てられ、理性を根こそぎ持って行かれそうな感覚に何度も陥る。

いつしか幸村は周りの視線も外野の声も、意識に掛からなくなり
ただ伊達が与える快楽と陵辱ばかりに呑み込まれていった。


「んっ、ン…! く…、あッ、」
「Ah〜…エッロい声……皆に聞かしてやンな」
「……!ッ、うぅっ!あァ…あぁっ!」


汗を舐め取りながら反り返る雄を激しく扱かれ
中の射精感と外の快楽により、幸村は頭の芯までドロドロに蕩けてきて
唾液を飲み込むことすら忘れ伊達の肩に爪を立て、悩ましい嬌声を上げた。
これでは伊達の云う通り、背後の武将達は勿論のこと
酒に酔って幕の向こう側に居る、大勢の武士達にも届いていることだろう。


「ッん、っ、ンぁ…ひィ、あっっ!」
「さァ、Finishとイこうぜ?」


思う様幸村を味わい尽くしたのか、
伊達は追い込みを掛けるべく穿つ間隔を短くし
仕上げとばかりに深く抉り様に、幸村の鈴口に爪を立てる。
幸村は小さく悲鳴を上げた後、呆気なく絶頂を迎え、白い体液を吐き出した。
同時に伊達も幸村の中へと放つ。


「ぅ…、っ…あ……は…、、」
「どうやらアンタ、戦いだけじゃなく、こっちも相当イケるな…」


有能だぜ…?と口端を上げ
トロトロと溢れ続けている幸村の精液を指で掬い取り
己の口許へ運んでねっとりと舐め上げると、心此処に在らずと放心している幸村の唇に
咬みつくように口付ける。


「、、っ…ふ、…ッ」


己の精の苦さに気付けられ、漸く自身の口内をまさぐる伊達の舌を感じ取った幸村は
思い出したように僅かながらの抵抗を見せるものの
逃げ切れなかった舌を緩く吸われ、甘噛みされると、力が抜けてしまい
フルフルと震えながら伊達に縋りついた。


「……イイコだ幸村…その儘ちィとばかり大人しくしてな?」
「…っ…?……ぁ?!」


優しく髪を撫でていた伊達の視線が、すっと背後に注がれたかと思うと
いきなり現れた気配に警戒する間も無く
背後から羽交い絞めにされ、引き上げられる。
ズルリと穴から伊達の肉茎が出て行き、ゴプと赤と白斑の体液が零れた。
しかしそんなことに頓着する前に
その何者かに地面に無造作に落とされ、打った痛みに顔を歪めると
すぐに片方の足首を掴まれ持ち上げられ、露になる汚れた箇所を
手拭いのようなモノで、乱暴な手付きで拭われる。


「、ッ?、く……、ぁっ」
「オイオイ、丁寧にやれよ小十郎。オレの大事なペットだぜ?」


小十郎と呼ばれた男は無言で応え、淡々と幸村の下腹や下肢を綺麗にしていく。
この男の顔には見覚えがあった。
確か氏を片倉と云い、独眼竜の右目と例えられるほどの重臣ではなかったか。


「…あ、……ぐ、、っ」


そんな奴に躯を触られたくないと、幸村は身を捻ろうとしたが
見越されたか、それとも最初からそうするつもりだったのか、グルとうつ伏せに反転させられ
背中で両手首を雁字搦めに縄で括られ、同じように両足首にも縄が巻き付けられる。


「、?!…な、にを……っ…」
「OK、それから舌噛まねェよう猿轡して、駕籠に放り込んでおけ」


愕いている幸村を他所に、自害もさせぬようにと口に無理矢理布切れまで噛まされ
軽々と抱き上げられた挙句に、用意されていた四角く狭い駕籠の中へ押し込まれる。
一体何のつもりだと抗議しようにも、既に足音と気配は遠ざかり
代わりに、


「Hey guys!Let's go!チンタラしてンじゃねーぞ!!」


未だ宴気分であろう者達を叱咤する、伊達の声が響き渡る。
その鋭い筆頭の命令に、すぐに酔いを醒ました兵達は慌しく片付けを始め
幕を畳む音や鎧を付け直す音や、荷を詰め込み背負う音も聞こえ
帰城する準備をしているのが手に取るように判った。
幸村は「う…う……」と力無く唸って踠いたが、駆け寄って来る二人分の足音が耳に入り
身を硬くして様子を窺っていると、すぐにフワリと浮く感覚がして
掛声と共にユラユラと駕籠全体が揺れ始めたのを感じる。
愈々移動しだしたのだと知るも、狭い駕籠の中で躯を限界まで曲げ、脚を折り畳み
手足を縛られていては身動きすらできない。
このまま伊達の領地へ、更に城まで連れて行かれてしまっては
幸村に逃げる手立ては皆無に等しく…
必死に呻いたり身を捩ったりしたが、どうにもならなかった。

 


−−−−−−−−−−

 

 

「……うぅっ……、ぐ……」


何刻、いや何日、駕籠に揺られていただろうか。
漸く速度が落ち、ドサリと地面に底がつく。
痺れの切れた手足を庇いながら、顔を上げると
駕籠を無遠慮に開いた手によって、外へ引き摺り出され
そのまま硬い地ベタに全身を強打した。
苦痛に顔を歪め呻いていると、荷のようにぞんざいに城内へ運び込まれ
庭石の敷き詰められた、開けた場所で乱雑に落とされる。


「…っ、ぐ……、、」


それから体勢を整える暇もなく
後から歩いて来た伊達に、両手と両足首の拘束と猿轡を解かれ
グイと首の縄を引っ張られて引き立たせられる。
と云っても、痺れの切れた脚の為、両手膝を付いての四つん這いだが。
幸村はプルプルと痙攣しながら、涼しげに哂っている伊達を恨めしく睨み上げた。


「Ha!そんな顔すンなよ、ちゃんと歓迎してンだろ?」


皆、な?と、厭味に顎をしゃくる先を見れば
恐らく主が城に到着する前から控えていたのであろう、大勢の城中の者が平伏している。
幸村は思わず瞠目し、それから今の自分の格好を思い出し
恥じ入るように拳を握って、眸を伏せた。


「ちゃんとツラ見せてやンな。戦利品のお披露目だぜ?」


などと戯けた事を云いつつ、幸村を引き摺るようにして、城内へと歩いて行く伊達。
出迎えの家臣や侍女が頭を下げる中
態とゆっくり歩いているのかと思う程に、その脚取りは遅い。
そうしている間にも刺さるような視線が、幸村の恥に染まった全身にヒシヒシと伝わってくる。
実際、伊達が従わせるように連れて歩いている、四つん這いの幸村を見て
これがあの武田の紅い鬼かと、城内に騒めきが広がっていた。


「あぁ、一応云っとくが、コイツはオレの飼い犬だ」


触ると噛み付かれるぜ?
周りに聞こえるよう皮肉げに嗤った伊達は、徐に脚を止め
悔しそうに俯いていた幸村の顎を掴んで引き上げ
ワザと舌を絡めた濃厚な口付けを与える。


「……っん…、ぅ、、っ」


急な事で対処が追いつかず、飲み切れない唾液を咽喉元まで一筋垂らした所で
くちゅと音を立てて薄い唇が離れた。
其の儘腰が砕けたように力が抜け、伊達の腕に抱き留められる。


「Welcome to my home...」


真田源次郎幸村、と 耳元で囁く、不気味なほどに掠れて愉悦を含んだ声に
全身を凍り付かせた幸村は、無抵抗の儘、ズルズルと城の中へと引き摺られて行った。

 

 


【3へ続く】


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あとがき

アッハー。やっちまった感満載。
でも一度は書きたいよね、拉致話。そしてペットネタ。笑
もう浮かんだ先から書きたいこと書きますので
結末がまったく判りません。そして伊達氏の英語が正しいのかどうか果てしなく怪しい…

2008/01/14  。いた。