※流血・残酷・性描写あり。筆頭の頭のネジが(ry

 

 

無数の馬の嘶きと、何者かに強く引き上げられる感覚で目を覚ます。
暫し、状況が判らず、されるが侭になっていたが
視界に蒼が映り込んだ瞬間、ピクリと四肢の末端まで緊張が走り
一気に思考が明瞭になると共に、己の置かれた状況を思い出した。

早く、逃げなければ…ッ

俄か、渾身の力で暴れだすより早く
やんわりと肩を抱かれ、ビクと大袈裟なほど躯が跳ね上がり


「ッ…!?」
「Hey、起きたか幸村。ちょうどいいタイミングだ」


変に機嫌の良い男の声が、思ったより間近で聞こえ
恐る恐る視線を斜め上に向ければ、案の定
薄笑を浮かべ此方を見詰める隻眼と目が合った。
ゴクリと呑んだのは息と声。
危機そのものを目前にして咄嗟に何も出来なかったのは
相変わらず男の眸に害意がなかったからだ。
しかしだからと云って、此奴がしでかしたあの凶行が許される訳もない。
兎に角、今すぐにも距離を取らねば
と足掻くつもりが、唐突に齎された次の科白で、引き攣り止まった。


「今から、ぜーんぶ燃やしてやるからな?」


まるで、苛められた弟へ仕返しを誓ってやる兄のように優しく
耳元で囁かれた剣呑かつ危険な言葉に
何を、とか、どうして、とか、噴出した疑問に頭が掻き乱され、結局何一つ声にならない。
それを易々と察したのか、


「アンタがこれから居なくなる土地なんざ、もう要らねェだろう?」


甘ったるい声が、先の屋敷での皆殺しの時と同じように、悠々と語る。
…まさか…!と凍りつき、町外れの小高い山の中、男の逞しい腕に抱かれた馬上、視界を転じた寸後
命令一つで放たれた無数の火矢が、山裾にある己の屋敷だけでなく町の住人達の家々にまで降り注ぐ。
また市中の至る処からは次々と不自然にボツと真赤な火の手が上がるのが見え
悪党宜しく燃え盛る松明を持った足軽共が油を撒いて放火しておるのだと瞬時に理解し
なんて事を!と愕然とすると同時に、すぐにやめてくれ、やめさせろと
半狂乱になって男の衿ぐりに掴み掛かって嘆願したが
片側の口角を吊り上げただけで動かぬ男、伊達は、眼下で赤黒く燃える町並ではなく
必死に取り縋る此の幸村から、一寸たりとも視線を反らす事無く見詰め続けている。
ゾクリ、とまたしても背筋を奔る悪寒。
されど其の間にも波なす大火が容赦なく町を襲い


「…あ…ぁ、やめ、、…やめろぉおおおッッ!!!!」


馬から降りようとすれば二の腕を捕われ動けず、叫んだ制止の訴えは、ついに叶う事も無く
己の目の前で、己の町が、民が、業火に呑まれ焼き尽くされるのを
只々どうする事も出来ずに見ているしか、否、まざまざと眸に焼き付けるが如く見せ付けられた。

 

――――――――――――

 


「っ、何故…どうし、て…っ…あのような……!」


貴殿のやった事は鬼畜の所業だと、怒りと困惑で震える声が豪奢な座敷に吸われる。
明障子なく煌びやかな襖で遮断された室内に篭もるは己の荒い呼気と弱々しい糾弾。
「其れにはさっき答えたろう、他に理由なんざねぇ」と
先刻から何食わぬ涼しげな顔をして躯をまさぐる男の手に
噛みつけもせず、縛られた両腕を支柱に括られては身動きすらできず
好き勝手に肌を撫でられる屈辱と羞恥を耐え忍ぶ。
無残に全焼した領地を離れ、この奥州の地に無理矢理連れて来られ
城の奥まった御座所に引き摺り込まれた挙句、自由を奪われた。
「迎えに来た」などと仰々しい事を云っておったのは覚えているが
現状はそんな生易しいものでなく、もはや拉致監禁が相応しい。
何の思惑があって斯様な暴挙に打って出たのか想像もつかぬ。
そもそも、盟約を結んで居るにも関わらず
真田の領地を突如奇襲し蹂躙するなど正気の沙汰ではない。
甲斐武田が、お館様が黙っておらぬぞと
二の腕の薄肌を卑猥な手付きで撫でる男の整った顔を、虚勢と自覚しつつも精一杯睨みつければ
伊達はニィと、不愉快な笑みを湛え


「Ah−、気にするなよ。もうすぐオヤカタサマも消してやる」
「、な…?!」
「アンタと繋がりのあったモンは、全部デリートしてやるから、安心しな」


屋敷の奴らや領地みたくな、と不遜に嗤い


「これからは此処とオレが、アンタの全てに成る」


さも当然のように付け加えた。

…嗚呼、此奴が何を申しておるのか、これっぽっちも判らぬ。

突拍子もないとはまさにこの事で、二の句が継げぬ。
ザァと血の気まで引いた処で、伊達は思わせ振りに滑らせていた手を
徐に下へと伸ばし、下帯の上から爪先でツゥと牡を撫でた。


「つッ!?」


不埒な動きに吃驚して固まれば、まるで高級な茶器を愛でるように
幾度も丁寧に触れられ揉みしだかれる。
左様な事をされては堪ったものではなく、やめよと拒絶し抵抗を試みるも
生憎と両腿の間に早い段階で割って入っておった男を止める事はできない。
何やらとても恐ろしい心持ちになって来た。
羞恥よりは断然に恐怖が勝り、必死に逃れようと足掻いたが
既に芯が通り始めていた一物を布の上からゴシゴシと扱かれては力が抜ける。


「…ぁ、あ…!よせ…っっ」


意思など無視して勃ちあがりだした己の牡が
次第に下帯を押し上げだしたのを膚身で感じ、慌て声を荒げるも
伊達は取り合わず片手を動かし続け
そうこうする内に先端に湿った感触を感じ、先走りが滲み出した事を知る。
歯を食い縛って五指に力を入れた処で、どうにかなる筈も無く
じっとりと濡れ湿る面積の広がっていく下帯が、ピタリと性器に張り付き
その形が露わになっているのが、敏感な箇所ゆえはっきりと判る。
無論、伊達には丸見えだ。
なんとも云えぬ猥雑さに、眉間に皺を寄せ顔を横に背けると
咽喉で小さく哂った男が、あろう事か
はち切れんばかりに膨張した局部に口を寄せ、じゅっと強く吸い上げた。


「ヒッ?!、ぅあ!」


予想だにしない刺激とあまりな衝撃で、容易く子種は弾け
されど腹に散る事なく下帯にベットリとへばり付く。
じゅくじゅくと濡れた感触が纏わりついて離れない。
呆然として居ると、「早漏」と云いつつ厭らしい笑みを浮かべた男が
素早く下帯を解き抜いてしまい、達した後の力ない牡が露わになる。
嫌な予感がし、股の間に陣取る伊達を何とかしようと膝を振り上げたかったが
見越されたか、萎えかけた牡を再び、今度は直に掴まれ、敢え無く失敗に終わった。


「っ、ぐ、、」
「行儀が悪ィぜ?幸村。まァ、嫌いじゃねぇが」
「なにを、申して…!っ、あ…ッ」


愉しげに溢した伊達は次に、片手で握っていた其れを、にちゃにちゃと扱き始める。
子種にまみれた牡が、淫らな音を立てて遠慮なく弄ばれ
この上まだ辱めるのかと男を見遣った矢先、視界に入った光景に息を呑んで強張る。
薄く開いた唇に二本、指を咥えて舐り、引き抜き
だらりと唾液を纏った其の人差し指と中指を、股座の奥、菊座へと伸ばして、触れた。


「!!あ、っ触るな…!離ッ、離して下され…!後生にござ…っぅ!」
「Oh、So sorry…可愛いアンタの願いでも、それは聞けねェ」


いい子だから大人しくしてなと、一見優しげに微笑んだ男は
狼狽する此方に構う事無く、固く閉じた菊座にグリグリと二本の指を捻じ込んだ。
いくら臀の穴に力を入れても、強引に抉じ開けるようにして差し込まれた其れは
止まる事無く指の付け根まで達し、周囲の萎縮した肉を解しにかかる。
緩く円を描き、幾度も出し入れを繰り返し、指を中で左右に拡げる。
その度、う、あ、と情けのない声を漏らせば、反対の手で終始陰茎を緩やかに扱いていた伊達が
亀頭のあたりを押し潰すようにしながら、穴に入れる指を三本に増やし
さっきと同じ事をしつこく繰り返す。


「はっ…、ぐ、…んぅ、、っ」


よもや菊座が此処まで拡がるのかと、吐きそうになるのを耐えて咬んだ唇から呻き声が洩れ
しかし唐突にずるりと指が引き抜かれた為
詰めていた息を反射的に深く吐き躯の強張りを解いた。直後、


「…ぁ、あ…?!」


ずぐぐ…と何某かが臀穴に侵入して来た。
ギョッとして下を見れば、いつの間に取り出していたのか、男の野太い一物の先端が埋まっている。

、、あぁ、あぁあ…!

言葉ではおよそ形容できぬ悍ましさと気色の悪さに
罵詈雑言すら吐き出せず、引き攣り戦慄き首を振るも
太腿をがっちりと掴み腰を押し進める男の生温かく脈打ち硬く反り返る牡が
ぬぶぬぶと半ば以上まで我が物顔で入り込んで来た。

…あ、ぁ…あ、、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だァアアアッ!!

やめて欲しかった、止めて欲しかった、抜いて欲しかった、
嫌で嫌で仕方なかった、恥も外聞もなく叫びたかった、
なのに全く声が出せない。斯様な事は初めてであった。
其れが余計に混乱と動揺を招き、恐慌状態に陥る。
我武者羅に暴れようとすれども、腕に絡んだ縄が酷く食い込んで痛いだけであった。


「っっは、はァッ、ハァッハァッ…!」


戦場で全力で闘っている時以上に著しく呼気が乱れ
激しく上下する胸の上、咽喉の奥が時折ヒュゥッと妙な音を立てる。
死ぬのではなかろうかと、冗談ではなく本気で切羽詰り
藁にも縋る思いで伊達を見ると、どうにも幸せそうな顔で此方を見返し


「嗚呼…イイぜ…今アンタの中は、オレだけだな…」
「っあ、ぐ…!、、ふッ」


肉体を犯しているという意味か、あらゆる思考を奪っているという意味か
恐らくは両方であろう、これまでで一番満足げに呟く。
此奴の頭の中は一体どうなっているのだろうかと
目の前で前後に淫猥に動く男の正気を切実に疑った。


「、あぅッ、ぅ…!、ぃあ…!」


ゆさゆさと加減なく揺すり上げられるたび、摩擦部からぐちぐちと発せられる音が耳に
そして強かな振動に合わせ波打つ己の太腿の肉が目に障り、気が違ってしまいそうで
おまけにあちこち痛くて苦しくて仕方なくて、もう本当に、勘弁して欲しかった。助けて欲しかった。
そんな地獄の中、相反するように、緩やかに髪を梳く手が
無体を強いる元凶らしからぬ優しさで何度も頭を撫でる其の所作が
あまりにも、あまりにも彼を、佐助を彷彿とさせるから

…さ、すけ…、…佐助…っ…


「ッ、、さす、け…ぇ…っ」


あやつの姿を思い浮かべながら泪を流し
果たして何年ぶりであろう、童の如き心細さ、蚊の鳴くような声で小さく助けを呼んだ。


「…おい」


途端、動きをピタリと止めた男が、不意に座敷の外へと声を掛けた。
間をおかず控えの者が「何か」と襖の外より答える。
散り散りに乱れて散漫な思考であったが、次に響いた伊達の言葉がハッキリと聞きとれたのは


「オレの脇差取って来い」


静かに地を這った声音が極寒の寒波よりも冷たかったからだ。
ただ其れに気付いた処で、どうする事もできず
底をつきかけている体力にぐったりとして居ると、すぐに外の気配は戻って来た。
すると、「入れ」と微塵の躊躇なく命じた男の声に目を見開き
今更のようにどうにかして身を捻ろうとするが、腰を掴まれ阻まれる。
「あ」と思う暇もなく、スルリと襖が開かれて
座敷へと上がった者が音を立てぬよう摺り足で主の元へと
つまりは此方の方に近づき、両膝をついて恭しく脇差を差し出した。
そして、


「Good、じゃぁ次は其れでテメェの舌を切れ」


伊達は受け取る事もせず淡々とそう命じた。
其奴もまさか己の舌を切れと命ぜられるとは思っていなかったのか
茫然と主の顔と手元の刀を交互に見遣る。
しかし伊達の、竜の隻眼を目にした直後、云った事が相違なく真であると悟り
大きく唾を呑んだ次には、ガタガタと震え出した。
然もあらん、こんな命令、理不尽にも程があろう
戸惑い、ためらっているのが傍目から見てもよく判ったが


「やれ」


腹まで響く低音に容赦はなく
己にとってお館様の御諚が絶対であるように、此の者にとって伊達の命令は同様であるのだろう
「よせっ!」と止める間もなく、其奴は刀を抜き自らの舌を自らの手で切り落とした。
短く奔った悲鳴と血飛沫が、座敷に散る。
口元を手の平で押さえ込んではいるものの、指の隙間からボタボタと鮮烈な紅滴が落ち
されど其れを見るともなく、伊達は非情にもこう一蹴した。


「とっとと落ちた舌拾って失せな」


鬼の如く辛辣な命令に、其奴は膝元に落ちていた自身の生々しい舌を拾うと
何とか立ち上がってよろよろと覚束ぬ足取りで歩き出したが
襖を開けた処でとうとう力尽きくず折れ、駆けつけた別の者達に何処ぞへと運ばれて行った。
否、片付けられたと云った方が正しいやも知れぬ。
其れらをやはり一瞥もする事なく、伊達は此方を見据えた侭、ゆっくりと口を開いた。


「…So……またオレの前でオレ以外の名を口にしてみろ…
 アンタの代わりに城中の奴らの舌を切ってやる…You see?」


耳元で嘯かれた恐ろしい脅しに、ゾクと戦慄き押し黙る。
薄々感じては居たが、此奴、此方を傷付ける気は毛頭ないらしく
代わりに他の者達に矛先を向けるのだ。
酷い、あまりに酷く身勝手、そして奸智で巧みな事だろう。
意図はどうあれ、他の者を巻き込むなど、到底我慢できない
となれば大人しく云う事をきく他無いではないか。
気付いた直後、如何ともし難い眩暈がすると同時に急速に気分が悪くなり、青褪める。


「ん…?寒ィのか?顔が真っ青だぜ? 待ってろ、すぐ温めてやるからな」


気付いて居ないのか故意なのか、果てしなく見当違いの事を云いつつ
男は中断していた律動を再開させ、腰を大きく動かし


「、ッかは…!、んぐ…っぅ…!」


堪らず噎せた拍子、開いた口へ狙ったように覆い被さって口付けて来た。
霞み始めていた視界に男の顔はボヤけて歪み、口内を好き勝手に泳ぐ舌に噛み付く気力もなく
いつからともなく始まった耳鳴りと共に意識が確実に混濁へと向かう中


「…なァ、これだけは判ってくれよ」


名残惜しげに離した唇同士に伝う唾液の糸を味わうように舐めながら
相変わらず此の髪を愛しげに撫で梳き、男が云う


「ほんっと、愛してるぜ、幸村…」


大事にしてやるから、ずっと一緒に居ような?
囁く愛の言葉はいっそ呪詛にも聞こえ、見えぬ鎖となって四肢に絡みついた。


 

    
『愛の縛め』

 




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あとがき

15万hit代替リクにて、短編「咽喉元〜」の続きを書かせて頂きました^^
この後も続きそうなニオイがプンプンしますが、一先ず終わっときます。(とてつもなく長くなりそうなので;)
えっと、これからちょっと筆頭の頭から外れた大事なモノを探しに行って来ますw

2012/07/16  いた。