※性描写あり。引き続き、my設定が不意に飛び出しますゆえ、ご注意を。

 

 

『一八』 -#4-

 

幸村が連れて来られたのは、自身の屋敷とは比べ物にならぬ程、立派な私邸であった。
それも豪邸と云うに過言ではなく、通り抜けた門扉の荘厳なるは勿論の事
点々と置かれた篝火が庭の所々を夜の闇に浮かび上がらせており
例え真昼であっても、この広大な敷地の全容を一望できるかどうか怪しい。
中央の母屋まで辿りつくのに要した時間が、それを物語る。
況やその母屋、この町一・二を争うのではなかろうかと云う大きさと立派な佇まいで、圧倒的だった。

「…ッ、」

しかし幸村は、そんな母屋ではなく、庭の池を跨ぐように架かった反橋を渡った先にある
小奇麗な離れ家へ無造作に放り込まれた。
打った全身に顔を歪めつつ、ぼんやりと中を照らす行灯を頼りに視線を巡らせると
畳が敷き詰められた、十二分に広い座敷である。
と云っても、ただの座敷ではない。
四方を厚い壁で塗り込んだ室内には、見るからに高価そうな掛軸や反物
一目で稀少と判る異国からの渡来品が惜しげもなく飾り据え置かれ、甚だ手を触れるのも憚られる。
それに、天井はさる事ながら、全ての長押(なげし)から壁に埋まった支柱に至るまで
緻密に凝った美しい模様が彫り込まれており、筆舌に尽くし難い。
そこで一番驚嘆したのは、継目のない所謂一枚板の長押の多さだ。
木材が高価なこの時世、その数は即ち財の豊かさを象徴する。
最近ではそう云った身分に添わぬ贅を戒めんとする、御上の動きもあるというのに
一体どうやって…と疑問が湧けども、今それを確かめる術はない。
これだけの座敷に仕上げるのに、いくら金を掛けたのかも、当然知る由などないが
もう此処まで来ると、豪奢と云うより贅沢極まる。
別棟である離れにも関わらず、幸村の屋敷で最も整えられた客間か
それ以上の豪華絢爛ぶりに、思わず唖然とした。

「…あ、いやいや、呆けて居る場合ではない…!」

何をしている幸村!と自身を一喝し、すぐに立ち上がって閉じられた入口に取り縋れども
外側から閂でもしてあるのか、ピクリとも動かない。

「…ッ…、こんな処へ閉じ込めて、どうするつもりだ……」

明障子といった類は、悉くが天井近い位置に小さくポッカリと丸く設けられ
例えよじ登ったとしても、抜け出す事はできない。
てっきり、すぐにでも何処かへ売り飛ばされるとばかり思っていたのに
これは全く予想して居なかった。一体自分はこれからどうなるのか…
ここら辺りで、少しばかり幸村は胸騒ぎを感じ、他に出口となりそうな処は無いのかと、更に見渡せば
奥にまだ部屋が続いているのか、仕切り戸があり(これまた目を瞠るような装飾が施してある)
恐る恐る近付き引いてみると、何やら存外奥行きがある。
ゴクリと息を呑み、四角い廊下を進んで行くと、急に視界が開け
中を見た幸村は衝撃を受けた。

「…なっ…!」

壁一面に、大きく欠けた弦月に巻き付く、巨大な蒼竜の絵が描かれ
其のあまりの迫力と、明暗くっきりと細部にまで拘った色調の鮮やかさに
絵だと判ってはいても、まるで本物の御伽噺の竜が浮かんで居るように見えた。
そんな徒ならぬ雰囲気を醸す部屋へ、思わずフラフラと惹き込まれるように足を踏み入れた幸村は
急に足元の感覚を掬われたようにガクリと平衡を欠いて、ハッと我に返る。
見れば、だだっ広い部屋の床の面積の半分以上が、正方形に水縹色の衾のようなもので出来ており
体重を掛けてみると、ゆっくりと深く沈み込み、まさに夜具その物の柔らかさだ。

「……あ…、」

俄か、ザワ、、と厭な感覚が項を撫で上げる。
何故だか、此処には居たくない、否、居ては駄目だと
本能が警鐘を発し、すぐに踵を返そうとした幸村は
しかし次の瞬間、背後から掛けられた低い声に、飛び上がるほど愕いた。

「Hey、此処で何してる?幸村」
「…つッ!?」

反射的に振り返った先には、やはり政宗が居て、視線が交わる。
僅か口角を上げ、今にも此方に喰いついて来そうな犬歯がチラリと覗き
鋭い眼光を湛える隻眼が、我が身を貫かんばかりに射抜いて
幸村は総毛立って後退ろうとしたが、柔らかい床に足を取られ、勢いよく尻餅をついた。
いや寧ろ、腰を抜かしたと云ってもいい。

「おいおい、Are you ok?」
「っく、来るな…!某にそれ以上、近寄るな…!」
「ンな恐がるなよ。期待通り、襲い掛かりたくなンだろうが」
「ヒッ?!」

泡を喰っていると、ゆったりと歩み寄った男に両膝の間に割って入るように圧しかかられ
意図せず無様な悲鳴を上げてしまう。
それを短く嗤った政宗は、素早く幸村の両腕を沈む床に押し付けると
混乱してジタバタと暴れる幸村の耳元に唇を寄せ

「大人しくしろよ。アンタにはもう、抵抗する権利は無ェ」

囁くと、面白いほどピタリと動きが止まり、不安気に栗色の眸が揺れた。

「理解できたみてェだな?」
「…う、…やっ…、、」
「ヤじゃねェ。アンタの所有者はこのオレだ。その存在も、意思も、命も、悉くオレが支配する」

つまりは御主人様って訳だ。OK?このぐらい云わなくても判ってンだろう。と、政宗が口端を上げた。
確かに、此の身すら賭けの対象にする事を承諾して、勝負に臨み
結果負けたのだから、其の言は然るべきものだ。
でも、だからと云って、またしても股を割り開かれる事に、「あい判りました」とすんなり観念できる筈もない。
何しろ、人生最悪の経験だった。
願わくば二度と御免である。

そうして弱々しいながらも若干の反意を見せる幸村に、政宗は焦れるでもなく
むずかる童を優しく云い諭すが如く、こう云った。

「あんまりオレは気が長ェ方じゃねェ…
 聞き分けがねェようなら、この間みたく、縛って力ずく犯してやってもいいンだが…」
「っ!…あ、あれは…ッ勘弁して下され…!」
「だよなァ?だったらオレの機嫌を損なわねェよう、気を付けるこった」

傲慢に見下ろして来る男に、反論すら出来なかった幸村は
顔を横に背けて口惜しげに唇を噛みながら、躯の力を抜いた。

「Good、やりゃデキるじゃねェか」
「…うるさい、、やるならば……早くしろ…ッ…」
「Ah〜?そんな態度でいいのか? 主人に気に入られたくば、うまく枕席に侍るべし、っつーだろ?」
「…っく、…そんな話し、聞いた事も……っ」
「Ha!要は一生懸命オレの為に夜伽に励んで満足させろって事だ」
「ッ?!…あッ、!」

直後、政宗に着物の共衿の両側を鷲掴まれ、肘まで勢い良く左右に引き剥かれる。
急な手荒さに幸村は愕いたが、先のような抵抗はしなかった。
それだけ座禅転がしは骨身にこたえたのだ。
政宗は薄く笑みを浮かべ、組み敷いた躯をじっくりと眺める。
開かせた股の間に己が居るので、乱れた着物の裾は腰の辺りまで捲くれ上がり
手付かずの帯紐が辛うじて其処へ留めているものの、下帯は丸見えで、格好は殆ど半裸に近い。

「相変わらず、イイ躯してンな…」

呟き、先日も味わった瑞々しく滑らかな肌を撫で上げ
程好く盛ったしなやかな筋肉を愛でつつ、下帯をさっさと解き抜くと、さすがに幸村の顔が強張った。

「今更恥ずかしがってどうする。っつーかよく見えねェから、アンタ自分で両膝持ってろ」
「…な?!そ、そのような事…!」

藪から棒に何を云い出すのだと、頬に朱を散らす幸村に
「オレに同じ事を二度云わせるなよ?」と
素気無い、けれど些かの脅しを帯びた低い声が、否を許さなかった。

(…こんな屈辱、あんまりだ…!)

しかし、いかに恥ずかしかろうと理不尽だろうと、云う通りにするしかなく
耳の先まで真っ赤に上気した幸村は、震える両手を伸ばし、己の膝裏を掴んで左右に持ち上げた。

「OK、良〜く見えるぜ? そのまま、オレがいいっつーまで放すな」
「……っく…、、」
「返事」
「、、は、ぃ……っ」

開けっ広げに股間を曝す凄まじい羞恥によってか、強要した返事の声が可哀相なほど震えている。
それをほくそ笑んだ政宗は、徐に懐から小瓶を取り出すと
その封を解いて、中身をドプドプと幸村の股座にブチ撒けた。

「、ん…っ、なん、、 あ、油…?」
「いいから黙って膝持ってろ」

独特の匂いで其れと判り、多量の油分はヌルヌルと気持ちが悪く
不快気に眉を顰める幸村だったが、政宗は空になった小瓶を其処らに放り投げると
油滴る小さな菊座へ、いきなりズブリと指を捩じ入れた。
どうやら、前回のように解すつもりらしい。
しかも此度はご丁寧に油なぞ使って、だ。
先ほどまでの性急さの割に、随分と慎重な行動で、思わず怪訝の心を抱く。

「何故…っ、斯様な、手間を……、っ!」
「そう云うなよ。アンタの躯、存外気に入ってンだ」

まァ、前戯なく無理強いされてェなら、話は別だ。構わねーぜ?
と不穏な科白を云うので、幸村は慌てて首を横に振った。
先日とて、初物だ何だと散々菊座を弄り回されたが
結局その慣らしの甲斐なく、政宗の牡の大きさに耐え切れず裂け、その激痛は悶絶に値したのだ。
ならば念入りにやっておくに越した事はない。

されど、途中まではきちんと拡げる工程を繰り返していた指が、何やら次第に別の動きをし始める。

「…な、にを…っ…、やって……、ンくッ、、」
「んー?だいたいこの辺のハズなんだが…」

いつの間にやら二本に増えていた指を、深くまで突っ込ませ
其の指先を少しずつ移動させては肉壁をつつき回し
何かを探っているようなのだが、気持ちが悪いし、くすぐったくて敵わない。
一体何を狙っているのだと、僅か身を捩ったその時、

「…つッ?!あ、、ッ!」
「BINGO、此処か」

今まで何の兆しも反応もなかった牡に、一瞬にして吐精感に似た快楽が奔った。
ビクリと身悶えた幸村は、何が何だか判らず、縋るような目を政宗へと向ける。

「クク…気にせず喘いどけよ。アンタの泣き処は把握した」
「、、ッ?!…っう、ぁ…ッ」

何の話だ、と疑問符を飛ばす間もなく、再度下腹部を襲った強烈な感覚に、声を上げて仰け反る。
それが幾度も繰り返されると、触れられても居ないのに
勝手に牡がむくりと勃起し出し、幸村は大いに動揺した。
煌々とした部屋の明かりを受け、ヌラリと油の照り返しを帯びる屹立が、何とも卑猥過ぎる。
とても見て居られず視線を反らすも、みるみる内にハチ切れんばかりに膨れ上がったそのヌルつく陰茎を
政宗に掴まれ、ヌチヌチと音を立てて激しく扱かれると、もう、駄目だった。
己がする自涜とは格段に違う官能が身の内を掻き乱し
情けない声が次から次に止まらず、気を抜けば浅ましく腰すら揺れそうで恐ろしい。
幸村は半泣きになって「手を離して下され」と哀願さえしたが
一蹴するが如く、例の臀の中の敏感な処をグリグリと押されながら
皮が突っ張るほど丸みを帯びた睾丸を甘く転がすように愛撫され、たちどころに吐精してしまいそうになり。
焦って腰を引かせようとしたものの
逃がすかよ、と政宗にまたしても泣き処を強く圧迫され、腰砕けになってしまう。

「…あ…っ、ぁ!……や、、はッ」
「Huh、ちったァ色気が出て来たじゃねーか」

勢い増す情火に呑まれまいとて、力なく頭を振る幸村の長い髪房が幾筋か
悩ましげな嬌声を紡ぐ半開きの口許で唾液に濡れ光り
恍惚と双眸を湿らせて尚、云い付けを守って両膝を離さぬさまが、中々健気でいじらしい。
堪らず舌舐めずりした政宗は、己の着物の間隙より野太い一物を引き摺り出し
今やつつかずともキュウキュウと収縮を繰り返す菊座へ、指を引き抜いた後にピタリと宛がった。
其処で漸く感づいた幸村の顔は、耽溺の至高から一気に恐怖と怯えに変わり引き攣る。

「…ッヒ、やっ…厭…だ!!」
「嗚呼、そのツラぁ、最高だぜ?」
「ッッあ、ぁああっっ…!くう、ぅ、、!」

必死の制止の声を無視し、政宗はじんわりと埋めていた亀頭を
ズグ…ッ、と半ば強引に奥まで収めきった。
いくらか解して油の潤滑を借りてはいても、
押し返そうとする相当な肉圧があり(それはそれで気持ちはいいが) 
云わずもがな、突っ込まれた幸村の方の負担は比べ物にならないだろう。
ふっくらと張っていた睾丸と、滴を垂らすほど勃起していた牡が、見る間に萎み
ハッ、ハッ、と短く吐き出される呼気はいかにも苦しげだ。
だがそれも、極一時の事。

「…ッ、んっ、は…!」

政宗がその萎えた柔らかな牡を掌に握り込み、緩急をつけて揉み扱いて
同時に泣き処を抉るように突き始めると、幸村は苦悶の表情を次第に焦りへ歪める。
身を苛む苦痛の中に横暴に快楽が入り混じって、なんとも悪辣極まるのだ。

「ひっ、は…!あぅ、、うッ」
「ッHa!ビクビクと、やらしくヒクつかせやが…って!」
「ん!、んっっ、…あ…ッ、ふ、、!」
「クセになりそうだ…ッ」

語気荒く嘯いた政宗に、しこたま手加減なく揺さ振られ、反動で膝から手が離れてしまう。
されど幸村はそれどころではなく、自身の口からおなごのような嬌声が漏れいずる事が
はしたなくて堪らず、自由になった手で覆いをせんとしたが
両手とも素早く政宗の右手に絡め取られ、頭上で柔らかな床に押し付けられた。

「いっ、あ…ッ!放、、ァあっ…!」
「ったく、テメェだろ、放したのは」

云いながら、政宗は空いた左手で幸村の腰を掴んで、更に勢い付けて貫き犯す。
幸村は悲鳴を上げて身をよじり、昨晩と決定的に違う、この、怒涛のように押し寄せる
どうしようもない快楽に、泪を流して溺れつつあった。
まさに政宗が泣き処と云うに違わない。
己のような男相手にも、斯様な官能をもたらす術を熟知して居るのだ
と、先の科白からも薄々感じてはいたが、よもや此処まで手馴れておるとは思わなかった。
何もかも未経験な自分と違い、女も男も等しく相手に、さぞや場数を踏んだのであろう。

「ッ、つっ…あ!ひ、、ィ…ッ!!」

そんな事にいちいち気付きたくはないのだが、こうなってはもう思い知るより他にない。
卑猥な嬌声を上げ、なすが侭に淫らに足を拡げる事も厭わず、苛烈な法悦に身悶え
火照った全身に浮かぶ大粒の汗は止まらず流れ
さらりとした床の布敷きに瞬く間に吸い取られて行く。
この間の長屋の板敷きと違い、柔らかな此の床はありがたくも
政宗の激しい律動による擦り傷など与えはしない。

「…あッ、あっ!ンぁっ、ッ、く、、」
「この床、イイだろ。衾床っつってな、特注だ」

部屋を囲むように、畳み一枚分ほどある端の床板以外、全て衾で出来ているらしく
その用途とは無論、その名の通り房事を存分に愉しむ為であろう
自慢げに云うだけあって、斯様に特化した床は終ぞ見た事がない。
特注ともなれば、相当の金が掛かっただろう
前室の豪奢な座敷といい、やはりこの男、途方も無い財を持っている。
その源、普通に賭博で得た利益だけとは思えない。
十中八九、幸村が此度にされたような
あくどい方法で数多の者から搾り取った不当な財が多分にある筈だ。
そんなアコギな男に、抵抗も出来ず好き勝手に臀の穴を掘られている己がどうにも不甲斐無く
幸村は頬を伝う嘉悦の泪の中に、悔し泪を混じらせた。

「Ha!アンタの泣きっ面、ソソるぜ?」
「ふっ、…ぐ、、 はあ、あッ!!」

心底愉しげに囁いた後、鋭角に泣き処を突かれ
大きく仰け反った拍子に、壁の蒼竜と視線が合う。
描かれた絵だと云うのに、その鋭い目つきの所為か
一部始終を見られているという気がしてならず、幸村は逃げるように目を逸らした。

「…うっ、、あっ!…は、ッ……んん…!」
「あぁ、気に入ったか?この国一の絵師に描かせた、『月天蒼竜図』だ」

アンタの財の二割は飛ぶぜ、と
ワザと意地の悪い引合いをした政宗は、ニヤリと嘲るような笑みを浮かべ
怨めしそうな目で睨んで来る幸村の片膝を肩に担ぎ、尚一層強く穿ち抜いた。

「あっ!あァ…!、ンあっ…ア!!」

急激に追い込まれた幸村は、僅かも耐え切れずビクビクと射精したが
深く抉る政宗の律動は止まらず、もはや掠れた嬌声を絶え絶えに吐き出し、揺さ振られ続ける。
暫くの後、漸く政宗は幸村の中に子種をブチ撒けるも、しかしそれで終わる事もなく
恐ろしい事に、体位を変え、再び行為を続行。

幸村は泣く啼く、過激でしつこい乱交に呑まれた。


 


【5へ続く】


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あとがき

エロにまとまりがなく残念な結果にorz 精進します…
次回、政宗サンの趣味、と云うより、私の萌えが暴走予定w

2010/06/20  いた。