※政宗氏not奥州筆頭、幸村の家臣設定にて。暴力的表現・性描写あります。ご注意を

 


 
『実に酷情』(後編) 

 

探りに行かせた者が帰って来ぬと、家臣達が焦りを覚え始めたのは、あれから十日を数えた頃だ。
いくら何でも遅い、それ以前に、一度として状況報告の文すら届かなかった。
これはもう命を落としたと考えるべきだろう。
いよいよ政宗の謀反は間違いあるまいと判断し
その日の内に合議の場を設け、幸村へと進言した、「伊達政宗を急ぎ討たれたし」と。
だが、肝心の城主は先だってと同じで一向に取り合おうとせず
それどころか、「なにゆえ其処まであやつを疑うのだ」と、憤りすら見せた。
現状を認めたくないあまり意固地になって居る訳ではない、此れが真田幸村という男なのだ。
純真が故に、仲間や臣に不信を抱く事自体がない。
其れでこそ我が敬愛する主だと云いたい処だけれども、今回ばかりは譲れない。
何せ相手はあの伊達政宗だ。幸村にもしもの事があっては困る。
家臣達は躍起になって、どうやって主を説得するかと頭を悩ませる。
とその時、重苦しい沈黙が漂う室内に、カンカンカン!と甲高い警鐘の音が割り込んで来た。
何事かと皆が顔を見合わせて居ると、「失礼仕る!!」と行き成り襖が開け放たれ
大粒の汗を流しながら駆け込んで来た家来の者が、叫んだ。


「ッ敵勢が、城下へ押し寄せて来ます…!!」
「なに!?」


突然の報に、慌て声を荒げる家臣達を片手で制した幸村は
俄かに場に満ちた緊張を肌に感じ、意識してゆっくりと口を開く。


「落ち着け、敵将は誰だ」
「……伊達、政宗です…ッ」
「…!」


云い淀みつつも云い切られた其の名を耳にした途端
短く息を呑んだ幸村は、弾かれたように立ち上がると
周りの制止を振り切って自ら天守閣に登り、目を凝らす。
そして、ドクドクと破裂しそうなほど脈を打つ心の臓が、次の瞬間、ドクリと殊更大きく跳ねた。


「…あ…!」


遠目でも判る、あの特徴的な弦月型の前立てと蒼の具足。
まさか見間違える筈もない…政宗だ。
彼の後ろには、千や二千はあろうかという兵が控え、其の者達の背に「六文銭」の旗指物はない。
となれば、あの軍は甲斐のものではなく
決して政宗が無事遠征を終えて戻って来たのではないのだという事が知れる。
だからこそ、先の急襲の報せの時、家来はハッキリ「敵勢」と申したのだ。


「幸村様、お早く此方へ!みな御下知を待っておりまする…!!」


突きつけられた現状が到底理解出来ず、一時的に思考が止まってしまう。何も考えられない。
そうして棒のように佇立する幸村を急かす声がするも、まるで聞こえなかった。
反応の無い城主の様子を訝しんだ家臣は、続けて声を掛けつつ足早に走り寄り
外の様子を覗き見て、驚愕に目を見開いた。
あろう事か、四散した敵軍が次々と町へ雪崩れ込んで家屋に火を放ち
逃げ惑う町人達を騎馬隊が薙ぎ倒しながら城郭へと急迫する。


「〜伊達め、甲斐を滅ぼすつもりか!!」


拳を握り吐き捨てると、傍で突っ立って居た幸村が小さく唇を噛み、ふるふると力無く首を振って否定する。
こんなにも弱々しい主を見たのは、これが初めてであった。


「…違う、こんなのは、違う…!政宗は無事戦に勝利し、我が兵と共に帰って来たのだ…!」
「っ!幸村様、しっかりなされよ!!その目でご覧になった筈です…!あれは敵軍ですぞ!!」


今我らは奴からの襲撃を受けて居るのです!と家臣が吼える間にも
この短時間で城郭へと到達したらしい敵兵が門を破り、無数の矢を雨の如く降らせる。

(…嗚呼、嗚呼、、これが悪夢でなくて一体何だと云うのだ…!)

そう嘆いた幸村の目の前は真っ暗になり、膝から力が抜け落ち床へ頽れる。
お気を確かに!と肩を掴んで揺さ振る声にも、視線すら向ける事が出来ないで居ると


「大事に御座います!!」


具足を半ばまで身に付けた中途な恰好の兵が、転ぶように走り込んで来た。
これ以上の大事などあるのかと、幸村を支えていた家臣が眉を吊り上げ続きを促せば


「伝令の早馬がやられましたッッ!!」
「何だと…?!」


予想だにしない報告があり動揺した。
最も近くの支城へと向けて、つい先ほど敵襲の報せと増援の要請を託けたのだが
命令を飛ばす手段を失っては、頼みの綱は切れたも同然である。
戦において、情報の伝達が勝敗を左右すると云っても過言ではなく
それをいの一番に潰して見せた戦術は、流石と云わざるをえない。
これまで負け知らずである政宗の優れた戦果にも頷ける。


「…いざ敵に廻ると、斯くも恐ろしい男であったとは…」


今更痛感した処で、状況が良くなる訳も無く
これから応戦するにしても、陣屋に詰めている兵達だけでは少な過ぎる、到底太刀打ち出来まい。
此処は一旦退いて、態勢を立て直すのが得策だろう。
家臣の男は未だ座り込んでいる幸村の腕を掴み肩へ廻すと
無理にでも立ち上がらせ、半ば引き摺るようにして隠し通路を抜け、外へ出る。
町は惨い有様だった。
真っ赤な炎と黒煙に包まれた地獄の中、民が悲鳴を上げながら敵の矛先から逃げ惑う。
だがしかし、今は助けに行ける余裕は無い、許せ…
と家臣がそのまま足を進めようとした時
ピクリと幸村の躯に力が篭もり、暗く濁っていた双眸に強い光が燈ったのを、確かに見た。


「幸村様…?」
「…情けない、動揺して居た……もう、大丈夫だ。 …すぐに皆を集めよ!伊達政宗を迎え討つ!!」
「…御意!!」


漸くいつもの幸村様に戻られたと、強く頷いた其奴が声高に叫んで召集をかける間
幸村は城へと取って返し、愛用の紅備え一式を素早く纏って
己の魂とも云える紅蓮の二槍を引っ掴み、中曲輪に囲まれた開けた場所へ出る。
すると、既に動ける者達全員が今や遅しと待って居た。


「幸村様!」
「幸村様ァ!!」
「すまぬ!要らぬ心配をかけた!これより我が真田軍が打って出る!皆奮えよ!!」
「「応!!」」


その鬨の声で、否、幸村の存在によって、空気が変わった。
あわや甲斐は壊滅かと、戦々恐々として居た兵達が
勝つのは我らぞと血気盛んに武器を高々と掲げ、外曲輪を占領した敵兵へと躍り掛かる。
見違えたようだ。
彼らの主に対する絶対的な信服の念が窺える。
其れは即ち真田幸村の資質や人柄を如実に物語るもので
況や、まっこと凄まじきは其の幸村である。
誰よりも速く先駆け、自由自在に操る二槍にて敵を薙ぎ払い、迸る焔が屍の山を築き上げる。
紅蓮の鬼と謳われる所以は、まさに此の常識外れのデタラメな強さだ。
当然、兵達の士気も益々高まり、徐々にではあるが、劣勢を覆し始めている。
されど、順調だったのは其処までだった。


「Hey guys!愉しそうだな、オレも混ぜろよ!」
「ッ?!」


突如蒼白い稲光が走ったかと思うと、聞き覚えのある鴃舌を弄しながら
馬に乗った政宗が乱入し、構えた六爪で真田勢を斬り裂く。
此度の元凶が現れたと、歯軋りしつつ唸った兵達は
己の力の全てを以ってして政宗へと斬り掛かるも、呆気なく首を寸断され、まさしく手も足も出ない。
さすがに幸村と同等であると評される実力は、伊達ではなかった。


「ッ…!皆決して近寄るな!巻き込まれれば命は無い…!!」
「Exactly!テメェらも、邪魔すんじゃねェぞ!!」


これ以上の犠牲を出してなるものかと、幸村が自軍を庇うように槍を突き出せば
明らかに同じ理由ではなかろう政宗も、自軍を脅しながら馬から飛び降り、刀を振り抜いた。
瞬間、派手な音を立てて得物同士がぶつかり合い、苛烈な火花を散らす。
拮抗する力量にて鎬を削り削られつつ、蒼紅二人は縺れ合うようにして其の場を離れ
内曲輪を破壊し本丸まで辿り着くと、そのまま城の中へと転がり込んだ。


「クク…相変わらずイイ腕してンな…!」
「…ツ、!」


磨き抜かれた廊下や上質な畳を泥のついた草鞋で踏み荒らし
豪奢な襖を目障りだとばかりに斬り捌いて、奥へ奥へと進み
互いに斬り結んだ切っ先を弾いた時、政宗が愉しげに零す。
その一言が、ズキリと胸に響く。
政宗とは昔からよく、城の庭先で手合わせをした。
己の実力が存分に出せる相手は、政宗ただ一人であり
まるで気の合う友と仕合うように、気兼ねなく、夢中で打ち込める鍛錬が大好きだった。
それが今、斯様な形で命を取り合う一騎打ちをする事になろうとは、ゆめゆめ思わぬ。
苦々しく顔を歪め、槍を繰り出すも、心の迷いが技のキレに直接響き、全力にはほど遠い。
否、それもあるが、何より政宗へ本気の殺気を向けるなど、どうしても出来なかった。


「Wow、まさか本気が出せねーってか?オレが町や兵共にした事、許せねェだろう?」
「…っ其れを云うな…!」


確かに許せない、許せないけれど、殺したくない、殺せる訳が無い…!
何物にも代え難い存在であると認めたあの想いは、今尚変わる事なく胸にあるのだ。
国主という立場上、此奴を討たねばならぬ事は判っているが、気持ちを割り切れない。
頭の中が、棒で掻き回されたかのようにグチャグチャになる。


「まったくテメェは…ホント甘っちょろい奴だぜ」


幸村が葛藤の狭間に陥っていると、そう呟いた男が素早く六爪を翻し
直後、両手の二槍が弾き飛ばされ、ハッと息を呑んだ時には、もう遅かった。
瞬時に間を詰めた政宗の膝の一撃が鳩尾に見事に決まり
胃液を吐きながら無様に転倒すると、起き上がる暇もなく
腹の上に馬乗りになった男が六爪を一気に振り下ろす。


「…う!……?」


思わず目を閉じるも、覚悟していたような痛みは襲って来ず
代わりに、グサッという音と共に、仰向けで左右に投げ出していた両腕の
上腕と肘、そして下腕付近の畳にそれぞれ三箇所ずつ六爪が突き立ち
刀の平たい腹の部分に上手く腕を挟まれ、あたかも磔が如く縫い留められて動けない。
何のつもりだと睨み上げても、薄笑いを絶やさぬ腹の上の男は、どいてくれそうになかった。


「っく、、一つ、訊きたい…!そんなにも、此の国が欲しかったのか…!!」
「…ハ?いきなり何云ってンだ?国なんざどうでもいい
 オレはアンタさえ手に入れば、他に何も要らねェ」
「……なん…だと…?」


実際、政宗が隣国の大将を討ったのも
こうして甲斐を急襲出来るだけの兵力を、そっくりそのまま奪いたかっただけで
領地や国、まして天下の覇権争いなど、端から眼中にない。
政宗が常に見ていたのは、ただ一つ…


「さァ、今こそ褒美を貰うぜ?アンタと云う最高のprizeをな…」
「っ!?」


不敵に笑んだ男は兜を脱いで其処らへ無造作に放ると
幸村の六文銭を紐ごとブツリと毟り取って壁に投げつけるなり
汗でベトつく首筋に噛み付いて、味見をするかのようにねっとりと舌を這わせる。
遠くの方でチャリンチャリンと六文が落下しぶつかる小さな音を聞きながら
幸村は今、己が一体何をされて居るのか、必死に考えようとしたが
一気に混乱した思考はまともに働かない。


「…んっ、…ッ」


目を見開いて硬直して居ると、咽喉をなぞり、顎を登った舌先が
無防備に開いていた口元を掠め、反射的に唇をキュッと引き結ぶと
微かに鼻で嗤った政宗が、頬に伝う冷汗をゆっくりと舐め取る。
そして徐に伸ばした片手で脇腹を撫で上げ、上着の下の胸当ての中へ指先を忍ばせると
探り当てた乳先を指の腹でいやらしく捏ね、押し潰す。


「、、うぁっ、」


そんな触れ方をされると、何やら情けない声が漏れ
無性に恥ずかしくなって視線を逸らせば、腹の上に跨っていた政宗が体勢をずらし
器用に腰周りの紅い草摺りを解いて放り捨て、両腿の間へと躯を割り込ませて来た。


「あ…!」

密着し合った股座に、ゴリと固いものが当たる。
単純に愕いたのと、目の前の男の信じ難い意図が読め、短く声を上げて引き攣ると
口端を吊り上げた政宗の反対の手が、腹筋の形を確かめるように触れながら下へと滑り
焔模様の袴を鷲掴んで下帯ごと引き摺り下ろした。


「ッ!!」
「ご開帳〜ってか?クク…そんな怯えた顔すンなよ。
 アンタのそんなツラ、初めて見るぜ?可愛いねェ…」
「っ戯言を…!何故、こんな…っ! おぬしを信じて、今日まで俺は…!!」
「Uh-huh…泣かせるセリフじゃねェか。
 そんなアンタとの仲良しごっこも嫌いじゃなかったが
 sorry、オレは真田幸村を主として見た事なんて一度もねェ」


と囁き、幸村の長い栗色の髪を掬い上げ、心底愛しげに口付ける。

(……仲良し、ごっこ……)

政宗の無情な言葉が、胸の奥深くを突き刺し抉る。

斯くも著しく絶大な痛みを伴う不可視の刃が、この世に存在するのだろうか。
斯くも哀しく苦しい絶望的な感覚が、この世に存在していいのだろうか。

己の中の何か大切なものが、ガラガラと音を立てて瓦解する。
そうして茫然と自失する幸村を、したりと悦に入った表情で眺める政宗は
自身の蒼い具足を弛め、間隙から十二分に昂って居る牡を引き摺り出すと
抵抗が無いのを良い事に、先走りの滲む先端を、幸村の菊座へグッと侵入させる。


「…―!!ッッ〜…!!!!」


途端、我に返ったらしい幸村が、僅か暴れる素振りを見せ
声にならぬ声を上げたものの、もう遅い。
構うものかと無理矢理に腰を押し進めると
呆気なく裂けた菊座の縁より温かな滴が滲み、結合部を濡らす。
お陰で、もう一息と力を込めれば、政宗の一物は湿った音を立てて全て収まった。


「…っは、…は…! 苦、し…ッ…!抜…っっ」
「Ah−…無理無理…。だってアンタん中、スッゲ気持ちイイ」
「ヒッ!、ぅぐ…っ」


やっぱ紅蓮の鬼ともなりゃァ、中まで違いますって感じだな。
とか何とか訳の判らぬ事を云いながら、下品に舌舐めずりをした政宗は
苦しげに戦慄く旨そうな肉襞を味わうべく、早急に腰を揺すり始める。
幸村への配慮など無い。
あたかも獣の如く、己の欲望の侭
組み敷いた最高の獲物の熱い柔らかな肉を、したたかに貫き食らう。


「ぅあ゛、あッ!…いっ、、!〜つッ」


あまりに乱暴に突くものだから、腰が畳に擦れて痛く
ただでさえ臀の穴が死にそうな程痛いのに、苦悶の呻き声をいくら上げようとも
政宗の律動は止まらない。酷い。酷過ぎる。
誰よりも信頼できる家臣、或いは至上の友とすら思っていた男に
斯様な屈辱を受け、心を無下に踏み躙られるなど、あんまりではないか。
いや寧ろ、もっと最低だ。
そんな風に思っていたのは、自分だけだったのだから。


「…ッ、…ッ!…お、俺は、、ッ…政宗…、…そなたを……!!っぅう、く…!」
「仲間だと思ってたって?ッHa! だったら、今此処でその考えを捨てろ」
「っっ…!」


政宗が欲するのは、皆に等しく与えられる光り輝くような友愛でなく
もっと重くてドス黒く、己だけに向けられる感情の塊りだ。
嫉妬、執着、独占欲、愛憎…

(コイツがオレ以外を少しでも気にかけるのが許せねェ。
 コイツがオレ以外に関わり合っただけで腹が立つ。
 コイツがオレ以外と話すのも哂うのも、其れを見るのも鬱陶しい)

しかし、幸村が同様の薄暗い情を覚える事は決してないだろう。
ずっと間近で見て来た政宗は、知っている。
ならば、己が持つ歪んだ鎖で有無を云わさず捕らえ
底の無い貪婪な情が満ちる水底へ、ズルズルと引き摺り込めばいい。


「大人しく、オレに繋がれてろ…OK?」
「…っあ!…ぅうッ!はぁっ…、はァ…!」


政宗は囁き、汗だくで喘ぐ幸村の両膝裏に手を入れ、左右限界まで押し開くと
体重をかけてより深くまで、手加減なく徹底的に犯す。
暫く、室内には荒い息遣いと、ミシミシと畳を軋ませる規則的な音が充満し
戦の最中であるというのに、何とも不謹慎で、卑猥であった。
そんな中、これから後はどうするか…と
頭の隅でなんとはなしに考えていた政宗は、不意に妙案を思いつき、口を開く。


「Ah−…そうだな……アンタに殿って呼ばれるなら、一国の主ってのも悪くねェ…」
「…?!ッ、んっっ!」
「甲州筆頭伊達政宗、推して参る。ってなァ」


貪るような腰の動きはその侭に、クツクツとさも愉快で堪らぬという風に嗤いながら
「今流行りの下剋上だぜ?どうだ?」と、皮肉を云う政宗に
一層強く身の内を穿たれる衝撃と、何より、またもや心を激しく掻き乱される混乱に
幸村はビクビクと痙攣しつつ、今にも泣き出しそうな顔を歪め、首を打ち振った。


「ぅっ、あ!、よ…せ……!っ…政、宗ェ…ッ」
「あん?呼び捨てにすンじゃねェよ。これからは『殿』を付けな」
「、、ヒ…ッ!ぁあ!!」


皆で守ってきた国を、何度も政宗に救って貰った此の国を
そんな身勝手極まりない独善的な理由で、奪われたくなどなかった。
今すぐにでも衿首を掴んで云ってやりたい、「正気に戻ってくれ!」と。
されど口惜しい事に、幸村の両腕は決して政宗に届かぬ。
それに、


「Yes、決まりだ決まり。この国と、そしてアンタの主はこのオレだ。You see?」


この上なく嬉しそうに零した男の隻眼は、嗚呼、いつもと変わりなく
誰が何を云っても聞かぬ不遜と傲岸に満ちている。
何故か大声で叫び出したい衝動に駆られた。
片や政宗はと云えば、自身がたった今決めた事を反芻し
来たる幸村との至福の日々を妄想し、異様に気分を昂揚させて居た。
欲しくて欲しくて仕方なかった物を、漸く最上の形で手に入れる事が出来たのだ。
元々、幸村を殺す気など更々無かったし
どうせなら何もかも奪ってやって、閉じ込めてやろう。
もしかしたら、かつて抱いた事など無い「恨み」という強い感情を、己へと向けてくれるかも知れない。
想像するだけで、背筋がゾクリと歓喜に震える。
世間体には影武者の首でも晒し、真田幸村は死んだ事にしておけば、誰の邪魔も無く一人占め出来る。
最高だ。


「心配すんな。オレなりに、ちゃーんと愛してやるからな?」


蕩けるような猫撫で声で、実に残酷な情を宣った政宗は
大きく見開かれた幸村の瞳からハラリと零れ落ちた泪を満足気に見下ろしつつ
小刻みに戦慄く肢体を抱え直し、興奮を覚え更に膨張した己の牡を、容赦なく抽挿した。


 


【終】

続き


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あとがき

10万hitキリリク小説です。
「家臣や領民に慕われる若き国主な幸村を、ずっと自分の物にしたかった最有力家臣の筆頭が下剋上に出る」
という事で、政宗氏と幸村に頑張って貰いましたが…ど、どうでしょう(焦)
筆頭が珍しく優しかった気がします(幸村に対しての暴力的な面でww)
しかし尻切れトンボでごめんなさいorzあの後は勿論監禁性活…あ、生活で^^!←

2011/07/18  いた。