※過激な暴力的表現(拷問・折檻)あり。ご注意を…!
 少しでも気分が悪くなられた方は、我慢せずに画面を閉じて下さいね!

 

 

『弦月の烙印4』


夜が明け、甲高い鶏鳴を耳にしながら村を後にし
幸村は男達に連れられ、城への道を歩いていた。
胸中は、こんな事があって堪るかと、そればかりだ。
折角隙を見て逃げ出せたと云うのに、一日も経たずして、またしても逆戻りする破目になろうとは、思いもせぬ。
もし、このまま城へ連れて行かれてしまったら、逃げた己にどんな罰が待っているか知れない。
それを考えるだけでも、ガクガクと躯が小刻みに震えるのだから、まことに情けない話だ。
されど、恐いものは恐い。
何とかして、この男達の手から逃れ、あそこへ戻る事を免れなければ…
と、気ばかりが急くものの、今の所、名案はなく、まさに藁にも仏にも縋りたい心持ちであった。

「…ん?なんだぁ??」

その時、先頭を歩いていた男の足が止まる。
何事かと顔を上げれば、道の向こうから馬の蹄の音が幾つもあり、砂塵が舞っていた。
時折、道端を行く者がその馬に乗った男達に引き止められ、詰問を受けている。
何やら騒がしい様子だ。
まさか、伊達が放った追っ手であろうか、幸村は躯を硬くした。

「其処の者達、待て」

当然、見るからに怪しい破落戸(ごろつき)達と幸村が避けて通れる筈も無く、鋭い声に止められる。

「いや〜朝早くからお勤めご苦労なことです、一体どうしたんで?」
「昨日、城から逃げた男を捜しているのだ」
「へぇ、もしかしてソイツは…」
「そう、貴様が連れているような若い男で、右の太腿に御印があるそうだ」
「!!」

やはり、と幸村は身構えたが、破落戸の男にグイと腕を引かれ、前に突き出されてしまう。

「旦那、この通りでさあ!こいつがそのお尋者で間違いありませんよ!」
「その証は?」
「コレ!コレを見て下さいって!」

息巻いた男は幸村の着物の裾を掴むなり、これでもかと云う程大きく肌蹴て見せた。
すると、陽の光の下、白い太腿が曝され
そこに残る隠しようもない弦月の焼印の痕と、痛々しい折檻の傷が見て取れる。
幸村はとんだ屈辱だと云うように、固く目を閉じた。

「……ふむ、確かに本物であるな」
「そうでしょうとも!俺らが捕まえたんですよ!…で、そこでと云っちゃ何ですが、褒美の方をちと、頂きたいんですがねェ」
「うむ、貴様の望みは真っ当である。しかし、逃亡の手引きをしていた者は殺せというお達しが出ている」
「そ、そんな!手引きなんてしてないですって!見りゃ判るでしょう…!!」
「逃がした後、こうして連れてきて、褒美をせしめる魂胆だったやも知れぬ」
「ッ旦那、そりゃあんまりですぜ!俺らは城までお届けしようと…!」
「問答無用」

低く云い、馬上から抜刀した男が腕を振ると、次の瞬間には
破落戸の胴はバッサリと斬り捨てられ、地面に血飛沫が散る。
それを見るなり、「ひぃ〜!」と腰を抜かした仲間の二人は、幸村から手を放し
逃げようと後退るが、馬から降りた男に無残に斬り殺された。

今、幸村を捕らえてあるものは、何もない。

「…っ!」

咄嗟に、身を翻して傍の竹林へと走った。

「ッ逃げたぞ!追え!!」

すぐ背後から怒号が飛び、駆けつけて来た大勢の追っ手達が馬から降り
次々に竹薮へと分け入ってくるのが視界の端に見え、幸村は必死に鬱蒼と茂る竹の間を縫うように走った。
呼気はすぐにも荒くなり、脇腹が刺す様に痛んだが、まさか止まって休んでいる暇はない。
兎に角、現状を逃げ切らなければ、二度と活路は開けぬという事だけは、はっきりと判っていた。

「っはぁ、っはぁ…!ぜっ、は…っ…!」
「居たぞ!回り込め!!」
「ッ!!」

しかし、現実はそう甘くはない。
早くも追いつかれ、後ろも前も、それどころか四方ぐるりと
あっという間に包囲され、逃げ場がなくなった。

「観念いたせ!」
「っぐぅ…!」

立ち止まった途端、数人掛かりで取り押さえられ、敢え無く、万事休す。

「許せよ、お主を逃しては、我々があのお方に首を刎ねられるのだ…」

まるで憐れむような視線を寄越しながらも、幸村をきっちりと縛り上げ
追っ手の役目を最後まで果たし終えるべく、男達は城へと足を向けた。

 

―――――――――――――――

 

「よう、お帰り幸村」

城に着くなり、幸村は元居た地下の拷問部屋よろしく牢獄へと放り込まれ
巨大な木台の上に、大の字になるよう仰向けで四肢を固定された。
出迎えたのは、他ならぬ城主の伊達である。

「いや〜焦った焦った。此処来たらアンタ居ねーわ外に見張りと下女倒れてるわで、敵襲かと思ったぜ」
「……ふ…、ぅ…っ」
「でもまぁ、まずはアンタを捜した。城中な。だって、隠れんぼかも知れねーしな」
「……っく…」
「しっかし中々見つからねェから、もしかして外まで鬼ごっこじゃねェかと思ってよ」
「…っ!」
「そしたら、BINGO!やっぱり居やがった」
「……ぅ、…う…っ、」
「ったく、手間を掛けさせやがって…」

心配したじゃねェか、と囁いた男は、台の上に磔になっている幸村の傍にゆっくりと歩み寄り

「ちぃっとばかし、おイタが過ぎたな、幸村」

砕けた口調が一転、氷のような冷声で呟くと

「…覚悟は出来てンだろうな?……仕置きだ」
「ッ!!」

云い終えると同時に伸びた手が、幸村の着物の帯を勢い良く解き
次には共衿を鷲掴んで左右に肌蹴け開く。
下帯は無い。(幸村が見張りの着物を奪った時、下帯を着ける時間などありはしなかった)

「…Oh、まさかこんな破廉恥な格好して逃げ回ってたのか?」
「、っく…」
「駄目じゃねェか…若い身空でフルチンなんざ、襲われたって文句云えねェぜ?そうだろ?」

云いながら、太腿へと手を這わせる男に、幸村は歯噛みした。
実際、村で手篭めに遭いそうになったからだ。

「で?コイツは役に立ったろう?」
「…っん、!」

右足の内腿へと指を滑らせ、グリと火傷の痕を詰った伊達は
小さく声を上げた幸村に満足しつつ、今度はその表面の凹凸を愉しむかのように、ゆるゆると優しく撫で擦る。
つまり云わんとする所は、この印がある限り、幸村が伊達の手元に戻るという仕組みだろう。
歴とした家紋ではない、たかが私紋が小さな村の破落戸にまで浸透しているなどと、俄かには信じ難いが
実際、皆知っていたのだ。
しかも、驚くべき支配力を持っている。
幸村はそれを身を以って実感したばかりだ。
この紋があったからこそ、破落戸共に手篭めにされる事も、売り飛ばされる事もなく
また、今こうして捕まる事にもなった。
こんな恐ろしい烙印が、他にあるだろうか?

「…っふ、…ぅぅ…、、」
「ん?感動して泪が出そうか?もっと喜んでいいぜ?何せコレを人に使うのは、アンタが最初で最後だ」

他にこの印を付けるに相応しい人間は二度と無いと囁いた伊達は
丸裸に剥いた幸村から一度離れ、台の端に置いてあった器具を手に取る。
見た目の大きさは拳程、竹製で、細長い花の蕾のような形をしているのだが、用途は全く判らない。

「コレ、何か判るか?」
「…ん、…ん…っ、」
「だろうな。まぁ、これから使ってやるんだ。すぐに判る」

云うなり、伊達は器具の先端に油を塗りたくると
幸村の臀の穴に宛がい、グイと力任せに突っ込んだ。

「ッい゛…!!!」
「そう力むなよ。まだ半分も入ってねェぜ?」
「あ゛ぁッ、ぐっっ、…うぅ〜ッ!!」

猿轡を噛み締めながら、幸村が激しく身悶える。
四肢を固定していなければ、さぞ暴れまわっていたことだろう。
構わず、器具のちょうど半ば辺り、一番太くなっている所まで強か埋め込むと
拡がった穴の薄い縁は切れ、細く血が伝った。

「っは…!っはぁ…!…ッぅ…」
「Ha!これで終わりとか思ってねェよな?」
「…ッッ?!」
「こいつのイイ所は、こっからだぜ…?」

既に息絶え絶えな幸村に、酷薄な笑みを向けた伊達は
徐に器具の後ろから伸びる取っ手を握り、キリキリと回し始める。
そうすると、蕾のように閉じていた筈の器具が、本物の花のように花弁を広げ出したのだ。
仕組みは定かではないが、恐らく取っ手の部分を捩じる事により
蕾の中にある芯が拡がり、廻りの竹製の花弁を押し開いて行く仕掛けなのだろう。
何にせよ、驚愕すべきはその残酷極まりない激痛だ。

「うぐあぁあああ!!!!あッ、あ゛ぁー!!」
「元々、女のほとに突っ込んで拷問するモンなんだが、要は応用ってヤツだ」
「ひぐっぅ!うぅっ、う゛ぅ〜!!!」
「アンタのケツの穴が何処まで耐えられるか、愉しみだな」

悦に浸りつつ、口の端を舐め上げた伊達は、更に少しずつ取っ手を回す。
一回転する度、幸村からは断末魔のような悲壮な悲鳴が上がり
両の目は根限り見開かれ、ボロボロと泪と涎が溢れて止まらず
全身が激痛を耐えようと力んでいる所為か、顔は真っ赤に紅潮し
暴れる四肢を固定する皮紐によって、周辺の皮膚は擦り切れ血が滲んだ。
伊達はそれを思う様眺め下ろし、下腹部に荒く突き上げる劣情を確かに覚え
弧を描く唇の端を舌先で舐めつつ、続行。

「っふ、はぁ…!あぅぅ…っ…!ンぐぅ…っっ」

メリ…と音を立てて生身を引き裂かれる、想像を絶する痛苦に
終に幸村は自身の中で何かが音を立てて決壊したのを感じた。
同時に、小刻みにブルブルと震えながら、小ヅメ(小便)を噴き漏らす。
ジョロジョロと堪え切れず全てを出し切った頃には
器具を握っていた伊達の両手は見事に幸村のもので濡れそぼり、台の上も水浸しで、ツンとした匂いが鼻を突いた。

「Wow…、幸村、アンタやってくれるぜ…」
「ひっ…ひっ…、うぅ……、、」
「泣いたって許してやんねーぜ?ついこの間も粗相して、仕置きしたばっかりだろうが…」
「やっ、う…!…あぅぅ…、っ」

伊達に窘めるように睾丸を握り込まれ、つい先日、紐が括られていた根元辺りを指でなぞられた幸村は
過敏に身を跳ねさせると、激しく首を左右に打ち振った。
この上、またあのような仕置きを付け加えられては、本当に狂ってしまう。
嫌だ、嫌だ、やめて欲しい…!
今や幸村に矜持や恥と云ったものは欠片もなく、カタカタと怯えて震えながら、只々許しを請うばかりだ。
かつての、悲鳴を上げまいとて健気に耐え忍んでいた姿や
隙あらば自害しようと云う大それた覚悟などは、もう何処にもない。
此処に居るのは、痛みという恐怖に身を竦ませ泪する、歳相応の一人の青年だった。
伊達はしたりと笑みを浮かべ、

「Oh…Here kitty…そんなに恐かったか?よしよし、コレはもう外してやる」

取っ手を逆方向に回して、器具を元の蕾の状態に戻すと、ズルリと引き抜き
真っ赤に濡れた其れを無造作に放り投げた後、台の上に乗って幸村に覆い被さる。

「コレも、取って欲しいか?…ン?」

猫撫で声で囁き、涎と泪でぐっしょりと濡れている猿轡を指で弾くと
幸村は間を置かず首を縦にコクコクと振ってみせた。
もう、外したとしても、自害の心配はないだろう。
伊達は確信していたが、敢えて口を開いた。

「じゃぁ、判ってンな…?コレを外すって事は…」

云いつつ、ゆっくりと猿轡を取り去れば

「ッ…何でも、云う事に、従います故…っ、、もっ…痛くしな…で、くだされ…っっ」

幼子のように顔を情けなく歪ませ、泪ながらに幸村が嗚咽する。

「OK…良く云えました」

ちゃんと云えた子には、特別にご褒美だと
伊達は幸村を磔にしていた四肢の拘束を解いてやり
すかさず縋り付いて来る白い腕に、得も云われぬ喜悦と満足を覚えた。

 

 

【5へ続く】


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あとがき

中世のヨーロッパ?か何処かで使われていたらしい拷問器具(苦悩の梨と言うそうです)
を日本風にアレンジして使ってみました。
エ、エグイですか?申し訳ありません、ほんの出来心で…!
それにしても筆頭、順調に調教が進んでいるようで、何よりですv

2010/01/04  。いた。