※性描写あり。幸村がビッチです。 ご注意を

 


『RED DEVIL』


某日、躑躅ヶ崎館、夕刻である。
甲斐と奥州、長きに亘る同盟条約の交渉が漸く終わり、無事締結の運びとなった。
信玄との腹の探り合いは骨が折れたが、双方にとって不利のないもので落ち着いた為
伊達としても此度の成果には満足している。
日々激動するこの戦乱の中で、いつまで持つか判らぬ仮初の盟だとしても、だ。

「………」

祝いを兼ねて今宵開くのだと聞かされた宴の刻には、まだ余裕がある。
用意されている客間に戻りしな、何とはなしに広い外庭に面した廊下を選び
鍛錬姿の紅い男は居まいかと、無意識に視線で捜してみたが
夜の帳が落ち始め、かなり薄暗くなって来たこの時間では、さすがに庭師すら見当たらない。
それが普通とはいえ、あの男ならそんな常識も覆すのではなかろうかと
勝手な期待もあった事は否めない。
些か拍子抜けしながら、それならそれで大人しく部屋に戻るだけだ、と
突き当たりの角を曲がろうとした時、不意に微かな気配を感じて足を止め、其方に顔を向ける。
すると、離れた処にある厩の物陰に、何者かが佇立していた。
否、よくよく見れば、立ったまま壁に縋りついている何者かの背後から
男がむしゃぶりつくように覆い被さり、一心不乱に腰を揺すっている。
遠くて声も聞こえぬし、薄暗うて身形や顔立ちなども視認できぬが
大方城仕えの者が端女でも犯しているのだろう。

(…チッ、好き者が)

どうせやるなら気付かれないようにしろと胸中で唾棄し
冷め切った隻眼をあっさりと逸らした伊達は、止めていた歩を進め
客間の襖をダンッと乱暴に閉めた。

 


宴は円満に済んだ。
振舞われた料理も中々だし、酒もほどほどで
酌をしに来た真田幸村とも他愛ない話が出来て楽しい時間であった。
先刻の出来事など忘れるぐらいに。
大層良い心地で客間へと戻り、襖を引いた伊達はしかしその瞬間、片眉をピクリと跳ね上げた。

「Shit…余計な世話しやがって…」

準備よく敷かれた夜具の横に、女が一人、慎ましやかに指をついて平伏している。
薄い色合いの襦袢の襟から覗く細く白い項が、部屋の隅に置かれた灯りに照らされていた。
夜伽の相手など所望した覚えはない。
信玄の計らいだろう。
普通の男ならば喜んでこの据え膳に食いつくのだろうが
生憎と伊達はその限りではなかった。

「っきゃあ!」
「とっとと失せな。殺すぞ」

おなごの髪房を引っ掴み、酷薄な脅しと共に部屋の外へ追い出す。
その内、女の悲鳴に気付いた者が引き取りに来る筈だ。
他所でもいつも同じである。
そして此方が何も理由を云わずとも、女の方に原因があるに違いないと、先方で勝手に解釈し対処する。
新しい女を寄越すか、謝罪を寄越すか。
ゆえに、此度もそうなるだろう、と予想付けていた伊達の見当は、少し甘かった。
放り出した女が回収され、さてどう出て来ると構えて居れば
「失礼致す」と聞き覚えのある声がしたかと思った一寸後
静かに襖が開き、なんと幸村が入って来た。
しかも、

「恐懼ながら、この幸村がお相手仕る」
「……Ha?」

まさかそう来るとは思わず、伊達は唖然とした。
見目麗しい手弱女(たおやめ)が駄目なら、若々しい益荒男(ますらお)を宛がってやろうという事か、と。
確か信玄は此奴を手塩にかけて育てていなかったかと額に手を当て
いやだからこそ寄越したのかと思い直し、はあぁと深く溜息をつく。
すると何を勘違いしたのか、「某、精一杯努めさせて頂き申す!」
と畳に頭を擦り付けんばかりに平伏する襦袢姿の幸村が、此方の機嫌を損ねまいと必死に云い募った。

「…NO、そうじゃねェ……Ah−…」

さすがにそんな幸村に対し、さっきのおなごに対してやったのと同じ事をする気にはなれず
伊達は額から手を離すと、しばし云い難そうに口篭った後
この場を収める為でもあるが、幸村になら理由を云っても構わないか…そう思って、口を開いた。

「…オレはなぁ、女が嫌いなんだよ」

己の生い立ちが少なからず関係している自覚はある。
女そのものが苦手なのだ。
目にする分には何とも思わぬが、触れる事が出来ぬ。どうにも悍ましい。
交合うなど、もっての外だ。
よもや身篭りなどして、己と同じような子が生まれやしないかと、甚だ恐ろしいからである。
ただ、だからと云って、進んで男を食らう訳でもない。
契だ何だと衆道が流行る昨今、律儀に手解きを申し出た片倉をすら「気持ち悪ィ」と素気無く一蹴し
若い小姓にだとて手を出した事はない。
男の性など手すさび一つで事足りた。
ゆえに夜伽の相手などそもそも必要ないのだ。
要するに、

「…政宗殿は童貞、という事でござるな?」
「…デリカシーねぇなアンタ…まぁその通りなんだが」

直球的な幸村に対し、肯定を返してやれば
「な、なんと…!」と大袈裟に愕いて見せた幸村は
暫く感慨深そうに俯いていたが、ふるふると小さく肩を震わせ
いきなり顔を上げたかと思うと、辛抱堪らんとでもいう風に、

「ふはっ!おなごの柔らかい乳も臀も揉んだ事がござらぬのか!それはそれは…ククッ」

大きく吹き出して、そんな莫迦な事が本当にあるのかと云わんばかりに言及し
更に堪え切れず咽喉で哂うではないか。
しかも衆道すら嗜んだ事がおありでないとは…お可哀相にと、若干の同情さえ孕ませて。
これにはさしもの伊達も激昂ではなく逆に激しい戸惑いを感じざるを得なかった。
なにせ目の前の幸村に抱いていた印象を、見事に裏切られたのだ。
戦一筋、余計なものは一切知らぬというような純朴そうな顔をしている癖に
男も女も経験があるなどと、予想外も甚だしい。

「…テメェ、」
「そう恐い顔をしないで下され。某には生きる術として色々と経験が必要だったのでござる」
「………」
「…さて!それはさておき、政宗殿、一つ提案があり申す」
「…Ah?」
「某で筆下ろしすれば宜しいではござらんか!」
「What?!」

さも名案だとばかりにウンウンと大きく頷いた幸村は
返事も待たずに恥ずかしげもなく襦袢を取っ払ってしまうと
夜具の上に伊達を座らせ、着物を寛げ一物を取り出すなり、一欠片の躊躇なく口内へと含んだ。
愕いたのは伊達である。
一体こいつは何をやっているんだと、奇怪なものでも見るかのように凝視していれば
異様に熱い舌が、まるで生き物の如くズルズルと竿を這う。何度も、何度も。

「…ん、む…っ」
「、くッ……、おい!」

勿論左様な方法で愛撫などされた試しがなかったので、興奮より先に焦燥が勝り
語気を強めて幸村へと声を掛けるが、返事の代わりとでもいうように
牡の根元を支えていた指が小刻みに上下し、全体が芯を持ち始めると
一度口を離した幸村は、全体を大きく片手で扱いてより硬度を持たせ、またパクリと頬張って舌を駆使する。
溢れ出る幸村の唾液が柔らかい舌と粘膜に塗り広げられ、じゅぷと卑猥な音がした。
あっという間に硬くそそり勃ち、幸村の愛撫に素直に悦ぶ伊達もやはり男である。
いつしか制止を忘れ、この有り得ない光景と、幸村の巧みな口淫に全神経を集中させ、昂っていった。

「つッ…真田、幸村…っ」
「、んぐっ…、ふ…、、ンッ、ン」

途中から、幸村は伊達の牡をあたかも扱くように唇で挟み頭を上下させ
時折思い切り吸い上げて来たりする。
加えて、ズルンと尋常でないほど深くまで咥え込む時もあり

(…コイツ、咽喉まで…ッ)

おまけに陰嚢の方へも空いた手を伸ばし、絶妙な力加減で揉みしだくので
一気に絶頂へと駆け上がる伊達の牡はしかし
寸前で突き放すようにピタリと愛撫を止められ、口内から吐き出されてしまった。
怪訝に思って股座を占領していた幸村へと視線を投げれば
「一度吐精して萎えられては困るので」と、とんでもない事をしれっと云い放ち
徐に躯の向きを変えて蹲るように胸と片頬を夜具に埋め、伊達の方に腰を高く突き出して
自ら臀朶を鷲掴み、わざわざよく見えるよう、左右におっ広げた。
幾度も擦り上げたように仄赤く、僅かに腫れて盛り上がっている菊座が、ほんの小さく口を開く。
幸村が確かめるように己の人差し指と中指を捻じ込めば、音も立てず難なく呑み込んだ。

「…ん…丁度良い、、先程も使うたばかりゆえ、まだよく解れておる」
「…!!」

その何気ない一言と、この現状に、伊達はピクリと鋭く反応した。
小汚かろう厩の傍、男に背後から圧し掛かられ、片脚を持ち上げられ、激しく揺さ振られていた影は
あれは端女などではなく眼前の幸村であったのかと、愕然とするも刹那の事で

「…Bitch…!」

俄かに湧き起こる侮蔑・嫌悪…否…沸々と滾る怒りに任せ、口汚く罵るも
意味が判って居るのか居ないのか、…確実に前者だろう
首を傾げるように背後の伊達を振り返り、ニィと妖艶な笑みを浮かべた幸村は唇を薄く舐めると
中をまさぐっていた己の指を引き抜き、再び形の良い臀の肉を自ら掴み開いて、こう云った。

「どうぞ、挿れて下され」
「ッ、アンタ…、」
「此処に、挿れてみたくはございませぬか…? それとも、いつものように一人寂しく自涜に耽るので?」

煽り、というよりは挑発に近いその言葉に、一気に血を上らせた伊達は
立ち上がって幸村の腰を掴むと、まだかまだかとばかりに収縮する、誰が使った後とも判らぬ臀穴へ
さっきから不思議な事に少しも衰えていない自身の牡をヒタリと宛がい、ズブ!と一気に貫いた。

「〜嗚呼…っ!…まっこと、立派な一物にござ…、 …ん?」
「…はっ、はぁ…、クソ…ッ」

よくぞ見事に収めきったと内心褒めながら、中をぴっちりと満たす質量に感極まってうっかり呟いた矢先
ドプドプと勢い良く腸壁へと注ぎ込まれた慣れた感触を感じ、同時に、伊達が苛と吐き捨てる。
もしかしなくとも、挿れただけで達してしまったようだ。
「最初はよくある事にござる、気になさるな」、と一応慰めはしてみたものの、伊達が動く気配はない。
今回は此処までが限界であったかと、早々に見切りをつけかけた幸村であったが
意外にも、いや想定外な事に、中に入った侭の伊達の牡が、いまだ萎えないのである。
幸村は音もなく口角を上げると、伏せていた上体をゆっくりと起こし両手両膝をついて四つん這いになり
出し抜けに一度大きく腰を動かし、

「ッ、」
「何をぼんやりしておられるのか…?後は簡単でござろう?」

貴殿らしくない、戦場ではあのように激しく打ち込まれるのにと
わざと二人でした一騎打ちを引き合いに出し、

「獣と同じにござるよ」

本能、衝動のままに某を突けば宜しいのでござると、トドメの発破をかけた。
途端、腰を掴んでいた伊達の手にグッと力が入り
箍が外れたかのように幸村を揺さ振り始めた。

「、あっ、…ぁ!その調子で、ござっ、ぅ…!、あッ」
「…は、…ハッ、」

まさしく犬の交尾さながらに、情動に突き動かされ
短兵急で稚拙な交合いであるが、その分激しさと勢いがある。
他人の、幸村のやわい肉を抉る感覚が余程気に入ったのか
短く荒い呼気を切らし律動を続ける伊達は、時に生唾を飲み下し
少し前屈みになっている所為か、玉を結んだ汗が滴り落ちて
幸村の腰や背にポタ、パタと不規則に飛び散る。
幸村はその僅かな刺激にも過敏に反応し、肉壁をキュッと竦めながら
此方の事など構わぬ(当然だ、そんな事を気にする余裕も技術も伊達にはまだ無いのだから)
粗雑な突き上げの中でも、快楽を拾う術は既に熟知していた。
自ら腰を使い、男の野太い牡が悦い処へ当たるよう誘導する。
其の魔性の行為は果たして、伊達の目にはとてつもなく淫らに映って見えた。

「っ、く…!」
「はぁっ、…ン!、んっ、あぁっっ」

劣情をこれでもかと刺激する幸村のいやらしい嬌声と媚態は止まる事を知らず
伊達の牡は興奮にドクと脈打ち肥大し、益々夢中になって没頭。
乱暴に深く突き込む度に、搾り取るように強く締め付けられては
喰っているのは確かに此方の筈なのに、寧ろ貪られているような錯覚すらした。

「あ…ッ、あっ!、は…、ンんッ」
「っ…、つ、、」

偶然ではなく作為的に狙うよう仕向けられた幸村の泣き処をしこたま突いた時
背筋美しい幸村の背が大きく撓ったかと思えば、これでもかと牡を締め上げられ
伊達は到底我慢などできず、二度目の子種を幸村の中へと放った。

「ッ、ふぅ……」
「ん…っ、…はぁ…、はぁっ……はぁ、、」

細く息を吐きつつズルと引き抜き、酷く気持ち良さそうに肩で息をする幸村を見ると
幸村自身の牡と菊座から、白濁がトロトロと溢れ出ていた。
何とも卑猥な様である。
小さく唾を呑めば、気付いた幸村が優艶に微笑み
最初と同じように伊達の股座へと顔を寄せ、あろうことか、陰茎に纏わりつく残滓の後始末までした。
そんな事をされては、萎えかけていた筈の牡が、再びむくりと起き上がる。

「ふふ…仕方のないお人だ……喜んでお付き合い申し上げる…」

貪婪な瞳を妖しく揺らめかせ、幸村はしなやかな両脚を勿体ぶって左右に開いた。

 


幾度行為を繰り返したか知れぬ、夜半。
精を出し尽くし、昏々と眠る伊達の横、冴え冴えと両の眼を光らせるは幸村であり

「……貴殿とは相性が良い… これから先、上達するのが愉しみでござるなぁ…」

舌舐めずりをせんばかりに、うっとりと囁いて
意識のない伊達の逞しい胸板を、ツゥと指先でなぞる。

この先、例え国がどうなろうとも
きっとこの男は己の虜となり、爛れきった関係になって行くのだと
幸村は確信をもって、静かに、ゾッとするほど淫靡な笑みを湛えた。

 



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あとがき

17万hitキリリクにて
『童貞(女性経験なし)筆頭×男性経験あり女性経験もありなビッチ幸村』 
で頂いておりましたが、いかがでしたでしょうか…?
ビッチというより、誘い受…?(すいません、案の定力量不足ですorz)
とりあえず、無事にDT捨てた筆頭に「祝☆童貞消失!」の言葉を送りたい^^←
そして幸村好みに染められてしまえばいいww

2013/02/12  いた。