「・・・・・う、、」


目が覚めると、床の上だった。

 

 

 

『服従する者と盲従する者』

 

 

 

虚圏へ来て何度目かの戦闘の途中、
無様に地面に這い付くばり、腕を折られた先
記憶がない。
恐らく気を失ったのは、この様変わりした景色を見れば判る。

白い砂漠ではなく、白い壁と床と天井。


移動させられたのだ。

・・・でも、一体何処へ・・?

 

「・・・・っ・・!」


躯を起こすのに支えた腕が、治っていることに気付き
何回か確かめるように反対の手で触れれば
霊圧の感触は、織姫ではなく、虚のソレ。


「・・どういう、つもりだ、、」


まさか敵の筈の自分に治療を施したのかと
疑問を通り越して混乱する頭では、うまく考えを纏められない。
とどめを刺される立場の人間を、何の得があって生かしておくのか。
その上捨て置くどころか傷まで治し・・・、まったく現状が把握できない。
しかしそんな訳の判らない状態だろうと
敵に捕われているという事実は、冷たく背筋を撫で上げた。

逃げなければ。
本能が警告する。

アイツは、ヤバい。 


「・・・くっ・・」


鈍痛を堪え、何とか扉まで這いずっていき
けれど取っ手も何もない、のっぺりとした石膏を前にして
開ける術が解からず、唇を噛んで巨大な出口を見上げる。
焦燥が増すばかりで、何も出来ない。
力が入らない、立ち上がれない・・・
こんなにも弱かったのか、自分は。
歯痒く白い扉に爪を立てても、どうにもならなかった。


「なんだァ?蛆虫がのたくってやがる」
「・・・?!」


不意の濁声に
驚いて上を向くと、いつのまにか開いた扉の前に長身の男と、斜め後ろに、もう一人。
間が悪い、運が悪い事この上ない状況だ。
俺は警戒と緊張と狼狽とで、金縛りにあったように硬直していると、ガシッと真上から髪を鷲掴まれ
折角ここまで這ってきたのに、元居たところへ引き摺り戻され
僅かな抵抗さえ意味もなく、躯の骨が軋むほど強く床に打ち据えられる。
走った衝撃に息を詰めると
鼻で嗤った男が髪から手を放し、側のキングサイズはあろうかというベッドへと腰を下ろして
ニヤニヤと気味の悪い笑みを向けてくるから
顔を歪めて男を、ノイトラを睨み上げると、細い目が更に細くなった。
感情が読めない。
しかし頭の中の警鐘は五月蝿く鳴り続けている。
危険だ、と。


「犯せ」


本能的にズリ逃げようとした時、その一言で、それまで一寸たりとも動かなかった側のテスラが
ツカツカと目の前まで歩み寄ってきて、顎を掴んで引き上げるから
その腕を外させようと両手で抗うが、少しの効力もないまま
無理矢理唇を合わされる。


「・・っ!」
「・・・・・」


目を見開いて整った顔立ちを凝視していると
すぐに割り込んできた舌が中を探り、逃げようとした舌を絡め取ってくる。
痛みを無視して腕を振り上げると、殴る前に掴み取られたから、そのまま腕はくれてやって
口の中を荒らすテスラの舌を食い千切るつもりで噛んだ。


「!」


すぐに顰められた顔が離れる。後には血の味が残った。
それを唾液ごと床に吐き捨てると、ゲラゲラとノイトラが下品に嗤い
「やられたなァ」と部下の後頭部に向かって愉しそうに言う。
その主の声に応えないままに、目の前のテスラはグイと口端を拭うと
いきなり掴んでいなかった俺の反対の腕も容易く纏め上げ
腕輪のようなもので固定してしまった。
手首に嵌められたソレを外そうとしたものの、白い骨のような輪が食い込むばかりで
その細さとは裏腹に、力でどうこう出来るような代物ではなく
それでも引き千切ろうとギリギリ両手に力を入れながら、無表情のテスラを睨みあげる。
ほとんど虚勢に近い。
ただでさえ鈍痛で動き難い上に、こうして拘束されてしまったら、ハッキリ言ってどうしようもなかった。


「・・・・っく、」


一瞬、ベッドのノイトラを見ると、長い舌が厭らしく唇を舐め上げていて
明らかに愉しんでいる。
単なる暇潰しに俺を使っているのは間違いなかった。
怒りと殺意が湧く。


「・・・この、下衆が、、」


ありったけの嫌悪と侮蔑と憎悪を込めて吐き捨てれば
ニィとノイトラの口角が吊り上がり、不気味を通り越してゾッとする。
まるで爬虫類だ。
総毛立っていると、不意を突くように伸びてきたテスラの腕に押され、床に倒れる。
打った後頭部と背の痛みに眉を寄せ
覆い被さってきた男を見上げるが、相変わらずの無表情はどいてくれそうにない。
嫌な汗が滲んでくるのが判る。
本当に男の俺を犯そうというのか。


「・・・っう・・、」


死覇装の合わせ目を開かれ、ねっとりと首筋を這う舌の生々しさと
肌を撫で回す他人の手の感触が現実味を帯び
快楽とは全く別の感覚となって俺を襲う。

・・・気持ち悪い・・!

引き攣って息を呑み込み、歯を食い縛った。
感じた事のない不快感。
やめさせようと腕を突っ張ろうとして、喰い込む拘束具の存在を思い出し
舌打ちをして上の男の急所に膝を入れようと脚を跳ね上げる前に
その両膝を割って入って来た体躯に、墓穴を掘ったと後悔する。


「っこの・・!どきやがれ・・ッ!」


空回りする抵抗が情けないのと同時に、逃れ様のない焦りが項を撫で上げ
なんとかテスラの下から這い出そうとするが
圧し掛かられていては踠くのが精々で。
あっという間に袴の紐を解いて股間に滑り込んで来た掌に
いきなり性器を直接握り込まれ、息を呑んで硬直した。


「、、ッ!・・・や、めろ・・!!」
「・・・・・」


その手が緩やかに上下し始め、どうしようもない恐怖が思考を染める。
必死にやめてくれと声を上げるも
確実に刺激を与えられ、俺のソコは熱を持っていき・・・
こんなことで一々反応しようとしている己の躯が鬱陶しかったし
一部始終を傍観している細い目がどうしても気になった。
でも、組み敷かれていることで俺からノイトラは見えないし、ノイトラも俺が見えない筈だ。
それがせめてもの救いだ、そう思っていたら
覆い被さっていたテスラが唐突に上から退いて立ち上がり
俺の躯を羽交い絞めにして引き摺り上げる。
そしてその儘また腰を下ろして胡坐を掻き
その膝の上に俺を座るようにさせ、俺は背後から抱き込まれる形になり。
体勢を如何こうという文句を言う前に
まるで見せびらかすように両脚を左右に大きく広げられて
中心で勃ち上がっている熱に指が絡みつき、激しく扱かれる。


「っ、!・・・ぁッ、く、、」


ワザとだ。
アイツの目の前で、ねっとりとした視線が絡みつく中
ソコは無理矢理与えられる感覚に従って
硬く上を向くばかりか、体液まで漏れ出してくる始末。
必死に我慢しようと力を込めるも、一度火を付けられてしまったものは
一直線に解放へと導火線を辿るしかなく
テスラが手を動かす度に、限界へと一歩近付く。


「・・・ん、っツ・・!」


そうして亀頭に爪を立てられて、呆気なく射精。
出渋るどころかビュクビュクと勢い良く溢れた白いものを
見たくもなくて顔を背ける。
こんなの、屈辱以外の何物でもない。
目を伏せて唇を噛み締めた。


「おーおー、ンなに気持ちヨかったか?」
「・・っう、るせ・・・、クソ野郎が、、・・・っ」


後ろの男も前の男も、自分も、何もかも不快で
掠れた声で罵った瞬間、嗤っていた男の霊圧が倍以上膨れ上がり
ゾッと顔を上げると、目の前に細い目と歪んだ薄い唇と長い黒髪。
理解した時には、顎と右の二の腕を掴まれた。
ギリッと締め付けられる。


「・・あ?オレにそんな口利いていいのかよ?」
「、、くッ・・」
「テメェは捕虜だぜ?自分の言動に気を付けな。
 それとも、もっぺん腕折られねーと理解できねーか?」
「ッう・・っ・・!」


折角治してやったのに、と厭味たらしく言うノイトラの横っ面を殴り飛ばしたい衝動を堪え
キリキリと掴んだ手の力を強くしてくる激痛に耐える。
それを嘲笑ったノイトラは、どういうつもりか一度手を離すと
俺の手首に嵌っていた拘束具を解いた。
その意図は判らなかったが、俺はすかさず目の前の長身に殴り掛かる。
勝算もクソもない、ただ殴り飛ばしたかった。


「ッハ!甘ェっつの」
「!」


しかし呆気なく大きな掌に頭を押さえ込まれ、鳩尾に膝を貰い胃液を吐く。
ックソ・・!
反動で後ろに倒れそうになったが、腕を掴まれ
細身の癖に大した腕力でグンッと引っ張られ、そのまま遠心力でベッドまで投げ飛ばされた。
クッションというクッションに躯が埋まり
それ其の物は柔らかいといえど、結構な衝撃に空咳を繰り返した後
体勢を立て直そうと起き上がる前に
一瞬で跳躍した長身に馬乗りされ、腕ごとベッドに縫いとめられる。


「・・っ、テメ・・・どけ・・やがれ・・・!」
「だーから、誰に向かって口利いてンだって言っただろうがよ」
「?!」


悪態を吐こうと開いた口の中に、いきなり人差し指と中指が突っ込まれ
常人より長いそれが舌の根どころか咽喉の奥まで侵入し
グリグリと声帯を押し潰さんばかりに蠢き、食道を塞ぎ切ってしまう。


「ぅ・・ぐ・・・っ、おぇ・・・!」


吐き出そうにも吐き出せず、噛み付こうにも顎すら動かせず
呼吸困難と激しい嘔吐(えず)きで涙すら流して、ビクともしない腕に肉を抉るぐらいの強さで爪を立てると
口角を不気味なほど吊り上げたノイトラが
ぞろりとグロテスクな長い舌を出して笑んだ。
何が可笑しいのか知らないが、そのクッキリと浮かぶ愉悦は
俺の背筋を震え上がらせるには充分だった。


「・・ヒッ、ぐ・・!、っん・・・ンく・・っ!」
「堪ンねーな、テメェの口ン中」


咽喉奥を占領していた二本の指が、ゆっくりと後退し
今度は生き物のように舌に絡みついて、裏側や下の窪みに至るまで
探り、撫で、揉みしだき、溢れ出る唾液がぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てる。


「あっ・・ぅ・・・、かはッ」
「おい、テスラァ。こんな美味そうなモン味わっといて、オレに報告無しかァ?」
「・・っは、申し訳ありません」
「で、どうだったよ?美味かったか?」
「・・・それは、どうぞご自分で、お確かめに・・・」
「おいおいツレねーなァ、部下は上司に対する報告の義務ってヤツがあるだろうが?」


既に口許から幾筋も伝い落ちた唾液が、顎を廻り項に垂れ流れて留まる感覚に何度も身震いしながら
平然と会話を続けている二人を、馬鹿にしているのかと罵りたかったが
生憎未だに口の中を蹂躙する長い指の所為で喋ることすら出来ず
せめて抵抗しようと、今度こそノイトラの指に鋭く歯を立てた。

のハズが、歯先が皮膚を裂き肉を抉り骨を噛み砕く前に
どうして気付いたのか、振り向きもしないノイトラの反対の手に、顎を掴まれ阻止される。


「・・?!」
「死神ィ。オイタは良くねーぜ?」
「っんん・・!」


ゆっくりと振り返ったノイトラは、愉しくて仕方ないと云う表情で
まるで獲物が抵抗するのを待っていたかのように
嬉々として二本の指を器用に使い、俺の口を大きく割り開くと
出来た隙間から、ヌルリとあの長い舌を滑り込ませてきた。
一気に指と同じぐらい、いや、それ以上に深く
奥まで舌先が侵入し、咽喉を塞いでしまう。
またあの息苦しさと嘔吐感に付け加え、今度はこの男の舌という嫌悪感が相乗され
気持ち悪いどころではなく虫唾が走り、退かせようと黒髪を掴んで力一杯引っ張るが
痛覚がないのかブチブチと抜けるのにも拘らず顔を上げない。
しかも、こいつはまたニィと意味不明な笑みを浮かべると
意趣返しか俺の髪を鷲掴んでグイと傾け、
角度が変わり、必然的に合わさった唇がより深くなり
グチグチとどこもかしこも舐め廻される。
このまま魂まで舐め尽くされるのではないかと、薄っすら意識が遠のいたところで
漸く満足したのか、ジュルと唾液を引かせてノイトラの舌が出て行った。


「!・・・っは、はっ・・はぁ・・・・ッぁ・・」
「思った通り、甘ェな」


漸く解放され短く荒い呼吸を繰り返していると
それが整わない内に両足をガバッと左右に割開かれ
先のテスラの所為で解けかけていた紐ごと袴を引き下ろされる。
丸見えになった股間に恥じ入る間も無く


「・・あ!!」


あの長い舌がゾロリと俺の性器を舐め上げ
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら、厭らしく舐め擦る。
その感覚のリアルさと言ったら無い。
まるで俺の性感帯が其処だけに一気に集中してしまったかのような、激しい感覚。
こんな時でも浅ましく勃ち上がる雄の機能が呪わしかった。
自然、腰が砕けて膝が震える。


「おい、もっと抵抗しろよ?
 オレはなァ、足掻いてる獲物を嬲り殺すのが一番興奮すんだよ・・・」
「っ!?、あ・・・!・・ツっっ」


物足りないと言いたげにノイトラが呟いた次の瞬間、敏感な先端に歯を立てられ
声もなく悲鳴を上げ仰け反る。
途端にニィと満足げに唇を歪めた男は
今度はあろうことか下の穴に長い指を宛がい、遠慮も前触れも何もなく
いきなり、本当にいきなり、無理矢理捻り込んできた。


「・・?!、ぅ・・ああぁ゛・・・!!」
「あー、良く締まってンな・・・」


イイ具合じゃねーか、と下卑た笑みと言葉の意味が理解できず、眉を寄せ呻く。
それからすぐに引き抜かれた指の代わりに
寛げた下履きから取り出された、野太く脈打つモノを見せ付けられ、引き攣って硬まる。
否、理解できないんじゃなくて、したくなかっただけだ。
虚に、男に犯されそうになっている自分を。


「・・・・・あ、 ・・・・いや・・だ・・・ッ・・!やめッ・・・、やめてくれ!!」
「聞けねーな」
「ッヒ、・・ぐあぁ・・・っ!!」


生暖かい先端が捩じり込まれ、瞬間、脂汗と悲鳴が噴き出る。
躯が鋼のように強張り、息が出来ない。
ただ、一箇所だけが燃えるように熱く、痺れ、痙攣していた。


「・・・熱っちィな」
「あ、っあ・・・」


硬直している俺の脚を抱え直し、一息も乱さず動き始める体躯。
恐ろしく滑りがいい事に、己の尻の穴が切れて血を流しているのだと気付き
それが妙に生々しく現実的で、飛びかけた思考が一気に引き戻された。


「つっ、・・・あ!・・ッイ・・・、あぁ・・!」


必死に動きを止めさせようと両手を使って押し返すが
弱弱しい俺の抵抗など、有って無いようなもので
激しく活塞を繰り返すノイトラの躯を、止める事は叶わない。
次第に、摩擦と熱で部屋中に充満しだした血臭と生臭い独特の匂いが鼻をつき、
顔を歪めて鼻での呼吸をやめる。
息苦しい。
それでも嗅ぎたくなかった。
呼吸をする度に、この場の空気を認めてしまう気がして、怖かった。


「っは、・・は・・、ッ・・・・ハァ、ああっっ」
「クク・・・イヌみてェにヨがってンなァ?」
「、、つ、! は・・・ぐ・・!」


口で息をしている所為で大量の空気が洩れ、
突き上げられるタイミングで大袈裟な程大きく乱れる呼吸を、ノイトラが揶揄する。
まさにその通りだ。
自分でも浅ましいと思える、切羽詰った喘ぎ方。
クソ・・、いっそ首を絞めてしまいたい・・・
どうして、俺がこんな目に、、


「人間の間じゃ、セックスっつったか?」
「・・っあ、・・・ア!、ぅう・・・っあ・・!」
「コレ、結構オレ等虚でも愉しめてよォ」


「最近ハマッてンだわ」


言いながら、力任せに揺すり上げられ、到頭俺は無様な悲鳴を上げた。

敵に捕まった挙句に慰み者同然に弄ばれ、啼かされ
堪えていた様々なものが、無惨に砕け散る。
目の前がボヤケ、堪え切れず一筋二筋と涙を流すと
嗤ったノイトラが舌舐めずりをして、律動を荒々しくする。
獲物の俺が屈服した事に、歪んだ征服欲と愉悦を覚えているのだろう。
悍ましい・・・


「ふっ・・・、く・・っ、、 もう・・・・いい、だろ・・っ」
「あァ?」
「も、限界・・だ・・・っ・・、頼む・・・・、ッ、・・終わらせて、くれ・・・」
「決めるのはオマエじゃねェよ、オレだ」
「・・・ひっ!あ、あぁ・・・ぁ・・ッッ」


耐え切れないと哀願すれど、覆い被さる男にその気は更々無いらしく
逆に片足を肩に担がれ、より一層強く揺さぶられ、堪らず悲鳴をあげる。
それが気に入ったのか、ノイトラはそのまま無理な体勢で腰を使い
もっと俺に苦痛を与える為か、いきなり萎えた性器の下にある
縮んだ袋を片方の掌に握り込んできた。


「ッ?!」


愕いて身を強張らせ、息を呑む。
しかし、続けてグッと力を入れられた瞬間
俺はこの男が望むように、獲物が捕食者に牙を突き立てられた時のような
酷い絶叫を迸らせていた。


「ッッヒ・・!ヒィィ、あっ!ぐ・・あ゛ぁああ!!!!」
「イイ声出すじゃねーかよ」


興奮するぜ?と囁く声も耳に入らず、ただ只管仰け反って声を上げる。
自分で自分のそれが耳障りだった。
それ以外、聞こえない。
腰を振り立てる男の事さえ、一瞬視界から消える。


「ッハハ!ものスゲー締めつけ。千切れちまうぜ」
「ひっ、うぅ・・!うぐ、あぁッ!離っ、離せ、離してくれ・・!!」
「五月蝿ェよ。黙って啼いとけ」
「ッつ、あ・・!あ゛ぁあ・・・・あっ!」


握力を変えずに玉を揉みしだきながら、腰を打ちつけるノイトラのあまりの激しさに
ギシギシとベッドが軋み、視界が揺れ、舌を噛みそうになり、シーツの上を躯がずり上がって行く。
今や血だけでなくノイトラの勃起から滲む先走りの所為で
ぐちゃぐちゃと卑猥な水音さえし始めた尻の穴に、俺の正気は焼き切れそうだった。
もう、何がなんだか判らない・・・
口の中に、いつの間にか血の味が広がる。


「あ、はっ・・・、ッ ?!ん、ぐ・・っ!」


そして、唐突に、真横に現れた気配が
警戒する暇もなく俺の喘いで開いていた口の中に、二本の指を突っ込んできた。
瞠目して見上げると、無表情に見下ろしてくるテスラと視線が絡まる。
俺が舌を噛み千切ってしまわないようにか、それとも苦痛を与える為か
意図はどうあれ、俺の舌が自分の歯で傷つく事はなくなった。


「余計な事すんじゃねーよ、テスラ」
「は・・、ですがこのままでは・・・」
「わーってるよ、まだ嬲り足りねーからな」


言わんとする事の意味が、じわりと脳内に広がる。

テスラは、本当に余計な事をしたのかも知れない。
今、舌を噛み切って死んでいた方が良かったと、後で後悔してしまう程。


「っ、ん・・ん! ふぐ・・・、ンッ」


そんな俺の思考を肯定するように、ニヤリと不気味に哂ったノイトラに、寒気を覚える。
しかし今更抵抗は儘ならず、身を竦ませるだけしかない俺は
上の口をテスラに塞がれつつ、下の口を麻痺するまでノイトラに苛まれ・・・・
数回深く抉られ様、俺は萎えきった状態で、尻を犯すノイトラだけが牡を弾けさせた。


「・・・・う・・、ぅ」


腹の奥に生微温いモノを感じ、這い登った嫌悪感に身を震わせると
ズルリとノイトラの性器が引き抜かれる。
それと同時にテスラの指も引き抜かれ、漸く躯中の筋肉の緊張が解け
糸を引く唾液と精液を拭う気にもならず
気持ち悪い程に汗を掻いている躯を投げ打っていた。


「・・・っ・・、く・・・」


けど、俺はその重い躯を肘で支えながら、何とか起きて這い出そうとする。
諦めが悪いと何処かで声がするが、黙って息を整える時間すら
この場所に留まっていたくなかった。

酷い頭痛と吐き気がする・・・


「何処行く気だよ?ペーット」
「っ!、離・・せ・・・、」


しかし透かさず伸びてきた手に足首を取られ、ベッドに引き戻される。
一体これ以上の何をするつもりなのか、何か意味があるのか
半ば自棄になりそうになりながらも
漠然とした焦燥に駆られ、ノイトラの細い片目を睨み上げた。


「オマエ、まだそんな目できンのか?」
「・・・・っく、」
「こりゃァ躾しねーとな・・・」
「ッ・・?!」


言い様に、首に何かを巻きつけられる。
その何かを確認しようとする前に、そこから繋がる長い鎖を引っ張られ
ベッドから引きずり落とされた。
打った全身に顔を顰めると、構わず立ち上がったノイトラに
ズルズルと最初に居た冷たい床に連れて行かれ
反射的に長身を見上げれば、丁度壁の金具に鎖を固定している所だった。


「・・・・な・・にして・・・」


曖昧だった不安が、急に容をハッキリとさせて、胸に圧し掛かってくる。
まさぐる様に首元に手を這わすと、さっき手首に付けられたモノと同じような、細い首輪がついていた。
まさか、さっきの『ペット』という科白は、本気だったのか・・・?
・・・何故!


「な、んで・・!こんなっ・・・! っ、・・・ぁ・・?」


立ち上がって抗議しようとしたが、膝に力が入らず、へたり込む。
力んだ瞬間、恐ろしいぐらいの倦怠感に全身を襲われた。
いや、そんな生易しい感覚じゃなく、もっと
強制的に力を吸い取られた、と言った方が正しい。
さっき両手首を拘束されていた時の感覚に近い事から
霊圧か何かを吸い取る、特殊なものなのかも知れない。


「・・・く、そ・・っ」
「クク・・・大人しくしてろよ」
「っ、」


未知の感覚に困惑していると、屈んだノイトラに顎を捕まれ
耳の穴にヌルついた舌を突っ込まれる。
ぐちゅりと響いた大きな水音は勿論だが、何とも言えない気持ちの悪い嫌悪感に
思わずビクリと躯が震えた。
それを咽喉で嗤われ、歯を食いしばる。


「一体、俺をどうする、・・・つもりだ・・・っ・・」
「あァ?決まってンじゃねーか、」

 

「飼うンだよ・・・」


耳元で囁いた低音は、ゆっくりと離れ
見上げた男の顔に浮かんでいるのは、心底愉しげな、笑み。

背中を底冷えのするような怖気が撫で上げていった・・・・・

 



【終・・・?】
(続く、かも)


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2008/05/25  いた。