※流血、性描写あり。ご注意を





油断はならない。
背後を振り返るな。
けれど気配を探る事も怠ってはいけない。
緊張を解かず、誰も信じず、
眠るな、立ち止まるな、ただ只管


逃げろ。

 

 

『鬼ごっこ#2』

 


頬を冷たく打つ雨が、体温と体力を奪い取っていく。
逃げ出して、いや、鬼ごっこが始まってから、二日以上経っていた。
今日の天気は雨で、足場の状態は悪く、疲労も早い。
しかし雨雲のおかげで周囲は薄暗く、多量の雨粒が姿を見え難くしてくれるから
今の内に移動できるだけ移動した方がいいと踏んで、人通りの無い路を歩き通している。
雨の中に長時間いる所為か、寒さでガタガタと全身が震え出しても、休んでいる暇はない。
俺はいつ何時首根を捕えられるか知れない獲物と同じだ。
周りを警戒しつつ、壁に張り付いて先へ進み、泥水で足を汚す。

自分が一体何処へ行こうとしているのかすら、判らない儘。


「、、は、っ・・・・くそ・・・」


どうして、俺は逃げ続けているのだろう・・・
どうして、俺は立ち止まってしまわないのだろう・・・
どうして、俺はそうまでして生き長らえたいのだろう・・・

何もかも、諦めればいいのに、それができない俺は
醜悪なまでに生に執着している。

死ぬのが恐い。

それに、アイツの手になんか、二度と捕まりたくなんかなかった。
・・・あんな思い、もう御免だ・・・・・


「チクショウ・・・ッ・・」


虚に犯される屈辱も、男に貫かれた事実も
何もかもが俺を苦しめる。
そしてアイツに追われている現状が、一体いつまで続くのかという不安と
また捕まってしまうのではないかという恐怖に
絶えず苛まれ続ける、憔悴。


「・・・・・・く・・、」


限界だと、行く先に廃屋を見つけ、のろのろと潜り込む。
雨を凌ぐのだと、言い聞かせながら・・・・


「・・そうだ、少し休んだら、すぐにまた立ち上がって、歩き出せばいい・・・・」


割れた窓から雨が入り込んでいる場所を避け
暗い中を手探りで奥へ入り、取れかけたドアの隙間をすり抜けて
小さな部屋らしき所に辿り着き、無人だとは思うが
一応気配を探ってから、腰を落ち着けようと周囲を見回す。
しかし、笑う脚が体重を支えきれず、ドタッと無様に砂埃塗れの床に倒れる。
強かに全身を打ちつけた痛みに顔を顰め、
でも起き上がる気力さえなく、黴臭い空気を吸い込み、目を閉じた。

このまま、眠ってしまえたら、どんなに楽だろうか・・・・


「・・・・、・・っ?!」


けれどその淡い願望を打ち砕くように、一つの足音と気配を感じ
反射的に身を起こし、耳を欹てると、確かに近付いてくる。
俺は何とか壁際まで這いずっていき、躯を起こして壁に背をピタリと張り付けて、息を殺す。
ドッドッと心臓の音が逸り、大きく脈打っているのが
気付かれやしないかと冷や汗を流しながら
全神経を音と気配に集中させた。


「・・・・・・・・・・・・」


カツンカツン、と次第に強くなる足音は、確実にこっちへ向かっている気がして
俺は発狂しそうな程の恐怖と緊張に全身を硬直させる。

・・・・絶対に、音を立てるな。
身動きするな。
息をするな・・・っ

こんな逃げ場のない所で、気付かれたらお終いだ・・・!


「(頼む・・、気付かずに行ってくれ!お願いだから、来るな、来るな、来るな・・・っ)」


固く目を閉じ必死に念じていると、気配と足音はだんだんと遠ざかっていく。
・・・助かった、、
安堵の吐息を付いた。

瞬間、


「見ィつけた・・・」


耳元で聞こえた低音に、ゾッと総毛立つ。


「・・ッ!」


いつの間にか背後から現れた影が背に覆い被さり
逃れようと身を捻ったが、長い二本の腕が胴に、首に廻り
身動きできない。


「、な・・っんで・・・!」
「見つけられたかって?そりゃテメェの霊圧追っかけりゃ一発だろ」


嗤うサックスブルーが、視覚化した霊子の糸を掴む。


「・・嘘だ・・!」


そんなハズない、霊圧は辿られる可能性が一番あると思ったから
死神化もせず、常に限界まで霊力を抑えて行動していたのだから。


「あ?バカかテメェは。テメェみてーなデケェ霊圧が、そう簡単に消せるかよ」
「・・・っ!」


言い様に、完全に壁をすり抜けた虚である男が
俺の首を掴んで床に叩きつけるように仰向けに引き倒す。
後頭部と背中を強く打ち、一瞬意識が飛び
その間に躯を跨いだ長身が馬乗りになる。
気付いたときには圧倒的に不利なマウントポジションを奪われ
抗おうと伸ばした腕は左右とも床に押し付けられた。


「、、放せ・・!・・ッ嫌・・だ・・・!!」


体勢的に、これから何が起ころうとしているのか、容易に想像がつき
必死に拒絶を示すが、覆い被さる男の顔は
嘲笑とも猥笑とも云えるもので。
ヒクリと引き攣っていると、薄い唇から零れた舌が、ゆっくりと頬に滑り
雨に濡れた咽喉を、肩を、鎖骨を、舐める。


「・・・・っ、く・・・ぅッ、」


ゾクリと駆け抜ける寒気と何かで、小さく声を上げてしまう。
その怯えとは違った甘さを含んだ声に
自分でもギョッとして、否定するように唇を噛むと
低く嗤った男が、続け様に舌を辿らせ、濡れて張り付いている服の上から
胸の先端をじっとりと舐め上げる。
温かでぬめったソレが、寒さで尖っていた突起に触れると
明らかな痺れが全身に走った。


「・・っん・・・、・・ッ、、」
「クク・・・もう何されるか、分かってンだろ・・?」


敏感に反応する俺を観察しながら、低音で囁いたグリムジョーの手が
引き裂くように着ている物を剥ぎ取る。


「、、あ・・!」


そうして露になった全身に、遠慮の無い視線が纏わりつき
前回の暴行が色濃く残る肩や下腹部を眺め廻した後
恐怖と寒さで縮こまっている性器に、大きな掌が絡みつく。
愕いて腰を引かせようとするも、グッと強く握り込まれ
痛みと恐れで動けない。


「ッハ、捕まっちまったンだ・・・大人しくしてな・・」


お前に逃げる術はないと、厭らしく口端を上げ
性器を撫で擦るグリムジョーのもう片方の手が
すぐに後孔に廻され、唾を吐きかけた其処へ無理矢理指を捻り込んだ。


「・・・っう・・!ぐ、ァ・・・ッ!!」


前回の暴辱の傷が治り切っていないのに
遠慮無く慣らしを掛ける指が、拡げるような動作をする所為で
呆気なく傷口が開き、刺すような痛みが全身を襲う。
堪らず声を上げると、無慈悲な男はサディスティックに咽喉で哂い
早々に引き抜いた血に塗れた指を、見せつけるように舌で舐め
怖気に震え上がる俺の両足を抱え上げると


「今日は顔見ながら犯してやるよ・・・」


残酷に囁きながら、これでもかと云う程俺の脚を左右に広げ
力加減もなしに、行き成り深々と怒張した雄を突き刺した。


「・・・っあ!、あ゛あぁア・・!!」


裂けた激痛と、とてつもない圧迫感で
まともな呼吸さえ出来ず嗄れた悲鳴を上げ、グリムジョーの服を毟るように掴む。
死にそうな感覚に脂汗が噴出し、ガタガタと全身が戦慄いた。
思考が明滅する。


「っ痛、・・・・い・・!痛イ・・ィッ、ぐ、、!!」
「そりゃそーだよなァ、スゲー血ィ出てるもんよ」
「、、っ・・・!あ・・ぎッ、・・・っ!」


限界まで押し開いた膝に体重を掛けながら、強く腰を揺すり上げたグリムジョーの言う通り
グブッと空気を含んだ水音が生々しく室内に響く。
俺は耐えられない衝撃に涙を流し、
ガンガンと突き上げられる度に無様な悲鳴を断続的に上げた。
背中が床と擦れても、痛みなど感じない。
穴を貫く狂気と、再びグリムジョーに犯されている現状だけが、苦痛だった。


「ッ、あ・・、あっ!ヒ・・・ッグゥ・・!」
「・・あ〜、堪ンねェな・・・その声、」


興奮を隠そうともせず呟いたグリムジョーが、深く俺に覆い被さり
激しく前後に揺さ振り掛け、入り口や中や奥を抉る。
それから縮んで萎え切った俺の性器を掴み
巧みに扱き上げてくるから、驚いて目を見開く。
明確な疼きが腰にじんわりと篭もっていくのが判り
髪を振り乱して「やめろ」と叫んだ。
そんな辱めだけは絶対にされたくなかった。
無理矢理躯を暴かれても、痛みだけだったからこそ
まだどこかで矜持の欠片みたいなモノを掴んでいられたのに・・・・・

前回と違い、与えられるのが苦痛だけでない事が
余計に俺のプライドを酷く踏み躙った。


「、、ふっ・・、うぅ・・・・、う・・っ・・」
「あ?餓鬼みてェに泣いてンじゃねーよ、ンなに虐められてーか?」
「ッ・・・、?!、・・ンっ・・・あぁっっ」


何かの箍が脆く外れ、嗚咽さえ洩らし始めると
愉しげに言い放ったグリムジョーに、勃ち上がりきった性器を乱暴な手付きで扱かれて、
相乗した快楽に堪らず善がり声を上げ身を捻る。
強姦されているというのに、自分の躯が欲望に打ち震え
甘く強請るような嬌声まで上げてしまい、俺は更に屈辱に打ちのめされた・・・


「・・・っあ、っあ、、も・・・・・許・・っっ」


限界だ。
俺の正気が、崩れ去りそうだ・・・
壊れたくない、お願いだからやめてくれと、縋り付いて懇願しても
グリムジョーは方頬を上げ、止まらない。


「ひぐっ、・・ン・・!、ヒィ、あぁっ!」


無茶苦茶に俺の性器を扱き上げて強制的な快楽を与えながら
貪り尽くすように腰を抉る、その激しさに
到頭俺は涎を垂れ流してビュクビュクと射精し、泣いてヨがって腰を振った。


「あっ、あっ、アぁっ・・・・あ!っ、ンぅ、、うぅ・・っ!」
「・・・っ」
「、んッく・・・」


細かく揺すり上げられ、一瞬呻いた後
ドロリと放たれた白濁は、最奥で生温く流れ纏わりつき
グリムジョーの動きも漸く止まる。
萎えたグリムジョー自身がズルと音を立てて引き抜かれると
締まり切らない穴からトロトロと残滓が漏れ出し、尻の間を伝い落ちた。


「・・・・ぁ・・、っ、、」


その感覚に身震いすると、ニヤリと厭らしく口端を吊り上げたグリムジョーが
俺の片脚を高く持ち上げ、太腿に散っていた濁った飛沫を舐めながら
ゆるく解れきっているぐじゅぐじゅの穴に、ゆっくりと指を挿れて掻き混ぜてくる。


「、、ッ」


グチ、とワザと音を立てて繰り返す事で、俺に「犯した」という事実と実感を刻み込んでいるのだ。
こうしてまたしてもグリムジョーに捕まり、二度目を宣言通り犯された事が
情けなくて、悔しくて、唇を噛んで涙を流すと
クツクツと咽喉で嗤った長身がゆっくりと立ち上がり、動けない俺を見下す。


「残念だったなァ」


折角頑張って逃げてたのにな、と
嫌味に囁きながら、グイと足先で頭を押してくるのを
カタカタと震えながら耐えた。


「で?これで終わったとか思ってねーよな?」
「・・・?!」


捕まえて、もう嬲り飽きて用済みで、ついに殺すのかと 心の何処かで安堵すらしていたのに
思いもしないセリフを聞かされ、瞠目する。
まさか、と硬直して男を凝視すれば


「これからだぜ・・?」


と、愉しげに細められた双眸が、狂喜に光る。
俺は絶望で竦みあがった。
力の入らない片脚を高く持ち上げられ、腰を抱え直したグリムジョーの性器が
グロテスクに脈打ち、三度目の侵食を始める。

 


「さァ、今度こそ死ぬ気で逃げな」

 

鬼ごっこは、終わらない。

 

 

 

【3へ続く】


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あとがき    

ヨシ、頑張って続かせよう。
だんだん一護が開発されていけばいい。笑

2008/03/30  いた。