「おかえりにゃさいv」

フリルの利いたメイド服、ではなく
約束通りのフワフワネコ耳で出迎えた、猿野天国だった。

 

 


『にゃんこ』

 

 


再び週末。先週と同じ時間だ。
いつものように部活から帰った御柳が、自宅のドアを期待半分に開けると、目に飛び込む、ネコ。
柔らかそうな毛並みのピンと立った耳に、しなやかな長い尻尾
両手足にピンク色の肉球が付いた嵌め物をして、ネコらしく四つん這い
毛色は黒で、猿野の栗色の髪と白い肌に、よく合っている。

尻尾が無理矢理取り付けられた色気のないトランクスさえ無ければ、完璧だ。

「今日はネコちゃん?」
「おう。可愛いだろ」

クイクイと前足に見立てた右手で、顔を毛繕いする真似をする猿野が、楽しげに笑む。
瞳孔が縦に細長く伸びたカラーコンタクトが、本物らしさを醸し出していた。

「さぁ、どーするにゃ?俺と遊んでくれるにゃ?」
「もちろんっしょ」

玄関を上がると、相変わらずキャラになりきっている猿野が
強請るように足元に擦り寄ってくるのを、顎を撫でて快諾してやると
嬉しそうにゴロゴロと咽喉を鳴らす。
今回も楽しめそうだと御柳は目を細め、早速寝室へと向かいながら
一体どんな趣向を凝らしてあるのかと期待する。
四つん這いのままの猿野は、先にドアの前で待っていた。

「なに?開けて欲しいってか?」
「にゃぁ」

自分で開けられる筈のドアをわざわざ開けずに居たのを
さすがと感心しつつドアを開けてやると、スルリと猿野が中に入り
自分も続いて中へ入った。
すると、本物のネコを飼っていないのだからある筈もない、爪研ぎや猫じゃらしが
フローリングの上に無秩序に置かれ、壁際にはご丁寧にミルクの入った器がある。
そしてメインのベッドはと言えば、例の如くシーツが取り替えられ
本日の模様は少しばかり目に痛い、豹柄。
極めつけは、その上に点々と転がるペット用マタタビである。
まったく予想を裏切らない凝り性だ。
御柳は笑みを浮かべながら、野生的なベッドへと腰掛け
大人しく足元で犬のようにオスワリをしている猿野へ視線を向ける。

「ちっとシーツ派手過ぎじゃね?」
「しょーがにゃいにゃ。これしか無かったにゃ」
「ふーん?つーかオマエ、猫耳似合うな」
「っそ、そーか?色はお前の好きな黒選んだんだぜ?」
「天国、喋りが素になってンよ」
「うおおっ!ワリ!」

サラリと褒めてやると、照れて演技を忘れてしまい慌てて詫びる可愛いネコを愛でつつ
御柳は側にあった一本の猫じゃらしに手を伸ばし
徐に猿野に向かって、誘うようにヒラヒラと振って見せた。

(・・・これは食いついて来いってことか?)

そう解釈した猿野は、迷うことなく右手を伸ばし
チョロチョロと動き回る猫じゃらしを捕まえようと、必死に追うが上手く避けられる。
段々じれったくなって来て、両手を使うが、ヒョイと頭上へ逃げられ

「ッニャー!」

到頭膝立ちになってすばしっこいオモチャを捕まえると、いつの間にか別の猫じゃらしを持っていた御柳に
無防備な脇腹と首筋をフワフワの先っぽで撫で上げられる。
ゾクリとくすぐったさに身を震わせると、悪戯っぽく口端を上げた御柳が
意図的に猿野の敏感な箇所を、耳・顎・首・胸・腹・・・順になぞり出すので
堪らず猫じゃらしを奪い取ろうとするが、またもやヒラリと逃げられてしまい。

「、、っあ、みや・・なぎ・・・、くすぐったい・・・・やめ・・ッ」
「ん?ちゃんと遊んでやってンしょ?」

シレッと嘯いた御柳に、続けて内股を撫でられると
ゾクゾクとした感覚が走り、これはダメだと距離を取ろうとするが
その前に腕を掴まれて床の上に組み敷かれる。

「・・・ぁ、ヤバいって、御柳・・・・まさか、、」

もう本番が始まっているのかと、体格のいい御柳を見上げると
その通りだと言わんばかりに、ニヤリと笑みが返ってきた。
ヒッと怯んだ猿野の躯に、早速スルリと柔らかく触れる感触があり
くすぐったくて暴れるものの、しっかりと圧し掛かられているので、踠く程度にしかならない。

「ッヒ、く・・!」

しかも性質の悪いことに、御柳が器用に猫じゃらしを操りながら
ねっとりと首筋や乳首を舐めて廻るので、くすぐったさと相俟って、次第にむず痒くなってくる。
特に左右の乳首を何度も交互に集中的にやられると
痒い所に手が届かない状態に陥り、散々甚振られて真っ赤になった先端がヒリヒリと尖って
引っ掻いてくれと訴えかけてくる。
まるでそれを見計らったように、御柳に硬い前歯でコリコリと噛まれると
たぶん一種の快楽だろう、痺れる程気持ちが良かった。

「、、っく、ぁ・・! ン・・・ッ」

これはヤバイと喘ぐ猿野を他所に、するりとトランクスが脱がされ
既に半勃ちになっていたペニスを、例のオモチャでコショコショとくすぐられると
その絶妙な力加減か、それとも単に刺激の所為か
扱いてもいないのに、猿野のペニスは屹立を果たす。
そこへ先走りの粘つきが加わると、愈々我慢できない。
身を捩ってやめてくれと懇願しても、猿野をイジメることが大好きな御柳なので
愉しげに咽喉で哂いつつ、益々猫じゃらしを使って弄り通す。

「あ・・・っ!ヒィ・・・ッ!、・・・うっ・・ぅっ、、」

そうして御柳が飽きるまで、猿野は暫く全身と局部を攻められ続けた。
けれど、さすがにこの刺激だけで絶頂までは辿り着けないので
中途半端な生殺し状態の儘、猿野は床の上でヒクヒクと痙攣しながら荒い呼吸を繰り返し
全身にびっしょりと汗をかいて、臨界点寸前のペニスを惜しげもなく御柳の目に晒し、四肢を投げ出していた。

「ンだよ?もうヘバッたのか、天国」
「・・・あ・・ぅ・・・っ・・」
「今日はまだイッてもねーし、突っ込んでもねーぜ?」
「・・・、わかっ・・てる、、 っう・・・く・・・ッ」

漸く猫じゃらし攻撃をやめた御柳が、さぁこれからどうする?とニヤニヤしながら問い掛けてくる。
本来なら、まだまだ御柳のイジメに付き合わないと駄目なのだろうが
躯が疼いてしょうがない今の猿野は、さっさと御柳と繋がってしまってあの熱に何度も貫かれたかったので
今にも達しそうな過敏な躯を何とか起こし、自分で御柳の方に尻を向けて四つん這いになる。

「・・・あ、も、、慣らさなくて・・いいから・・・っ、早く挿れてくれ・・・ッッ」

突き出すように腰を上げ、それだけを言い切った猿野のヒクつくアナルを眺めながら
御柳は己自身が追い詰めた猿野が、まさに獣のように本能の衝動のまま行動している事に満足し
口端をグイと吊り上げる。
それから猿野の腰を掴み、既に充分に硬くなっている己のペニスをぐっと捻じ込んだ。

「ッあ・・・!、はっ・・・はぁっ・・!」
「さすがに、きっちィな、、」

ほぼ毎日のようにセックスをしている為、猿野のアナルが切れてしまうという事はなかったが
慣らさなかった分、普段よりヤり難いのは当たり前である。
それでも御柳は腰を進め、全てを収めきると、息を詰める猿野を済し崩すように
グイと腰を引き、また深く突き入れる。

「ッ・・・ヒ!、・・・ひっイッ・・・うぐ、っ」
「痛ェ?でも、これぐらいのが、イイんしょ?」
「あっ、んん…!」

御柳のモノといつもよりひっつく粘膜が、無理矢理擦られ、引き摺られる苦痛が猿野を襲うも
御柳が言うとおり、行為を待ち望んでいた猿野には、この刺激すら気持ちのイイものだった。
その証拠に、猿野のペニスは萎えるどころか、ボタボタと嬉し泣きをするように先走りを滴らせていた。
咽喉で笑った御柳はそのネバつきを撫でつけるようにペニス全体を扱いてやり
堪らず唸るような嬌声を上げた猿野を、何度も後ろから穿つ。

「んっ、んっ…、…あっん…!」

自分で選んだ体位とはいえ、動物のように四つん這いの儘
背後から御柳に突かれるのは、顔が見えない分余計興奮する。
猿野はいつもより大きな声で喘ぎながら、ズンズンと突き上げてくる御柳のペニスを力いっぱい締め上げ
快楽の汗を流して髪を振り乱した。

「ッあ!ふ・・っ、くぅ・・ッ、、ぅう・・・!」

心なしか、御柳の方も普段より荒っぽい。
その所為で四つん這いを維持していることすら困難になり、堪らずベッドに縋りつくと
それを由として、より背後から遠慮なく貫かれる事になってしまい、猿野は「ひぃっ」と情けない声を上げた。

「天国、今日はネコなんしょ?可愛く啼いてみろよ」
「あっ、あ・・!ひぁッ・・・、みゃっ、みゃぁな・・ぎ・・・っ・・!ヒィ・・ッあ!」
「もっと、ネコっぽく」
「、にゃ・・っにゃぁ・・!にゃあッ・ああっっ!」

意地悪く指摘されたことで、半ば自棄糞になってにゃぁにゃぁと喘ぐ猿野は、間違いなく猫である。
満足げにほくそ笑んだ御柳は、仕上げとばかりに突き上げる速度をあげ
充分に猿野の柔肉を愉しんだ後、その証をたっぷりと中へ注ぎ込んだ。

「…っあ!…あ、ぁ……っ…」

同時に、シーツに擦り付けるように猿野も達し
なんとも言えない恍惚の声を点々と零して、ぶるぶるとその余韻に酔い痴れる。
御柳はそんな猿野の頭をくしゃりと撫ぜ、ずるりと自身を引き抜き
猿野から離れようとしたが、それを止めたのは他でもない、猿野本人だった。

「ご奉仕、するニャン…」

ろくに息も整っていないのに、白濁に塗れた御柳の下腹部を綺麗にしようと言うのだ。
見上げたサービス精神だ。
御柳はグイと口端を吊り上げ、膝立ちで己の股間に顔を寄せる猿野の頭を抱き、褒めるように髪を梳いてやる。
それだけで、猿野の内心は嬉しくてしょうがない。
ムッとする性臭なんか気にも留めず、ゆっくりと赤い舌を這わせた。

 

 

「…あー、、今日も最高だった」

すっかり躯の熱も引き、未練たらしくベッドでゴロゴロとしていた猿野がうっとりと呟く。
隣の御柳はと云えば、行為の最中に取れてしまって床の上に散らばっている
猫耳や尻尾を手に取り、しげしげと眺めていた。

「見れば見るほどクオリティ高ぇっしょ、コレ」

今回も例の如く、仕入先はド●キだろうか。

「知り合いの女子が作ってくれた」
「…あー」

そういえば、専門学校の家政科に通っている仲の良い友達が居るのだと言っていた事を思い出し
御柳は得心したように目を細めた。
どうやらコスプレ好きの猿野には、頼もしい同士がいるらしい。

「じゃ、次はナースだな」
「おっしゃ!任せとけ」

ならばとリクエストした御柳に、快い承諾が返ってきた。

 

 

【終】


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あとがき

コスプレシリーズ第2弾。
前回の宣言どおり、今回はネコちゃんにて。例の台詞も言わせる事ができまして、満足ですv
強いて言うなら、もっと道具を使ってプレイしたかった…
ので、次回のナースで挽回です。使用したい道具「拘束具」

。いた。

2009/07/11